民事 と 刑事 の 違いをスッキリ解説! ~あなたの生活を守る法律知識~

「民事」と「刑事」、この二つの言葉、なんだか難しそう…と思っていませんか? でも、実は私たちの日常生活と深く関わっているんです。 民事 と 刑事 の 違い を理解することは、自分の権利を守ったり、社会のルールを知る上でとっても大切。このコラムでは、この二つの違いを、まるで友達に話すみたいに分かりやすく解説していきますね!

目的が全然違う! 民事と刑事の根本的な違い

まず、一番大きな違いは「何のために裁判をするのか?」という目的です。民事裁判は、個人と個人、あるいは会社と個人の間の「約束事」が守られなかったときに、その約束をきちんと守らせたり、損した分のお金を返してもらったりすることが目的です。例えば、友達にお金を貸したのに返してもらえない、隣の人との騒音トラブル、交通事故で車が壊れた、といったことが民事の分野になります。あくまで、当事者同士の「権利」や「義務」の問題を解決することを目指すんです。

一方、刑事裁判は、国が定めた「法律」に違反した人(犯罪を犯した人)を罰することが目的です。これは、社会全体のルールを守り、みんなが安心して暮らせるようにするために行われます。万引き、詐欺、暴行、殺人といった、法律で「犯罪」と定められている行為が刑事の分野です。なので、刑事事件は、国(検察官)が「犯罪があった!」と訴えて、裁判でその人が有罪かどうかを判断し、有罪なら刑罰を与える、という流れになります。 民事 と 刑事 の 違い は、この「誰が誰を訴えるのか」という点でも大きく異なります。

まとめると、民事は「私」と「あなた」の間の争いを解決するもので、刑事は「国」と「あなた」の間の争い(=犯罪の有無とその罰則)を解決するもの、と言えるでしょう。こんな風に、目的が違うことが、その後の手続きや結果にも大きく影響してくるんです。

  • 民事 :個人間の権利・義務の争い
  • 刑事 :社会全体のルール違反(犯罪)とその罰則

誰が訴えるの? ~原告・被告と検察官・被告人~

次に、裁判を起こす側(訴える側)と、訴えられる側(訴えられる側)がそれぞれどう呼ばれるか、そして誰がその立場になるのかを見てみましょう。

民事裁判では、訴える側を「原告(げんこく)」、訴えられる側を「被告(ひこく)」と呼びます。例えば、友達にお金を貸したのに返してもらえない場合、お金を貸したあなたが原告になり、お金を返さない友達が被告になります。つまり、基本的には「当事者」同士が裁判を起こし、争うことになります。裁判官は、原告と被告の言い分を聞いて、どちらの主張が正しいかを判断します。

一方、刑事裁判では、訴える側は「検察官(けんさつかん)」、訴えられる側は「被告人(ひこくにん)」となります。検察官は、警察が集めた証拠などをもとに、この人が法律に違反した(=犯罪を犯した)と判断した場合に、裁判所に訴えを起こします。ここでいう「被告」と、民事の「被告」は意味が違うので注意が必要です。刑事裁判では、裁判所は、検察官の訴えを受けて、被告人が有罪か無罪かを判断します。

この「訴える人」の違いは、裁判の進め方にも影響します。民事では、当事者双方が証拠を出し合って、自分の主張を証明していくのが基本です。しかし、刑事では、犯罪を証明する責任は検察官にあります。被告人は、無罪を証明する必要はありません。

表にまとめると、こんな感じです。

民事 刑事
訴える側 原告(個人・企業など) 検察官(国)
訴えられる側 被告(個人・企業など) 被告人

どんな結果になるの? ~賠償と刑罰~

裁判の結果、どうなるかも大きく違います。

民事裁判で勝訴すると、相手に対して「〇〇円を支払え」「約束したことを実行しろ」といった、具体的な「命令」が出されます。これが「判決」です。例えば、交通事故で車が壊れた場合、相手に修理費用を支払うように命じられたり、ケガをした場合は治療費や慰謝料を支払うように命じられたりします。つまり、失われた「権利」を取り戻したり、損害を「賠償」してもらったりすることが主な目的です。

一方、刑事裁判で有罪となると、「刑罰」が科せられます。刑罰には、懲役(ちょうやく)、禁錮(きんこ)、罰金(ばっきん)、死刑など、様々な種類があります。これは、犯罪を犯したことに対する「罰」であり、被害者の損害を直接的に「賠償」するものではありません。ただし、刑事裁判とは別に、被害者が民事裁判を起こして損害賠償を求めることは可能です。

