介護 保険 と 介護 医療 保険 の 違い、これでスッキリ!~知っておきたい最新情報~

「介護保険」と「介護医療保険」、名前が似ていて紛らわしいですよね。でも、この二つには大きな違いがあります。介護保険と介護医療保険の違いを理解することで、いざという時に慌てず、自分や家族に必要なサポートを受けられるようになります。

介護保険と介護医療保険、一番大きな違いって何?

まず、一番大切なのは、それぞれが「誰のための」「どんな保障」なのかということです。介護保険は、高齢化社会が進む中で、年を重ねて介護が必要になった方の生活を支えるための公的な保険制度です。病気やケガだけでなく、加齢による心身の変化で、日常生活を送ることが難しくなった場合に、利用できるサービスにかかる費用の一部を国や自治体が負担してくれるものです。 この制度があることで、多くの人が安心して老後を送れるようになっています。

一方、介護医療保険は、民間の保険会社が提供する「医療保険」の一種です。これは、病気やケガで入院したり、手術を受けたりした際にかかる医療費を保障してくれるものです。介護保険が「介護」に特化しているのに対し、介護医療保険は「病気やケガによる医療費」に焦点を当てています。つまり、目的とする保障内容が根本的に異なるのです。

具体的に、どんな場面で利用されるのかを見てみましょう。

  • 介護保険の対象になる例:
    • 食事の介助、排泄の介助、入浴の介助など、日常生活の支援
    • リハビリテーション(機能回復訓練)
    • 福祉用具(歩行器や介護ベッドなど)のレンタルや購入
    • 住宅改修(手すりの設置など)
  • 介護医療保険の対象になる例:
    • 病気やケガによる入院費
    • 手術費
    • 通院費(一部)
    • 高額療養費制度の自己負担額の軽減

介護保険って、そもそもどういう仕組みなの?

介護保険は、日本全国の40歳以上の人が加入する、社会保険制度です。保険料は、年齢や所得によって異なります。65歳以上の方(第1号被保険者)は、原因を問わず介護が必要になった場合にサービスを利用できます。40歳から64歳までの方(第2号被保険者)は、特定の病気(特定疾病)が原因で介護が必要になった場合に利用が可能です。

サービスを受けるためには、まず「要介護認定」という審査を受ける必要があります。この審査で、どのくらいの介護が必要か(要支援1~5、要介護1~5)が判定され、その結果に基づいて利用できるサービスが決まります。サービスは、自宅で受ける「居宅サービス」と、施設に入所して受ける「施設サービス」など、様々な種類があります。

対象者 保険料の徴収方法 介護が必要になった場合の条件
第1号被保険者(65歳以上) 年金から天引き、または納付書 原因を問わず
第2号被保険者(40~64歳) 健康保険料に上乗せ 特定疾病が原因の場合

介護保険のサービスは、原則としてかかった費用の1割~3割(所得に応じて)の自己負担で利用できます。残りは保険給付として、国、自治体、そして被保険者全員が納めた保険料で賄われています。

介護医療保険は、どんな時に役立つの?

介護医療保険は、民間の保険商品なので、各保険会社が様々なプランを提供しています。入院日数に応じた給付金、手術の種類に応じた給付金、通院治療に対する給付金など、保障内容は多岐にわたります。加入を検討する際には、ご自身のライフスタイルや、将来の医療費への備えとして、どのような保障が必要かをしっかり考えることが大切です。

例えば、病気やケガで長期間入院することになった場合、高額な医療費がかかることがあります。介護医療保険に加入していれば、こうした医療費の負担を軽減することができます。また、就業中の事故などで入院し、働けなくなった場合の収入の減少を補うための給付金が受け取れる商品もあります。

  1. 入院給付金: 入院日数に応じて、あらかじめ定められた金額が支払われます。
  2. 手術給付金: 手術の種類に応じて、一定額が支払われます。
  3. 通院給付金: 通院による治療に対して、一部給付される場合があります。
  4. 特定疾病給付金: がんや脳卒中などの特定疾病と診断された場合に、一時金などが支払われます。

保険料の金額は、加入する年齢、性別、健康状態、そして保障内容によって大きく異なります。ご自身の健康状態や、万が一の際の経済的な不安などを考慮して、無理のない範囲で加入を検討しましょう。

介護保険のメリット・デメリット

介護保険の最大のメリットは、公的な制度であるため、比較的安価な自己負担額で、質の高い介護サービスを受けられる点です。また、所得が低い方や、一定の条件を満たす方には、自己負担額の軽減措置もあります。さらに、全国どこでも利用できるという安心感もあります。

一方で、デメリットとしては、利用できるサービスが限定されていることや、要介護認定を受けるまでの手続きに時間がかかる場合があることが挙げられます。また、第2号被保険者(40~64歳)は、特定疾病以外では利用できないという制約もあります。

介護医療保険のメリット・デメリット

介護医療保険のメリットは、個々のニーズに合わせて、細かく保障内容をカスタマイズできる点です。また、介護保険ではカバーしきれない、高額な医療費や、入院中の生活費などを補うことができます。病気やケガに対する経済的な不安を軽減し、安心して治療に専念できる環境を整えることができます。

デメリットとしては、民間の保険商品であるため、保険料が介護保険に比べて高くなる傾向があることが挙げられます。また、保険商品によっては、給付金を受け取るための条件が厳しかったり、保障されないケースがあったりするため、契約内容をしっかり理解することが重要です。不要な保障をつけすぎると、保険料が無駄になる可能性もあります。

併用できる?

「介護保険」と「介護医療保険」は、それぞれ目的が異なるため、併用することができます。例えば、介護保険で自宅での介護サービスを受けながら、病気やケガで入院した際には、介護医療保険で医療費をカバーするといった使い方です。両方を理解し、適切に活用することで、より手厚い安心を手に入れることができます。

例えば、以下のようなケースで併用が考えられます。

  • ケース1: 自宅で介護を受けているお母さんが、肺炎で入院。介護保険で自宅の介護は継続しつつ、入院費は介護医療保険でカバー。
  • ケース2: 交通事故で大けがをして、長期間リハビリが必要になった。介護保険でリハビリサービスを受け、さらに長期入院による医療費は介護医療保険で対応。

まとめ:賢く使い分けよう!

介護保険と介護医療保険の違い、そしてそれぞれの役割について理解していただけたでしょうか。介護保険は、高齢者の生活を公的に支えるための基盤であり、介護医療保険は、病気やケガによる医療費の負担を軽減するための、個人の備えと言えます。どちらか一方だけでなく、両方の制度を理解し、ご自身の状況に合わせて賢く活用していくことが、将来への安心につながります。

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