「脳梗塞」と「脳血栓」、似たような言葉で混乱していませんか?実は、この二つは密接に関連していますが、厳密には違うんです。今回は、この「脳梗塞と脳血栓の違い」を、分かりやすく解説していきますね。
脳梗塞と脳血栓、基本のキ!
まず、一番大切なことをお伝えします。 脳梗塞とは、脳の血管が詰まってしまう病気の総称 です。そして、脳の血管が詰まる原因の一つが「脳血栓」なんです。
つまり、脳梗塞は「結果」であり、脳血栓はその「原因」の一部だと考えると分かりやすいでしょう。脳梗塞には、血栓が原因で起こるもの以外にも、心臓から飛んできた血の塊(血栓塞栓症)や、脳の細い血管が詰まるラクナ梗塞など、いくつかの種類があります。
ここで、関係性を整理してみましょう。
- 脳梗塞 :脳の血管が詰まって、脳にダメージが起きること。
- 脳血栓 :脳の血管の中で血の塊(血栓)ができ、それが血管を詰まらせること。
脳血栓とは?静かに忍び寄る脅威
脳血栓は、脳の血管そのものに血栓ができることで起こります。これは、血管の壁が傷ついたり、コレステロールなどが溜まったりして、血の流れが悪くなることが原因で発生します。まるで、水道管の中に汚れが溜まって、水が流れにくくなるようなイメージです。
脳血栓ができる場所によって、症状の出方が変わってきます。例えば、太い血管で血栓ができると、広範囲に影響が出やすいです。逆に、細い血管でできると、小さな範囲のダメージにとどまることもあります。
脳血栓の主な原因は以下の通りです。
- 動脈硬化:血管が硬くなり、傷つきやすくなる
- 高血圧:血管に常に強い圧力がかかる
- 高コレステロール血症:血液中にコレステロールが多い
- 糖尿病:血糖値が高い状態が続く
脳梗塞の主な種類:知っておきたい分類
脳梗塞は、血管が詰まる原因によって、大きく3つのタイプに分けられます。この分類を知ることで、脳梗塞と脳血栓の関係がより明確になります。
それぞれのタイプを詳しく見ていきましょう。
| 種類 | 原因 | 説明 |
|---|---|---|
| アテローム血栓性脳梗塞 | 動脈硬化による血栓 | 脳の太い血管に、動脈硬化でできたプラーク(コブ)が破れて血栓ができ、血管を詰まらせる。 |
| 心原性脳塞栓症 | 心臓から飛んできた血栓 | 心臓の病気(不整脈など)でできた血栓が、血液に乗って脳に運ばれ、血管を詰まらせる。 |
| ラクナ梗塞 | 脳の細い血管の詰まり | 脳の奥にある細い血管が、高血圧などによって傷つき、詰まる。 |
脳血栓ができやすい人:リスクを知る
脳血栓ができやすい人には、いくつかの共通点があります。これらのリスクを知ることで、予防につながります。
まず、生活習慣が大きく関わっています。食生活の乱れや運動不足は、動脈硬化を進行させ、血管を傷つけやすくします。
また、持病の管理も重要です。高血圧、糖尿病、高コレステロール血症といった生活習慣病は、血管に負担をかけ、血栓ができやすい状態を作り出します。
以下に、脳血栓ができやすい人の特徴をまとめました。
- 喫煙習慣がある
- お酒を飲みすぎる
- ストレスが多い
- 家族に脳卒中の経験者がいる
脳梗塞の症状:見逃さないで!
脳梗塞の症状は、血管が詰まる場所や範囲によって様々です。突然現れることが多いので、注意が必要です。
代表的な症状としては、顔の片側が麻痺して口がゆがむ、片方の腕や足に力が入らなくなる、ろれつが回らなくなったり言葉が出てこなくなったりする、などが挙げられます。
さらに、片方の目が見えにくくなったり、物が二重に見えたり、平衡感覚がおかしくなってふらついたりすることもあります。ものすごく強い頭痛が突然起こることもあります。
これらの症状は、一時的に改善しても、後から本格的な脳梗塞に発展することがあります。もし、このような症状に気づいたら、すぐに救急車を呼ぶことが重要です。
脳血栓と脳梗塞の予防:今日からできること
脳血栓と脳梗塞は、予防が非常に大切です。日頃の生活習慣を見直すことで、リスクを減らすことができます。
バランスの取れた食事を心がけ、塩分や脂肪分を控えめにすることが大切です。野菜や果物をたくさん摂るようにしましょう。
適度な運動は、血行を良くし、血管の健康を保つのに役立ちます。ウォーキングや軽いジョギングなど、無理なく続けられる運動を見つけましょう。
禁煙は、血管の健康にとって最も効果的な対策の一つです。また、お酒は適量にとどめ、ストレスを上手に解消する方法を見つけることも大切です。
持病がある方は、医師の指示に従ってきちんと治療を受け、数値をコントロールすることが、脳血栓や脳梗塞の予防につながります。
まとめ:脳梗塞と脳血栓、違いは原因と結果!
ここまで、「脳梗塞と脳血栓の違い」について、詳しく見てきました。脳梗塞は血管が詰まった「結果」であり、脳血栓はその原因の一つである「血栓」によるもの、と理解していただけたでしょうか。どちらも脳の健康にとって深刻な状態ですので、日頃からの予防が何よりも大切です。もし、気になる症状があれば、迷わず専門医に相談してくださいね。