「ルーター」と「Wi-Fi」、よく耳にする言葉ですが、実はこの二つの違い、きちんと理解できているでしょうか？今回は、この ルーター と wi fi の 違い を、初心者の方にも分かりやすく、そしてどこよりも詳しく解説していきます。
ルーターは「交通整理」、Wi-Fiは「電波の道」？ ルーター と wi fi の 違い を掴もう
まず、ルーター と wi fi の 違い を理解する上で、それぞれの役割をイメージすることが大切です。ルーターは、インターネットという大きな道路を、あなたの家という目的地まで導いてくれる「交通整理係」のようなものです。そして、Wi-Fiは、その交通整理係が作った「電波の道」を、スマホやパソコンといった「車」が走るためのもの、と考えてみてください。
具体的に言うと、ルーターはインターネット回線から送られてくるデータを、どの機器に届けるべきか判断し、それぞれの機器に振り分ける役割を担います。例えるなら、郵便局の配達員さんが、手紙を宛名ごとに仕分けして、正しい住所に届けるようなイメージです。
一方、Wi-Fiは、ルーターが作り出す電波を使って、インターネットに接続するための無線通信の技術そのものを指します。この電波があるおかげで、ケーブルをつながなくても、スマホやタブレット、ノートパソコンなどをインターネットに繋げることができるのです。 この両者の連携があって初めて、私たちは快適にインターネットを利用できる のです。
- ルーターの主な役割：
- インターネット回線と家庭内ネットワークを繋ぐ
- データの送受信を管理・振り分け
- セキュリティ機能の提供
ルーターの種類：有線LANルーターと無線LANルーター
ルーターと一言で言っても、実はいくつか種類があります。現在、一般家庭で使われているルーターの多くは「無線LANルーター」ですが、その前身とも言える「有線LANルーター」も存在します。この違いを理解することで、ルーターがどのように進化してきたのかも分かります。
有線LANルーターは、その名の通り、LANケーブルを使って機器を接続するタイプのルーターです。インターネット回線と、LANケーブルで接続されたパソコンなどを繋ぎ、インターネットに接続していました。 昔は、パソコンをインターネットに繋ぐとなると、必ずLANケーブルが必要でしたね。
対して、無線LANルーターは、Wi-Fiの電波を飛ばす機能が搭載されています。これにより、LANケーブルがなくても、スマホやタブレット、Wi-Fi対応の家電などをインターネットに接続できるようになりました。 「ルーター」と単に呼ばれる場合、多くはこの無線LANルーターを指します。
無線LANルーターの登場は、私たちのインターネット利用スタイルを劇的に変えました。リビングでくつろぎながらスマホを操作したり、寝室でタブレットで動画を見たりと、場所を選ばずにインターネットを楽しめるようになったのです。
| ルーターの種類 | 接続方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 有線LANルーター | LANケーブル | 安定した通信、配線が必要 |
| 無線LANルーター | Wi-Fi (無線) | ケーブル不要、場所を選ばない |
Wi-Fiの規格：高速化と進化の歴史
Wi-Fiは、私たちがインターネットに無線で接続するための「技術」ですが、この技術も時代とともに進化してきました。その進化の度合いを示すのが「Wi-Fi規格」です。規格が新しくなるほど、通信速度が速くなったり、より多くの機器が同時に接続できるようになるなど、性能が向上します。
Wi-Fi規格は、IEEE 802.11というアルファベットと数字の組み合わせで表されます。例えば、初期の頃は「IEEE 802.11b」や「IEEE 802.11g」といった規格がありました。これらは、現在の基準からすると通信速度も遅く、一度に接続できる機器の数も限られていました。
その後、「IEEE 802.11n」（Wi-Fi 4）、「IEEE 802.11ac」（Wi-Fi 5）、そして最新の「IEEE 802.11ax」（Wi-Fi 6/6E）と、次々と新しい規格が登場し、通信速度は飛躍的に向上しました。 最新のWi-Fi 6Eでは、理論上、数ギガbps（ギガビット毎秒）という超高速通信が可能 になっています。
これらの規格は、ルーター側と、接続するスマホやパソコンなどの機器側の両方が、同じ規格に対応している必要があります。例えば、Wi-Fi 6対応のルーターを使っていても、スマホがWi-Fi 4までしか対応していなければ、Wi-Fi 4の速度でしか通信できません。
- Wi-Fi規格の進化：
