「日本酒」と「清酒」、この二つの言葉、実は同じものを指していることが多いんです。では、なぜ二つの呼び方があるのでしょうか? 今回は、そんな「日本酒 と 清酒 の 違い」について、分かりやすく解説していきますね。
「日本酒」と「清酒」は、ほぼ同じ?
結論から言うと、「日本酒」と「清酒」は、ほとんどの場合、同じお酒を指します。昔は「造り方」や「品質」によって呼び方が変わることもありましたが、現在では法律で「清酒」と定められており、私たちが普段「日本酒」と呼んでいるお酒の多くは、この「清酒」というカテゴリーに含まれます。 この「日本酒 と 清酒 の 違い」を理解することで、より深く日本酒の世界を楽しめるようになりますよ。
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昔の呼び方
- 酒(さけ)
- 諸白(もろはく)
- 白(しら)
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現在の正式名称
- 清酒
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一般的に使われる呼び方
- 日本酒
このように、現在では「日本酒」と呼ぶのが一般的ですが、正式には「清酒」なのです。これは、お米を主原料にして造られる、醸造酒という種類のお酒を指します。
ところで、「清酒」という名前には、どんな意味が込められているかご存知ですか? 「清」という字には、「澄んでいる」「きれい」といった意味があります。これは、お酒の澄んだ味わいや、造りの丁寧さ、そして清らかな水を使って造られることから来ていると言われています。
「特定名称酒」って、聞いたことある?
「日本酒」と「清酒」の違いをさらに深く知るために、ぜひ知っておきたいのが「特定名称酒」という言葉です。これは、清酒の中でも、原料や造り方によって特別に品質が高いと認められたお酒のこと。「日本酒 と 清酒 の 違い」を考える上で、この特定名称酒の存在はとても重要になってきます。
特定名称酒には、大きく分けて以下の7種類があります。
- 吟醸酒
- 純米吟醸酒
- 大吟醸酒
- 純米大吟醸酒
- 特別純米酒
- 特別本醸造酒
- 純米酒
これらの名前を見かけると、「なんだか難しそう…」と感じるかもしれませんが、それぞれに特徴があり、味わいや香りが異なります。例えば、「吟醸」とつくお酒は、特別な酵母と低温でじっくりと発酵させて造られるため、フルーティーな香りとスッキリとした味わいが楽しめます。
| 名称 | 主な特徴 |
|---|---|
| 吟醸酒 | フルーティーな香り、スッキリとした味わい |
| 純米酒 | 米の旨味、コクのある味わい |
「純米」とつくお酒は、米、米麹、水だけで造られており、米本来の旨味やコクをしっかりと感じられるのが特徴です。
「醸造アルコール」って、何?
「日本酒 と 清酒 の 違い」を語る上で、避けて通れないのが「醸造アルコール」の存在です。清酒の中には、米、米麹、水に加えて「醸造アルコール」を添加して造られるものがあります。これは、お酒の風味をよりスッキリさせたり、香りを引き出したりする目的で使われます。
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醸造アルコールが使われる清酒
- 吟醸酒
- 大吟醸酒
- 特別本醸造酒
- 本醸造酒
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醸造アルコールが使われない清酒(純米系)
- 純米酒
- 純米吟醸酒
- 純米大吟醸酒
- 特別純米酒
醸造アルコールが使われているからといって、品質が劣るわけではありません。それぞれの造り方によって、異なる個性のお酒が生まれるのです。例えば、「吟醸酒」や「大吟醸酒」は、醸造アルコールを少量加えることで、華やかな香りが際立ち、キレのある味わいになることがあります。
一方、「純米酒」や「純米吟醸酒」などは、醸造アルコールを使わずに、米だけの旨味やコクを最大限に引き出して造られています。どちらが良い、悪いではなく、どんな味わいを求めているかで選ぶのが楽しいところです。
「普通酒」って、どういうこと?
「日本酒 と 清酒 の 違い」を理解する上で、「特定名称酒」ではない「普通酒」という存在も知っておきましょう。これは、特定名称酒の基準を満たさない清酒のことです。一般的に、普段飲むお酒として手頃な価格で手に入りやすく、親しみやすい味わいのものが多くあります。
普通酒は、
- 米、米麹、水
- 醸造アルコール
- 糖類(※)
これらを原料として造られることがありますが、使用される醸造アルコールや糖類の量には制限があります。※糖類は、風味を調整するために少量使われることがあります。
普通酒は、特定名称酒のような華やかさや複雑さはありませんが、毎日でも飲みたいような、素朴で飽きのこない味わいが魅力です。お刺身やお寿司など、和食との相性も抜群です。
「生酒」と「火入れ」って、何が違うの?
「日本酒 と 清酒 の 違い」を語る上で、お酒の「鮮度」に関わる「生酒」と「火入れ」の違いも押さえておきましょう。これは、お酒の品質を保つために行われる「加熱処理」の有無によって決まります。
- 生酒 :火入れを一度もしていない、フレッシュなお酒。
- 火入れ :一度または二度、加熱処理をしたお酒。
生酒は、酵母や酵素の働きが活きたままなので、フルーティーで爽やかな香りと、生き生きとした味わいが楽しめます。ただし、品質が変化しやすいため、冷蔵保存が必須です。
一方、火入れをしたお酒は、酵母や酵素の働きが止まるため、風味が安定し、常温で保存できるようになります。一般的に、私たちが「日本酒」として手にするお酒の多くは、火入れをされているものです。
「吟醸香」って、どんな香り?
「日本酒 と 清酒 の 違い」を味わいで楽しむなら、「吟醸香(ぎんじょうか)」という言葉を知っておくと、より一層奥深く日本酒を理解できます。これは、吟醸酒や大吟醸酒といった、特別な造り方をした清酒から感じられる、フルーティーで華やかな香りのことです。
吟醸香は、主に以下のような香りの成分によって生まれます。
| 香りの成分 | 感じられる香り |
|---|---|
| カプロン酸エチル | りんごのような香り |
| 酢酸イソアミル | バナナのような香り |
これらの香りは、低温でじっくりと発酵させる「吟醸造り」という特別な方法で造られることで、お酒の中にたくさん生まれます。まるで、果物や花の香りがするような、爽やかで心地よい香りは、吟醸酒の大きな魅力の一つです。
この吟醸香は、お酒の温度が少し上がるとより豊かに感じられることがあります。ぜひ、色々な温度で試してみてください。
「米の精米歩合」って、どういう意味?
「日本酒 と 清酒 の 違い」を理解する上で、ラベルによく書かれている「精米歩合(せいまいぶあい)」という言葉も重要です。これは、お米をどれだけ削って、中心部分だけを使ったかを示す割合のこと。
精米歩合は、
- 精米歩合が高い(例:70%) :お米の外側も使っている。
- 精米歩合が低い(例:50%以下) :お米の中心部分だけを使っている。
精米歩合が低いほど、お米の外側にあるタンパク質や脂質などが少なくなり、雑味が減って、よりスッキリとした上品な味わいや、華やかな香りのお酒になりやすいと言われています。例えば、「大吟醸酒」は精米歩合が50%以下と定められています。
一方で、精米歩合が高いお酒は、米本来の旨味やコクが感じられやすく、ふくよかな味わいになる傾向があります。これも、お酒の個性の一つとして楽しめます。
「日本酒 と 清酒 の 違い」を理解することは、単に言葉の違いを知るだけでなく、お酒の造り方や味わいの多様性を知ることにつながります。ぜひ、今回学んだことを参考に、お気に入りの一杯を見つけて、日本酒の世界をさらに楽しんでくださいね。