英語を勉強していると、「would」と「will」という単語によく出会いますよね。「どちらも未来のことを表すのかな?」と思いがちですが、実はこの二つ、使い方に大きな違いがあるんです。今回は、この「wouldとwillの違い」を、皆さんが迷わないように、分かりやすく解説していきますよ!
will と would:時制と仮定の世界
まず、一番基本的な「wouldとwillの違い」は、時制と、それから「現実的かどうか」というニュアンスです。willは、未来の出来事をストレートに表すときによく使われます。例えば、「明日雨が降るだろう」とか、「彼はきっと来るだろう」というような、確実性が高い未来の予測や、話し手の意思を表すときに使います。
一方、wouldは、willの過去形として使われることもありますが、それ以上に「現実ではないこと」や「控えめな表現」、「丁寧な依頼」などを表すときに活躍します。willが「~するだろう」という確定的な未来を表すのに対して、wouldは「~しただろうに」「~したらいいのに」といった、実現しなかったり、可能性が低かったりすること、あるいは相手への配慮を示すニュアンスが強くなるんです。 この「現実的かどうか」という感覚が、wouldとwillの使い分けの鍵となります。
具体的に見てみましょう。
- Will you come tomorrow? (明日来ますか?) - 未来の予定を尋ねる、直接的な質問
- Would you come tomorrow? (明日来ていただけませんか?) - より丁寧な依頼
このように、wouldを使うことで、相手への配慮が感じられますよね。
wouldの「過去の習慣」を表す使い方
wouldは、過去の習慣を表すときにも使われます。これは、used to(~したものだ)と似ているのですが、wouldの場合は、行動だけでなく、感情や状態を表す動詞には使えないという違いがあります。
- When I was a child, I would play in the park every day. (子供の頃、毎日公園で遊んだものです。)
- When I was a child, I used to live in that town. (子供の頃、その町に住んでいました。)
ここで注意したいのは、状態動詞(love, know, haveなど)にはwouldは使えないということです。
例えば、「I would know the answer.」は間違いで、「I knew the answer.」となります。
wouldの「仮定法」での活躍
wouldの最も特徴的な使い方の一つが、仮定法です。仮定法というのは、「もし~だったら~なのに」というように、現実とは違うことや、実現の可能性が低いことを話すときに使う文法です。この仮定法で、wouldは「~だろうに」「~できたのに」といった結果を表すのに使われます。
仮定法過去の基本形は「If + 主語 + 過去形動詞, 主語 + would + 動詞の原形」です。
| If節(条件) | 主節(結果) |
|---|---|
| If I had money, | I would buy a new car. |
(もしお金があれば、新車を買うだろうに。)
さらに、仮定法完了では、過去の実現しなかったことを残念に思う気持ちを表します。基本形は「If + 主語 + had + 過去分詞, 主語 + would have + 過去分詞」です。
例えば、「If I had studied harder, I would have passed the exam.」(もっと一生懸命勉強していたら、試験に合格していただろうに。)のように使います。
wouldの「丁寧な依頼・提案」
先ほども少し触れましたが、wouldはwillよりも丁寧な依頼や提案をするときに効果的です。willで尋ねるよりも、wouldを使うことで、相手にプレッシャーを与えずに、より柔らかくお願いすることができます。
依頼の形:
- Would you please ~? (~していただけませんか?)
- Would you mind ~ing? (~していただけると迷惑でしょうか? / ~していただけませんか?)
例えば、「Will you open the window?」よりも「Would you please open the window?」の方が、ずっと丁寧な響きになります。
willの「未来の予測・意志」
willは、未来のことについて話すときに、最も一般的で直接的な表現です。確実性の高い予測や、話し手の強い意志を表します。
willの主な使い方:
- 未来の予測: It will rain tomorrow. (明日は雨が降るでしょう。)
- 話し手の意志: I will help you. (あなたを手伝います。)
- 約束: I will call you later. (後で電話します。)
- 申し出: I will carry that bag for you. (そのバッグを運びましょう。)
willは、未来の出来事に対して、話し手が「そうなるだろう」「そうしよう」という気持ちをストレートに伝えるのに適しています。
willの「習慣」と「~するものだ」という一般的な事実
willは、過去の習慣だけでなく、現在や未来における一般的な習慣や、物事の性質を表すこともあります。これは、couldとcanの関係にも似ています。
例えば、「Boys will be boys.」(男の子は男の子だ。)という表現は、男の子がわんぱくで騒がしいのは当たり前だ、という一般的な事実を表しています。
また、未来のある時点での習慣的な行動を表すこともあります。
- At this time next year, I will be studying abroad. (来年の今頃は、留学しているだろう。)
willは、単なる未来の出来事だけでなく、それが「そうなるのが普通だ」「そうするものだ」というニュアンスも含むことがあるのです。
このように、wouldとwillの違いは、単に時制の違いだけではなく、現実との関わり方、話し手の感情、そして依頼の丁寧さなど、様々なニュアンスを含んでいます。それぞれの使い方をしっかり理解することで、より自然で正確な英語を話せるようになりますよ!