つまり、民事のゴールは「損害の回復」や「権利の実現」であり、刑事のゴールは「犯罪者への制裁」というわけです。 民事 と 刑事 の 違い を理解する上で、この「結果」の違いも重要なポイントですね。

証拠の集め方と、裁判の進め方

証拠をどう集め、裁判がどう進むのかも、民事と刑事では違いがあります。

民事裁判では、原告と被告がそれぞれ、自分の主張を裏付ける証拠を集めて提出します。例えば、契約書、領収書、メールのやり取り、写真、録音などが証拠になり得ます。裁判官は、提出された証拠を元に、どちらの言い分がより説得力があるかを判断します。証拠集めは、基本的には当事者の責任で行われることが多いです。必要に応じて、専門家(例えば、医師に診断書を書いてもらったり、不動産鑑定士に評価をしてもらったり)の協力を得ることもあります。

刑事裁判では、犯罪の証拠集めは主に警察や検察官が行います。彼らは、目撃者の証言、現場に残された物証(凶器、指紋など)、防犯カメラの映像などを収集します。検察官は、集まった証拠を精査し、裁判で被告人の有罪を証明するための材料とします。被告人側も、無罪を主張するための証拠を集めることはできますが、その労力や収集の難しさから、検察官の証拠に対して反論していく、という形になることも多いです。

  • 民事 :当事者双方による証拠収集・提出が中心
  • 刑事 :警察・検察官による証拠収集が中心

裁判官の役割

裁判官が、それぞれの裁判でどのような役割を果たすのかも、 民事 と 刑事 の 違い を理解する上で大切です。

民事裁判において、裁判官は、原告と被告の間の「中立な第三者」として、双方の言い分や提出された証拠を公平に判断します。まるで、二人の友達がケンカしているときに、どちらの言い分も聞いて、どちらが悪いのか、どうすれば仲直りできるのかを一緒に考えるようなイメージです。裁判官は、法律の知識に基づいて、どちらの権利がより尊重されるべきか、どのように解決するのが最も妥当かを決定します。時に、和解(当事者同士で話し合って、お互いが納得できる解決策を見つけること)を勧めることもあります。

一方、刑事裁判では、裁判官は、検察官が提示する「有罪の主張」と、被告人側(弁護人)が提示する「無罪の主張」を、法と証拠に基づいて判断します。検察官は「この人は罪を犯しました」と主張し、被告人側は「私は罪を犯していません」または「情状酌量してほしい」と主張します。裁判官は、これらの主張のどちらが真実か、あるいはどの程度真実かを、客観的に見極める役割を担います。検察官が「犯罪があった」ということを証明できなければ、裁判官は無罪の判決を下します。

このように、どちらの裁判でも裁判官は公平な判断を下しますが、その判断の基準や、判断に至るまでのプロセスが、民事と刑事で異なってくるのです。

裁判にかかる時間と費用

「裁判」と聞くと、とても時間がかかりそうで、費用も高そう…というイメージがあるかもしれません。これも、民事と刑事で違いがあります。

民事裁判は、事件の内容や複雑さにもよりますが、解決までに数ヶ月から数年かかることも珍しくありません。特に、専門的な知識が必要な事件や、当事者間の対立が激しい場合は、時間がかかりがちです。裁判にかかる費用としては、裁判所に納める「印紙代」や、弁護士に依頼する場合はその「弁護士費用」などが考えられます。ただし、少額の民事訴訟など、手軽に訴訟を起こせる制度も用意されています。

刑事裁判は、比較的、民事裁判よりも迅速に進む傾向があります。ただし、これも事件の規模や複雑さ、裁判員裁判になるかどうかなどによって大きく変わります。刑事裁判では、国選弁護制度といって、資力のない被告人に対して国が弁護士をつけてくれる制度があります。そのため、被告人自身の費用負担が少なく済む場合もあります。ただし、被害者が損害賠償を求める場合は、別途民事裁判を起こす必要があり、その場合は費用や時間がかかることになります。

民事 と 刑事 の 違い を理解する上で、こうした現実的な側面も知っておくと、より身近に法律を感じられるのではないでしょうか。

まとめ:私たちの生活を守るための二つの道

さて、ここまで 民事 と 刑事 の 違い について、目的、当事者、結果、証拠、裁判官の役割、そして時間と費用という観点から見てきました。

民事は、個人間のトラブルを解決し、お互いの権利を守るための「身近なルール」。刑事は、社会全体の安全を守るための「より厳しいルール」と言えます。どちらも、私たちが安心して暮らしていくために、なくてはならないものです。この違いを理解することで、いざという時に、どうすれば良いのか、どこに相談すれば良いのかが、きっと分かってくるはずです。法律は、私たちを守るための力強い味方なんですね!

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