英語の疑問文や否定文を作る上で、「do」「does」「did」の使い分けは、多くの学習者がつまずくポイントです。しかし、この「do と does と did の 違い」を理解すれば、英語の表現力が格段にアップします。それぞれの役割と、どのような時に使うのかを、分かりやすく解説していきましょう。
「do」「does」「did」の基本:時制と主語で決まる!
「do」「does」「did」は、どれも「〜する」という意味の動詞「do」が変化した形ですが、疑問文や否定文を作る助動詞として使われる場合と、それ自体が動詞として使われる場合があります。この違いを理解することが、まず大切です。
助動詞として使われる場合、これらの単語は、文の時制(現在か過去か)と、主語(誰が・何が)によって使い分けられます。 この使い分けが、文法的に正しい英語を作る上で非常に重要になります。
- do: 現在形、主語が I, you, we, they, または複数名詞の場合
- does: 現在形、主語が he, she, it, または単数名詞の場合
- did: 過去形、主語が誰でもOK
例えば、「あなたは勉強しますか?」と聞きたいときは、主語が「you」(現在形)なので「Do you study?」となります。一方、「彼は勉強しますか?」なら、主語が「he」(現在形)なので「Does he study?」となります。そして、「あなたは昨日勉強しましたか?」のように過去のことを聞く場合は、主語に関係なく「Did you study yesterday?」となります。
現在形での使い分け:主語の「数」に注目!
現在形で作る疑問文や否定文では、主語が単数か複数か、あるいは一人称・二人称・三人称かによって、「do」と「does」を使い分けます。これが「do と does と did の 違い」の中でも、現在形に特化したポイントです。
具体的には、以下のようになります。
- do を使う場合: 主語が「I」「you」「we」「they」または複数の人・物の場合。「Do you like pizza?」(あなたはピザが好きですか?)、「Do they play soccer?」(彼らはサッカーをしますか?)
- does を使う場合: 主語が「he」「she」「it」または単数の人・物の場合。「Does he read books?」(彼は本を読みますか?)、「Does she sing well?」(彼女は上手に歌いますか?)
表にまとめると、より分かりやすいでしょう。
| 主語 | 助動詞 | 例 |
|---|---|---|
| I, you, we, they, 複数名詞 | do | Do you speak English? |
| he, she, it, 単数名詞 | does | Does he eat breakfast? |
この「数」と「人称」のルールをしっかり覚えることが、現在形の文を正確に作る鍵となります。
過去形での使い分け:「did」でシンプル!
過去形になると、疑問文や否定文を作る助動詞は「did」一つに統一されます。主語が誰であろうと、過去のことについて尋ねたり、否定したりする際には「did」を使います。これが「do と does と did の 違い」における、過去形の最も分かりやすい特徴です。
例を見てみましょう。
- 「あなたは昨日、映画を見ましたか?」 → "Did you watch a movie yesterday?"
- 「彼は昨日、宿題をしましたか?」 → "Did he do his homework yesterday?"
- 「彼女たちは先週、パーティーに行きましたか?」 → "Did they go to the party last week?"
このように、主語が "I", "you", "he", "she", "it", "we", "they" のどれであっても、疑問文では "Did + 主語 + 動詞の原形?"、否定文では "主語 + did not (didn't) + 動詞の原形" となります。動詞の形が原形に戻る点も忘れないようにしましょう。
動詞としての「do」「does」「did」
助動詞としての役割だけでなく、「do」とその活用形は、それ自体が「〜をする」という意味の動詞としても使われます。この場合も、時制や主語によって形が変わります。これが「do と does と did の 違い」の、もう一つの側面です。
例えば、「私は宿題をします。」という肯定文は "I do my homework." となります。ここで使われている「do」は、動詞としての「do」です。主語が三人称単数現在形の場合は "he does his homework." となります。
過去形になると、"I did my homework yesterday." のように、動詞としての「do」も「did」になります。この「did」は、助動詞の「did」と形は同じですが、意味が「〜をした」という具体的な行動を表します。
疑問文や否定文で助動詞の「do」「does」「did」を使う場合、動詞としての「do」は原形である「do」に戻ります。例えば、「あなたは宿題をしましたか?」は "Did you do your homework?" となり、「do」が二回出てきますが、一つ目は助動詞、二つ目は動詞です。
例文で確認!実践的な使い分け
実際の会話でどのように「do」「does」「did」が使われるのか、具体的な例文を見てみましょう。これで「do と does と did の 違い」がよりクリアになるはずです。
疑問文(現在形):
- Do you like coffee? (あなたはコーヒーが好きですか?) - 主語: you (現在形)
- Does he play the guitar? (彼はギターを弾きますか?) - 主語: he (現在形)
- Do they live in Tokyo? (彼らは東京に住んでいますか?) - 主語: they (現在形)
否定文(現在形):
- I do not (don't) understand. (私は理解できません。) - 主語: I (現在形)
- She does not (doesn't) eat meat. (彼女は肉を食べません。) - 主語: She (現在形)
- We do not (don't) have any questions. (私たちは質問がありません。) - 主語: We (現在形)
疑問文(過去形):
| 文 | 主語 | 助動詞 |
|---|---|---|
| Did you go to the park? | you | did |
| Did he finish the work? | he | did |
| Did they see the movie? | they | did |
否定文(過去形):
- He did not (didn't) call me. (彼は私に電話しませんでした。)
- They did not (didn't) win the game. (彼らは試合に勝ちませんでした。)
- I did not (didn't) see her yesterday. (私は昨日彼女に会いませんでした。)
「do you do?」と「what do you do?」の違い
「do」が二回続く表現として、「Do you do?」と「What do you do?」の違いを理解しておくと、さらに理解が深まります。これは「do と does と did の 違い」の応用編とも言えます。
「Do you do?」は、相手に「(あなたは)〜をしますか?」と、ある行動をするかどうかを尋ねる、より一般的な疑問文です。例えば、「Do you do exercise every day?」(あなたは毎日運動をしますか?)のように使われます。
一方、「What do you do?」は、「あなたは(職業として)何をしますか?」、つまり「あなたの仕事は何ですか?」と尋ねる決まった表現です。「What」が文頭に来ることで、具体的な内容を尋ねています。ここで使われる「do」は、助動詞ですが、後ろの「do」は「仕事をする」という意味の動詞です。
このように、文脈や疑問詞の有無によって、「do」がどのように機能しているかが変わってきます。それぞれの役割を区別することが大切です。
まとめ:練習あるのみ!
「do」「does」「did」の使い分けは、英語学習の基本でありながら、間違いやすいポイントでもあります。しかし、今回解説したように、時制と主語のルールを理解すれば、もう迷うことはありません。今日から、これらのルールを意識して、たくさん英文を読んだり書いたり、話したりする練習をしましょう。きっと、自信を持って英語を使えるようになりますよ!