- IEEE 802.11b/g（初期）
- IEEE 802.11n (Wi-Fi 4)
- IEEE 802.11ac (Wi-Fi 5)
- IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6/6E)
ルーターとWi-Fiの関係性：切っても切れない絆
ルーターとWi-Fiは、それぞれ異なる役割を持っていますが、インターネットを無線で利用するためには、この二つが協力することが不可欠です。ルーターはインターネット回線からの「情報」を、「電波」という形に変えて、Wi-Fiという「道」を通じて各機器に届ける役割を担います。
例えるなら、ルーターは「翻訳家」で、Wi-Fiは「言語」のようなものです。インターネットの世界の言葉（データ）を、Wi-Fiという言語に翻訳して、スマホやパソコンが理解できるようにしてくれるのがルーターなのです。 この翻訳作業がうまくいかないと、インターネットに繋がらない ということになります。
したがって、「Wi-Fiルーター」という製品名になっていることが多いのは、ルーターがWi-Fiを飛ばす機能を持っているからです。単に「ルーター」と言うだけでは、有線接続を想定している場合もありますが、家庭で使われるものの多くは、Wi-Fi機能が標準装備されています。
つまり、ルーターは「インフラ」、Wi-Fiは「通信手段」と捉えると、その関係性がより明確になるでしょう。どちらか一方だけでは、インターネットを無線で楽しむことはできません。
Wi-Fiの接続方法：パスワードの役割
Wi-Fiに接続する際に、必ずと言っていいほど入力するのが「パスワード（暗号化キー）」です。これは、あなたのWi-Fiネットワークを、許可された人だけが利用できるようにするための「鍵」のようなものです。 このパスワードがないと、誰でもあなたのWi-Fiに接続できてしまい、セキュリティ上の問題が発生する可能性があります。
パスワードを設定することで、第三者による不正利用を防ぎ、通信内容を暗号化して、盗聴されるリスクを減らすことができます。ルーターの設定画面から、このパスワードを変更することが可能です。
パスワードは、複雑で推測されにくいものに設定することが推奨されます。例えば、「123456」のような単純なものではなく、英数字や記号を組み合わせたものにすると、より安全性が高まります。ルーターの初期設定でパスワードが設定されている場合もありますが、一度確認して、必要であれば変更しておきましょう。
パスワードを忘れてしまった場合は、ルーター本体に記載されている場合や、ルーターの設定画面にアクセスして確認できる場合があります。もし見つからない場合は、ルーターの初期化が必要になることもあります。
Wi-Fiの接続手順は、一般的に以下のようになります。
- スマホやパソコンのWi-Fi設定画面を開く
- 利用可能なWi-Fiネットワークの一覧から、自分のルーターのSSID（ネットワーク名）を選択する
- パスワードを入力して接続する
ルーターの設置場所：電波を最大限に活かすコツ
ルーターをどこに置くかで、Wi-Fiの電波の届きやすさが大きく変わってきます。せっかく高性能なルーターを使っても、設置場所が悪ければ、その性能を十分に引き出せません。 快適なWi-Fi環境のためには、ルーターの設置場所は非常に重要 です。
理想的な設置場所は、家の中央付近で、できるだけ高い位置です。壁や家具などの障害物が少ないほど、電波は遠くまで届きやすくなります。また、水槽や電子レンジなどの電波を妨害する可能性のあるものからは、できるだけ離して設置しましょう。
逆に、避けるべき場所としては、部屋の隅、床の上、金属製の家具の近くなどが挙げられます。これらの場所は、電波が遮断されやすく、通信が不安定になる原因となります。
もし、家全体に電波が届かない、という場合は、Wi-Fi中継器やメッシュWi-Fiシステムを導入することも検討しましょう。これらを使うことで、ルーターから離れた場所でも、安定したWi-Fi通信が可能になります。
- ルーター設置のポイント：
- 家の中央付近
- 高い位置
- 障害物の少ない場所
- 電波干渉源から離す
ルーターとWi-Fiの違い、もう迷わない！
ここまで、ルーター と wi fi の 違い について、それぞれの役割や関係性、そして関連する知識について詳しく解説してきました。ルーターはインターネットへの「入り口」であり、「交通整理係」、Wi-Fiは、そのルーターが作り出す「電波」を利用して、機器をインターネットに繋ぐ「通信手段」です。この二つが組み合わさることで、私たちのデジタルライフは、より便利で快適なものになっています。