Google と Google+ の 違い は? 知っておきたい基本を徹底解説!

「Google と Google+ の違いは?」と聞かれて、すぐに答えられる人は、実はそれほど多くないかもしれません。Google は皆さんが日常的に使っている検索エンジンやGmail、YouTubeなどを提供している巨大なインターネット企業そのものを指します。一方、Google+ は、かつてGoogleが提供していたソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の名前でした。つまり、 Google と Google+ の違いは、企業と、その企業が提供していたある特定のサービスの違い 、ということになります。

Google という巨大なエコシステム

まず、Googleについてお話ししましょう。Googleは、皆さんが知っている検索エンジンをはじめ、メールのGmail、動画共有のYouTube、地図のGoogleマップ、そしてスマートフォンで使われるAndroid OSなど、私たちの生活に欠かせない様々なサービスを提供しています。これらのサービスは、それぞれ独立していますが、Googleという大きな枠組みの中で連携しています。まるで、大きな遊園地の中に、ジェットコースターや観覧車、メリーゴーランドなど、色々なアトラクションがあるようなイメージです。

Googleが提供するサービスは、多岐にわたります。例えば、

  • 情報収集:Google検索
  • コミュニケーション:Gmail、Google Chat
  • エンターテイメント:YouTube
  • ナビゲーション:Googleマップ
  • 生産性向上:Googleドキュメント、Googleスプレッドシート

といった具合です。これらのサービスを、Googleアカウント一つで利用できることが、Googleの大きな特徴です。 Googleのサービス全体を理解することが、Googleという企業の本質を掴む上で非常に重要 です。

Googleのサービスは、常に進化しています。新しいサービスが追加されたり、既存のサービスが改良されたりします。私たちは、これらのサービスを通じて、情報を得たり、人と繋がったり、仕事をしたりと、様々な活動を行っています。Googleは、まさに私たちのデジタルライフを支える、巨大なプラットフォームと言えるでしょう。

Google+ が目指したもの:ソーシャルな繋がり

次に、Google+ についてです。Google+ は、FacebookやTwitterのように、友人や家族、同僚などと近況を報告し合ったり、写真を共有したり、コメントをつけたりする「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)」でした。Google+ は、Googleの他のサービスとも連携させようという意図がありました。例えば、Googleアカウントがあればすぐに始められたり、YouTubeのコメント欄でGoogle+のアカウントが表示されたり、といった具合です。

Google+ には、以下のような特徴がありました。

  1. サークル機能:友達を「家族」「職場」などのグループ(サークル)に分けて、投稿を共有する相手を選べた。
  2. ハングアウト:ビデオ通話機能で、友達とリアルタイムで話せた。
  3. コミュニティ機能:共通の趣味を持つ人々が集まって、情報交換できる場があった。

これらの機能は、当時の他のSNSにはない、Google+ ならではの試みでした。

Google+ の登場は、Googleが単なる情報検索の会社から、人々のコミュニケーションを支えるプラットフォームへと進化しようとした証でした。しかし、残念ながら、Facebookなどの先行サービスに押され、日本ではそれほど普及しませんでした。 Google+ が目指したソーシャルな繋がり は、多くの人々に響きませんでした。

Google+ は、2019年に一般ユーザー向けのサービスを終了しました。しかし、その一部の機能や思想は、Googleの他のサービスに引き継がれています。例えば、Google+ のグループ機能は、Google Workspace(旧 G Suite)の「Googleグループ」や、YouTubeの「コミュニティ」機能などに形を変えて残っています。

Google検索:情報の海を渡る羅針盤

Google検索は、Googleという企業を代表するサービスであり、Google+ とは根本的に目的が異なります。Google検索は、インターネット上の膨大な情報の中から、私たちが知りたい情報を見つけ出すためのツールです。キーワードを入力すると、関連性の高いウェブサイトをリストアップしてくれる、まさに「情報の海を渡る羅針盤」のような存在です。

Google検索の機能は、以下のようなものです。

機能 説明
キーワード検索 知りたい情報を言葉で入力して探す
画像検索 画像から似た画像や関連情報を探す
ニュース検索 最新のニュース記事を探す
地図検索 場所や店舗などを探す

Google検索は、私たちの日常的な疑問を解決したり、新しい知識を得たりするために、欠かすことのできないツールです。

Google+ と Google検索の最大の違いは、その「目的」にあります。Google検索は「情報へのアクセス」を、Google+ は「人との繋がり」を目指していました。これは、料理のレシピを探す(検索)のと、友達と近況を報告し合う(SNS)のとでは、全く違う行為であるのと同じです。

