「レポート」と「小論文」、どちらも文章を書く課題でよく耳にする言葉ですが、実はそれぞれ目的や書き方が少し違います。「レポート と 小論文 の 違い」をしっかり理解しておけば、書くときの迷いがなくなり、より良い文章が書けるようになりますよ!
レポートと小論文、何が違うの?
まず、一番大きな違いは「目的」です。レポートは、あるテーマについて調べたことや分かったことを、客観的に伝えることに重点を置きます。まるで、探偵が事件の証拠を集めて報告書を作るようなイメージです。
一方、小論文は、自分の意見や考えを論理的に主張し、相手を説得することが目的です。こちらは、弁護士が裁判で自分の主張を組み立てていくようなイメージに近いかもしれません。 この目的の違いを理解することが、レポートと小論文を区別する上で最も重要です。
具体的に、レポートと小論文には以下のような違いがあります。
- レポート:
- 調査結果の報告
- 客観的な事実の提示
- 情報収集と整理が中心
- 小論文:
- 自分の主張の展開
- 論理的な推論と説得
- 思考力と表現力が中心
情報収集のスタンス:レポート vs 小論文
レポートでは、たくさんの資料を読んで、事実を正確に把握することが大切です。図書館で本を借りたり、インターネットで信頼できる情報を探したりと、情報収集に多くの時間をかけることになります。
小論文では、情報収集も大切ですが、それ以上に集めた情報から何を感じ、どう考えたのか、という自分の頭で考えたことが重要視されます。例えば、あるニュース記事を読んだとして、レポートなら「この記事にはこういう事実が書かれていました」と報告しますが、小論文なら「この記事を読んで、私は〇〇という問題点があると考えました」というように、自分の意見が前面に出ます。
まとめると、情報収集における違いは以下のようになります。
| レポート |
|
|---|---|
| 小論文 |
|
構成の考え方:レポート vs 小論文
レポートの構成は、一般的に「はじめに」「本論」「まとめ」という流れになります。本論では、調査した内容を項目ごとに整理して、分かりやすく説明していきます。
一方、小論文の構成は、まず「結論」を先に示し、その後にその結論に至った理由や根拠を論理的に展開していく「序論・本論・結論」という形が基本となります。読者に「なぜそう言えるのか」を納得させることが重要なので、主張と根拠が明確につながっているかどうかが鍵となります。
構成のポイントを整理すると、以下のようになります。
- レポート:
- 情報提示の順序を意識する
- 読者が理解しやすいように、事実を並べる
- 小論文:
- 序論(問題提起、結論の提示)
- 本論(主張を裏付ける根拠、反論への対応)
- 結論(主張の再確認、今後の展望)
表現方法の違い:客観性 vs 主観性
レポートでは、できるだけ客観的な表現を使うことが求められます。「~である」「~と考えられる」といった、感情や個人的な意見を挟まない、淡々とした文章が理想です。
小論文では、自分の意見を述べるため、ある程度主観的な表現も許容されます。しかし、感情論にならないように、「なぜそう思うのか」という理由をしっかりと説明することが不可欠です。「私は~と考える。なぜなら、~だからである」といった、論理的なつながりを意識した表現が重要になります。
表現方法の違いについて、もう少し詳しく見てみましょう。
- レポート:
- 「~が確認された。」
- 「~という結果が得られた。」
- 「~は〇〇%であった。」
- 小論文:
- 「私は~を提案したい。」
- 「~という点が重要であると考える。」
- 「~という問題は、~によって解決できるだろう。」
参考文献の扱い:記述の目的
レポートでは、参考にした資料を正確にリストアップすることが非常に重要です。これは、自分の文章が、どのような情報に基づいているのかを明確にするためであり、情報の出典を明らかにすることで、文章の信頼性を高めます。
小論文でも参考文献の記載は必要ですが、レポートほど厳密に「すべての情報をどこから得たか」を追うのではなく、主張を補強するための根拠となった文献を示すことが多いです。自分の意見を支えるための「証拠」として、参考文献が位置づけられます。
参考文献の扱いの違いをまとめると、以下のようになります。
| レポート |
|
|---|---|
| 小論文 |
|
結論
「レポート」と「小論文」は、どちらも文章を書くという点では同じですが、その目的、情報収集のスタンス、構成、表現方法、そして参考文献の扱い方に明確な違いがあります。レポートは「伝える」こと、小論文は「説得する」ことを目指す、と覚えておくと良いでしょう。これらの違いを理解し、それぞれの目的に合った書き方を心がけることで、より効果的な文章を作成できるようになります。