地球上の位置を示すために、私たちは「経度」というものを使います。この経度には「東経」と「西経」という2つの種類があり、この 東経 と 西経 の 違い を理解することは、地図や地球儀を正しく読み解くための第一歩です。簡単に言うと、本初子午線（グリニッジ子午線）を基準として、東側にある地点が東経、西側にある地点が西経となります。
東経 と 西経 の 違い：方向と数字の秘密
東経と西経の最も基本的な違いは、その「方向」にあります。地球儀や地図を見ると、縦に走る線がたくさんありますよね。あれが経線です。これらの経線は、北極と南極を結ぶように、地球を縦にぐるっと一周しています。この経線が、東経と西経を区別する基準になるのです。
基準となるのは、イギリスのグリニッジ天文台を通る「本初子午線」と呼ばれる線です。この本初子午線を「0度」とします。そして、この0度の子午線から東側へ向かう経線が「東経」、西側へ向かう経線が「西経」と呼ばれます。数字は、0度から東へ進むにつれて1度、2度…と増えていき、最大で180度まであります。西側も同様に、0度から1度、2度…と増えていき、こちらも最大で180度までとなります。
このように、東経と西経は、本初子午線からの「どちらの方向にあるか」と「どれだけ離れているか」を数字で表しているのです。例えば、東京の経度は「東経139度」ですが、これは本初子午線から東へ139度離れた場所にある、という意味になります。
- 本初子午線：0度
- 東経：本初子午線より東側
- 西経：本初子午線より西側
東経 と 西経 の 違い：時間との意外な関係
東経と西経の違いは、単なる位置を示すだけでなく、私たちの生活に密接に関わる「時間」とも深い関係があります。地球は24時間で1周（360度）自転しているので、経度15度進むごとに約1時間の時差が生じるのです。
例えば、日本（東経約135度）とロンドン（本初子午線、東経0度）では、約9時間の時差があります。これは、日本がロンドンよりも太陽の動きが早く、先に朝を迎えるからです。つまり、東経の数字が大きいほど、時刻は進んでいるということになります。
逆に、西経の数字が大きくなるにつれて、時刻は遅くなります。例えば、アメリカのニューヨーク（西経約74度）は、ロンドンよりも約5時間遅れています。このように、東経と西経を理解することは、世界各地の時刻を知る上でも非常に役立つのです。
| 地点 | 経度 | ロンドンとの時差 |
|---|---|---|
| 東京 | 東経約135度 | +9時間 |
| ニューヨーク | 西経約74度 | -5時間 |
東経 と 西経 の 違い：日付変更線との交差点
東経と西経の境界線は、実は「日付変更線」とも深く関わっています。地球は360度ですから、東経180度と西経180度は、同じ子午線上に位置します。しかし、この180度の経線は、日付の境目となる「日付変更線」の近くにあります。
日付変更線は、地球上で日付が切り替わる場所です。この線を超えると、日付が1日進むか戻るかの違いが生じます。例えば、日付変更線の西側（東経側）にいると、東側（西経側）よりも日付が1日進んでいる、ということになります。
この日付変更線は、まっすぐな線ではなく、一部はジグザグになっています。これは、同じ国や島の中に日付が2つできてしまうのを避けるため、便宜的に曲げられているからです。
- 東経180度と西経180度は同じ経線。
- この経線は日付変更線と近い。
- 日付変更線を境に日付が変わる。
東経 と 西経 の 違い：航海と飛行機のルート
昔の船乗りたちにとって、東経と西経の正確な把握は、まさに命綱でした。自分たちが今、地球上のどこにいるのかを知ることで、目的地にたどり着くことができたのです。
現代でも、飛行機や船のルートを計算する際には、経度と緯度（南北の位置を表すもの）が不可欠です。特に長距離を移動する際には、東経と西経の情報を元に、最も効率的で安全なルートが計画されます。
飛行機が世界中を飛び回っているのは、単に空を飛んでいるのではなく、地球儀の上で東経と西経、そして緯度を正確に計算した結果なのです。
東経 と 西経 の 違い：文化や習慣への影響
東経と西経の違いは、私たちが住む場所によって、文化や習慣が異なることにも繋がっています。例えば、太陽が昇る方角（東）と沈む方角（西）は、古くから人々の生活や信仰に影響を与えてきました。
また、時差があることで、人々の生活リズムも変わります。朝早くから活動する国もあれば、夜遅くまで賑やかな国もあります。これは、東経と西経という地理的な違いが、社会全体に影響を与えている証拠と言えるでしょう。
私たちが普段何気なく見ている地図も、実は東経と西経という概念の上に成り立っているのです。
東経 と 西経 の 違い：地図記号の謎
地図上では、東経と西経を直接的に示す記号はありませんが、地名や都市名、そして緯度・経度線によって、その場所が東経にあるのか、西経にあるのかを判断することができます。
例えば、日本の地図を見れば、その場所は当然東経にあることがわかります。逆に、イギリスやアメリカの地図を見れば、西経にあることがわかるでしょう。
地図を読む際に、経線がどのように描かれているかに注目すると、東経と西経の理解がより深まります。
このように、東経と西経の違いは、単なる地理的な区別にとどまらず、時間、航海、文化、そして地図の読み方まで、私たちの世界を理解する上で欠かせない要素です。地球儀や地図を見る目が、きっと変わるはずですよ。