Google検索のアルゴリズムは、日々進化しており、より正確で役立つ情報を提供できるようになっています。検索結果の表示順位や、関連情報の提示方法など、様々な工夫が凝らされています。 Google検索の進化は、私たちの情報収集能力を格段に向上させました。

Google+ が提供していた「人との繋がり」という要素は、Googleの他のサービス、例えばGmailやGoogle Chat、さらにはAndroid OSにも組み込まれています。つまり、Google+ という独立したサービスはなくなりましたが、Googleが目指した「繋がり」の要素は、形を変えて生き続けているのです。

Gmail:メッセージのやり取りをスムーズに

Gmailは、Googleが提供する無料のメールサービスです。Google+ が人々の「リアルタイムな交流」を目指していたのに対し、Gmailは「非同期のコミュニケーション」、つまり相手の都合の良い時にメッセージを送受信する、より伝統的なメールの形をとっていました。

Gmailの便利な点は、

  • 大容量のストレージ:たくさんのメールを保存できる。
  • 強力な迷惑メールフィルター:迷惑メールを自動で振り分けてくれる。
  • 検索機能:過去のメールも簡単に見つけられる。

などが挙げられます。Google+ のように、直接的に「友達と繋がる」ためのツールではありませんでしたが、Googleアカウントで利用できることから、Googleエコシステムの一部として非常に広く利用されていました。

Google+ と Gmailは、どちらもGoogleのサービスですが、その役割は全く異なります。Gmailは、あくまで「メール」というコミュニケーション手段を提供するためのサービスであり、Google+ のように、オープンなSNSの機能を持つものではありませんでした。 Gmailが提供する「個人のメッセージング」機能は、Google+ の「公開された交流」とは性質が異なります。

Google+ は、ユーザー同士の交流を促進することを主眼に置いていましたが、Gmailは、ユーザーが個別に、あるいはグループで、情報をやり取りするための基盤を提供することに重点を置いていました。この違いは、SNSとメールサービスという、それぞれのジャンルの特性に基づいています。

Gmailは、Google+ が終了した後も、Googleの主要なコミュニケーションツールとして、その地位を確立しています。これは、メールというコミュニケーション手段が、依然として多くの人々に必要とされていることの証拠でしょう。

YouTube:動画で世界と繋がる

YouTubeは、Googleが提供する世界最大の動画共有プラットフォームです。Google+ がテキストや写真での交流を主としていたのに対し、YouTubeは「動画」というリッチなコンテンツを通じて、人々が情報を受け取ったり、共有したり、コミュニケーションをとったりする場でした。これも、Google+ とは全く異なるアプローチです。

YouTubeの主な機能としては、

  1. 動画の視聴:世界中の様々な動画を無料で楽しめる。
  2. 動画の投稿:自分で作成した動画をアップロードして共有できる。
  3. コメントや高評価:動画に対して感想を伝えたり、気に入った動画に「いいね」をつけたりできる。
  4. チャンネル登録:お気に入りのクリエイターをフォローできる。

などがあります。

Google+ が「友達との繋がり」に焦点を当てていたのに対して、YouTubeは「コンテンツを通じた繋がり」を重視していました。クリエイターと視聴者、あるいは視聴者同士が、動画という共通の話題で盛り上がることができました。 YouTubeが提供する「動画コンテンツを通じた交流」は、Google+ の「SNSを通じた交流」とは、その形式と範囲が大きく異なります。

Google+ の終了後も、YouTubeはGoogleの重要なサービスとして、その影響力を増しています。YouTubeは、単なるエンターテイメントの場にとどまらず、学習、ニュース、趣味など、あらゆる分野の情報源となっています。

YouTubeには、Google+ のような「サークル」や「ハングアウト」といった直接的なSNS機能はありませんでしたが、コメント欄やコミュニティタブなどを通じて、クリエイターと視聴者、あるいは視聴者同士のコミュニケーションが活発に行われていました。これは、Google+ のSNS的な要素が、YouTubeというプラットフォーム上で、よりコンテンツ中心の形で実現されていたと言えるかもしれません。

Googleフォト:思い出を整理・共有する

Googleフォトは、写真や動画をクラウドに保存し、整理・共有できるサービスです。Google+ が、写真の共有をSNS機能の一部として提供していたのに対し、Googleフォトは、写真や動画の管理に特化したサービスです。これも、Google+ とは明確な違いがあります。

