原水 と 浄水 の 違い:私たちの飲み水ができるまで

「原水」と「浄水」、この二つの言葉、皆さんはどれくらい違いを理解していますか? 実は、私たちの毎日の生活に欠かせない飲み水は、この「原水」と「浄水」の過程を経て作られています。今回は、そんな「原水 と 浄水 の 違い」を、分かりやすく、そして少し面白く解説していきます!

川や湖の水、そのままじゃ飲めない? 原水の正体

まず、皆さんが「水」と聞いて思い浮かべるものは何でしょうか? きれいな川の水、静かな湖の水、もしかしたら雨水かもしれませんね。そう、これらがまさに「原水」です。原水とは、私たちの生活用水や飲み水として利用される前の、自然界に存在するそのままの水のこと。海の水は塩分が多いのでそのままでは飲めませんが、川や湖、地下水などが主な原水となります。

しかし、この原水には、そのままでは私たちが安全に飲むことができない理由がたくさんあります。

  • 泥や砂などの「濁り」
  • 植物や動物の死骸、排泄物などの「有機物」
  • 病原菌などの「微生物」
  • 農薬や工場排水などの「化学物質」

これらをそのまま口にすると、お腹を壊したり、もっと深刻な健康被害につながることもあります。 だからこそ、原水を安全な飲み水に変えるための「浄水」のプロセスがとても大切なのです。

浄水場では、これらの原水に含まれる様々な不純物を取り除くために、いくつかの段階を踏みます。

  1. 沈殿・ろ過: 大きなゴミや濁りを取り除く
  2. 消毒: 病原菌を殺菌する
  3. その他の処理: 臭いや味を改善するなど

「浄水」への旅:不純物を徹底除去!

「浄水」とは、まさにこの「原水」が、私たちの家庭に安全に届けられるように、様々な処理を施された後の水のことです。私たちが蛇口からひねって出てくる、あの透明で、安心して飲める水こそが「浄水」なのです。

浄水場では、原水が持つ様々な課題をクリアするために、工夫が凝らされています。

処理の目的 主な方法
濁りや浮遊物を取り除く 沈殿、ろ過(砂や炭などを使用)
病原菌やウイルスを殺菌する 塩素消毒、紫外線照射
嫌な臭いや味を取り除く 活性炭による吸着

これらの工程を経て、原水は「浄水」へと生まれ変わります。

原水に含まれる「濁り」とその影響

原水には、雨が降ったときなどに川が濁ったり、土砂が混ざったりすることがあります。この「濁り」は、見た目が悪いだけでなく、水の中に潜む病原菌を隠してしまう可能性もあります。

濁りを取り除くための代表的な方法としては、

  • 沈殿: 水に薬品を加えて、重い粒を底に沈める
  • ろ過: 砂や炭などの層を通して、細かいゴミを取り除く

といった方法があります。まるで、コーヒーをフィルターで淹れるようなイメージですね。

微生物との戦い:病原菌を撃退!

原水には、目に見えない小さな微生物、例えば大腸菌やノロウイルスなどの病原菌が含まれていることがあります。これらは、私たちの健康を脅かす存在です。

浄水場では、これらの微生物を徹底的に退治するために、主に以下の方法が使われます。

  1. 塩素消毒: 少量の塩素を加えて、菌を殺す
  2. 紫外線照射: 特殊な光を当てて、菌の活動を止める

これらの消毒により、水は安全に飲める状態になります。

化学物質の脅威と除去方法

農薬や工場からの排水など、私たちの生活活動によって、原水に様々な化学物質が混入することがあります。これらの化学物質の中には、少量でも人体に悪影響を及ぼすものがあります。

化学物質を除去するために、浄水場では次のような工夫がされています。

除去したい物質 主な除去方法
農薬、トリハロメタン(消毒時に発生)など 活性炭による吸着
特定の有害物質 膜ろ過、オゾン処理など

特に活性炭は、その小さな穴に化学物質を吸着させる性質があり、多くの浄水場で活躍しています。

臭いや味の改善:おいしい水のために

原水には、藻類や有機物が原因で、時々、嫌な臭いや味がすることがあります。せっかく安全でも、おいしくなければ飲みたくなくなってしまいますよね。

臭いや味を改善するために、

  • 活性炭処理: 臭いの元となる物質を吸着させる
  • オゾン処理: 臭いを分解する

といった方法が用いられます。まるで、料理でアクを取ったり、隠し味を加えたりするような工程です。

「水道水」は「浄水」の代表例

皆さんが普段、蛇口をひねって使っている「水道水」は、まさに「浄水」の最も身近な例です。各自治体の水道局が、水源から取ってきた「原水」を、先ほど説明したような様々な工程を経て「浄水」にし、皆さんの家庭まで届けてくれているのです。

水道水が安全で、おいしいのは、こうした徹底した「浄水」のプロセスがあるからなのです。

さて、「原水」と「浄水」の「違い」、そして「浄水」への道のり、いかがでしたでしょうか? 原水は、自然の恵みですが、そのままでは危険も伴います。それを、科学の力で安全でおいしい「浄水」に変えてくれる浄水場の働きがあるからこそ、私たちは安心して水を使えているのです。これからも、この大切な「水」に感謝しながら、上手に使っていきましょう!

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