「契約社員」と「派遣社員」、どちらも正社員ではない働き方ですが、具体的に何が違うのか、疑問に思ったことはありませんか？ この二つの働き方には、いくつか重要な違いがあります。今回は、 契約社員と派遣社員の違い を分かりやすく解説していきます。どちらの働き方が自分に合っているか、見つけるヒントになれば嬉しいです。
雇用契約の結び方と指揮命令
まず、一番大きな違いは、誰と雇用契約を結ぶか、そして誰から指示を受けるかという点です。契約社員は、あなたが働きたいと思っている会社（派遣先ではありません）と直接、雇用契約を結びます。つまり、その会社の一員として働くことになります。給与の支払いなども、その会社から直接行われます。
一方、派遣社員は、派遣会社という「人材派遣会社」と雇用契約を結びます。そして、実際に仕事をするのは、派遣先となる別の会社です。指示を出してくれるのは、派遣先で働く担当者ですが、給与や社会保険の手続きなどは、契約を結んでいる派遣会社が行ってくれます。
この違いをまとめると、以下のようになります。
- 契約社員： 働く会社と直接雇用契約を結び、その会社から指示を受ける。
- 派遣社員： 派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の会社から指示を受けて働く。
この雇用契約の結び方と指揮命令系統の違いは、両者の働き方を理解する上で非常に重要です。
給与と福利厚生
給与や福利厚生についても、契約社員と派遣社員では違いがあります。契約社員の場合、直接雇用している会社の給与体系や福利厚生が適用されることが一般的です。会社の就業規則に則った扱いを受けることができます。
派遣社員の場合は、派遣会社によって給与や福利厚生が異なります。派遣会社によっては、独自の福利厚生制度が充実している場合もありますし、契約内容によっては、派遣先の会社の福利厚生の一部を利用できるケースもあります。そのため、派遣会社に登録する際には、どのような給与形態や福利厚生が用意されているのかをしっかりと確認することが大切です。
- 派遣会社との面談で、給与や賞与について確認する。
- 社会保険や雇用保険の加入条件を確認する。
- 有給休暇の取得方法や日数を把握する。
仕事内容の決定権
仕事内容の決定権にも違いが見られます。契約社員は、直接雇用している会社が、その役割や業務内容を決定します。したがって、会社のニーズに合わせて、比較的柔軟に業務内容が変更されることもあります。
派遣社員の場合、仕事内容は、派遣先企業のニーズと、派遣会社が持っているスキルを持つ人材のマッチングによって決まります。そのため、自分の希望する仕事内容に合致する案件を選びやすいというメリットがあります。ただし、派遣先での業務内容が、事前の説明と異なった場合は、派遣会社に相談することが重要です。
| 契約社員 | 派遣社員 |
|---|---|
| 会社が決定 | 派遣先企業と派遣会社の条件による |
契約期間
契約社員は、多くの場合、期間の定めのある雇用契約を結びます。契約期間は、数ヶ月から数年と様々ですが、更新されることもあります。契約期間満了時には、契約更新の有無について、会社と話し合うことになります。
派遣社員も、原則として期間の定めのある雇用契約を結びます。派遣契約には、原則3年間の「派遣元無期雇用派遣」と、それ以外の「一般派遣」があります。派遣社員の場合、同じ派遣先で働ける期間に原則3年の上限があるため、長期的に同じ職場で働きたい場合は、派遣会社と相談して、他の派遣先を紹介してもらうなどの対応が必要になります。
キャリアパス
キャリアパスの考え方にも違いがあります。契約社員は、直接雇用されている会社での昇進や昇給、異動などの機会を得られる可能性があります。社内でのキャリアアップを目指しやすいと言えるでしょう。
派遣社員の場合、キャリアパスは、派遣会社との契約内容や、担当する派遣先によって異なります。新しいスキルを身につけるために、様々な派遣先で経験を積むという考え方ができます。また、派遣会社によっては、キャリアカウンセリングなどのサポートが受けられる場合もあります。
社会保険・税金
社会保険（健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険）や税金（所得税、住民税）の扱いは、どちらの働き方でも、法律で定められた基準を満たせば加入・納付する義務があります。契約社員は、直接雇用している会社が手続きを行います。
派遣社員の場合は、雇用契約を結んでいる派遣会社が、社会保険や税金の手続きを行います。保険料の負担額なども、法律に基づいて定められています。不明な点があれば、遠慮なく派遣会社に質問しましょう。
- 加入条件は、勤務時間や日数によって異なります。
- 毎月の給与から天引きされることが多いです。
- 年末調整の手続きも、派遣会社が行ってくれます。
まとめ
契約社員と派遣社員は、それぞれ異なる特徴を持っています。どちらの働き方が良いかは、ご自身のライフスタイルやキャリアプランによって変わってきます。それぞれの違いを理解し、ご自身に最適な働き方を選んでくださいね！