Googleフォトの優れた点としては、

  • 容量無制限(過去):一部、容量制限がありましたが、以前は高画質であれば容量無制限で保存できました。
  • 自動整理:日付や場所、写っている人物などで自動的に整理してくれる。
  • 共有機能:アルバムを作成して、家族や友人と簡単に共有できる。

などが挙げられます。

Google+ は、写真の共有が、投稿の一部として行われていました。一方、Googleフォトは、写真そのものの保存と管理、そしてそれを共有することに特化しています。 Googleフォトの「写真・動画の管理と共有」という機能は、Google+ の「SNS上での写真投稿」とは、その目的と機能において大きく異なります。

Google+ が終了した後も、Googleフォトは多くのユーザーに利用されています。これは、写真や動画という、私たちの思い出や記録を、安全に保存し、いつでも見返せることの重要性を示しています。

Googleフォトの共有機能は、Google+ のような「友達全員に公開」というよりは、特定のアルバムを特定の相手に共有するという、よりプライベートな共有に適しています。これにより、ユーザーは自分のプライバシーをより細かく管理することができます。

Google ドライブ:データを安全に保管・共有

Google ドライブは、Googleが提供するオンラインストレージサービスです。Google+ は、人々のコミュニケーションや情報共有を目的としていましたが、Google ドライブは、主に「ファイル」の保存と共有を目的としています。これは、Google+ とは異なる、より実務的なサービスです。

Google ドライブの主な特徴は、

  1. クラウドストレージ:パソコンやスマートフォンのデータをインターネット上に保存できる。
  2. ファイル共有:保存したファイルを、他の人と共有できる。
  3. 共同編集:Googleドキュメントやスプレッドシートなど、他のGoogleサービスと連携して、複数人で同時にファイルを編集できる。

などです。

Google+ が「人」と「人」との繋がりを重視していたのに対し、Google ドライブは「データ」と「人」との繋がり、つまりファイルを共有することで、仕事やプロジェクトを円滑に進めることを支援します。 Google ドライブが提供する「ファイルベースの共有と共同作業」は、Google+ の「SNSベースの交流」とは、その性質が全く異なります。

Google+ は終了しましたが、Google ドライブは、学生のレポート作成からビジネスの資料共有まで、様々な場面で活用されています。これは、データを安全に管理し、必要な時にアクセスできることの重要性を示しています。

Google ドライブでファイルを共有する際には、共有相手の権限(閲覧のみ、編集可能など)を設定できます。これにより、Google+ のような公開された交流とは異なり、より管理された安全なファイル共有が可能になります。

Google Workspace:仕事をもっと効率的に

Google Workspace(旧 G Suite)は、Googleがビジネス向けに提供する、様々なアプリケーションの統合サービスです。Gmail、Google ドライブ、Google ドキュメント、Google カレンダーなどが含まれており、チームでの共同作業を効率化することを目指しています。Google+ が個人のコミュニケーションを主眼としていたのに対し、Google Workspace は「仕事」や「チーム」という、より組織的な活動を支援するものです。

Google Workspace の主な構成要素は、

  • コミュニケーション:Gmail、Google Chat、Google Meet
  • ストレージ:Google ドライブ
  • ドキュメント作成:Google ドキュメント、Google スプレッドシート、Google スライド
  • スケジュール管理:Google カレンダー

などです。

Google+ が「ソーシャルな繋がり」を強調していたのに対し、Google Workspace は「業務効率化」と「チームワークの強化」を目的としています。もちろん、Workspace 内の「Google Chat」や「Google Meet」には、コミュニケーション機能が含まれていますが、それはあくまで仕事を進める上での手段です。 Google Workspace が目指す「ビジネスにおける連携と効率化」は、Google+ の「個人間のソーシャルな交流」とは、その目的と対象が根本的に異なります。

Google+ は終了しましたが、Google Workspace は多くの企業で利用されており、その重要性は増すばかりです。これは、現代のビジネス環境において、クラウドベースのツールが不可欠であることを示しています。

Google Workspace の各サービスは、密接に連携しており、例えば、Googleカレンダーで予定を作成し、それに紐づくGoogleドキュメントで会議の資料を作成し、Gmailで関係者に共有するといった一連の作業がスムーズに行えます。これは、Google+ が目指した「サービス間の連携」という考え方を、ビジネスの文脈でより高度に実現したものと言えます。

このように、Googleという巨大な企業が提供する様々なサービス、そしてかつて存在したGoogle+ というSNSサービス。それぞれが異なる目的と機能を持っています。Google+ は残念ながらサービスを終了しましたが、Googleはこれからも私たちの生活や仕事を豊かにする、様々なサービスを提供し続けていくでしょう。

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