LPガスとプロパンガスの違いを徹底解説!知っておきたい基本知識

「LPガス」と「プロパンガス」、これらの言葉を耳にしたことはありますか?実は、この二つは同じものを指していることが多いのです。しかし、時として厳密な区別があったり、呼び方が違うだけで中身は一緒だったり…。

そこで今回は、この「LPガスとプロパンガスの違い」について、皆さんが疑問に思うであろう点を分かりやすく、そして詳しく解説していきます。知っておくと、ガス選びや契約の際に役立つこと間違いなしです!

LPガスとプロパンガスの関係性

まず、一番大切なことからお伝えしましょう。一般的に、家庭やお店などで使われる「LPガス」とは、ほとんどの場合「プロパンガス」のことを指します。つまり、 「LPガス」は「プロパンガス」を含む、より広い概念で使われることが多い のです。

LPガスという名前は「Liquefied Petroleum Gas」の略で、日本語にすると「液化石油ガス」となります。これは、石油を精製する過程で出てくるガスを、高い圧力をかけて液体にしたものです。この液化石油ガスには、主にプロパンとブタンという2種類のガスが含まれています。

つまり、LPガスという大きなグループの中に、プロパンガスやブタンガスといった種類がある、というイメージです。ただし、私たちが普段「プロパンガス」と呼んでいるものは、このLPガスの中でも特にプロパンの割合が高いものを指すことが一般的です。

  • LPガス(液化石油ガス)は、プロパンとブタンなどの混合ガス
  • 私たちが日常で「プロパンガス」と呼んでいるものは、LPガスの中でもプロパンの割合が高いもの

「LPガス」と「プロパンガス」の成分の違い

では、具体的に「LPガス」という言葉で指されるものと、「プロパンガス」として区別されるものとでは、成分にどのような違いがあるのでしょうか。

LPガスという名称は、先ほども触れたように「Liquefied Petroleum Gas」の略です。これは、石油や天然ガスを精製する際に発生する炭化水素ガスを液化したもので、主成分はプロパン(C3H8)とブタン(C4H10)です。

このプロパンとブタンの混合比率によって、ガスの性質が多少異なります。例えば、プロパンはブタンよりも沸点が低いため、寒い地域でも気化しやすいという特徴があります。そのため、日本のように四季があり、冬場には気温が大きく下がる地域では、プロパンの比率が高いLPガスがよく利用されています。

一方で、混合比率が固定されていない場合や、プロパンのみ、あるいはブタンのみを指す場合もあります。しかし、一般家庭で「プロパンガス」として供給されているものは、ほとんどがプロパンを主成分としたLPガスなのです。

ガス名 主成分 特徴
LPガス(液化石油ガス) プロパン、ブタンなど 石油精製時に発生するガスを液化したもの。混合比率で性質が変化。
プロパンガス(一般家庭で利用されるもの) プロパン(主成分) 寒冷地でも利用しやすい。LPガスの一種。

用途による呼び方の違い

「LPガス」と「プロパンガス」、どちらの言葉が使われるかは、その用途によっても変わってきます。この違いを理解することで、さらに「LPガスとプロパンガスの違い」が明確になるでしょう。

家庭で利用されるカセットコンロ用のガスボンベや、都市ガスが通っていない地域のご家庭に供給されるガスは、一般的に「プロパンガス」と呼ばれます。「プロパンガスボンベ」という言葉はよく耳にしますよね。

一方、「LPガス」という言葉は、より広い意味で、例えば工業用途や、タクシーの燃料、また、ガス会社がLPガス全体を指して使う場合などに見られます。しかし、繰り返しになりますが、一般家庭で「プロパンガス」と呼ばれているものも、広義にはLPガスの一種です。

このように、厳密にはLPガスという大きな枠組みの中にプロパンガスがあるのですが、日常会話では「プロパンガス」という言葉が、家庭用ガスを指すことが多いのです。

  1. 家庭用:主に「プロパンガス」と呼ばれることが多い
  2. 工業用・燃料用など:より広く「LPガス」と呼ばれることがある
  3. ガス会社:LPガス全体を指す言葉として「LPガス」を使う

「LPガス」と「プロパンガス」の成分比率

LPガスはプロパンとブタンの混合ガスですが、その比率によってガスの特性が変わります。この成分比率が、「LPガスとプロパンガスの違い」を理解する上で、また一つ重要なポイントとなります。

プロパンは、ブタンに比べて沸点が低いため、寒い環境でも気化しやすいという特徴があります。そのため、冬場の気温が低くなる地域では、プロパンの比率が高いLPガスが好まれます。例えば、北海道や東北地方などでは、プロパンの比率が50%を超えるものや、ほとんどがプロパンのものも使われています。

一方、夏場など気温が高い地域や季節では、ブタンの比率が高いLPガスも利用されます。ブタンはプロパンよりも安価な場合があるため、コスト面で有利になることもあります。

このように、地域や季節によって最適な成分比率のLPガスが選ばれるため、一概に「LPガスは〇〇%プロパン」とは言えません。しかし、一般的に家庭で「プロパンガス」として提供されているものは、プロパンの比率が高いものを指すことが多いのです。

  • プロパン:沸点が低い(-42.1℃)、寒冷地向き
  • ブタン:沸点が高い(-0.5℃)、温暖地向き

「LPガス」と「プロパンガス」の供給形態

LPガスとプロパンガスの呼び方の違いは、供給形態にも影響することがあります。この点も、「LPガスとプロパンガスの違い」を理解する上で役立つでしょう。

家庭で利用されるプロパンガスは、一般的にボンベに充填されて各家庭に配達されます。このボンベは、一般的に2kg、5kg、8kg、20kg、42.5kgなどのサイズがあります。ガスが少なくなったら、新しいボンベと交換する「ボンベ交換方式」が一般的です。

一方、LPガスとして、より大規模に供給される場合、例えば集合住宅や工場などでは、地下に埋設された導管を通して供給されることもあります。これは、都市ガスと似たような供給方法ですが、LPガスは貯蔵・輸送のしやすさから、都市ガスが届かない場所でも利用されています。

ですので、「プロパンガス」と聞くとボンベをイメージすることが多いかもしれませんが、LPガス全体で見ると、より多様な供給形態があるのです。

  • ボンベ交換方式:一般家庭でよく見られる
  • 導管供給方式:集合住宅や工場などで利用される場合がある
  • 「LPガス」と「プロパンガス」の価格

    「LPガスとプロパンガスの違い」を考える上で、価格は気になるポイントですよね。この二つの呼び方で、価格に違いはあるのでしょうか。

    結論から言うと、一般的に家庭で利用されている「プロパンガス」は、「都市ガス」と比較すると価格が高い傾向にあります。これは、プロパンガスがボンベに充填され、各家庭に個別配送されるため、輸送コストや容器代などがかかるためです。

    また、LPガスは国際的な市場価格の影響を受けやすいため、原油価格の変動によって価格が上下することもあります。ただし、地域やガス会社によっても価格設定は異なります。

    「LPガス」という言葉が、より広範な用途で使われる場合、その価格は用途や供給量によって大きく変動します。しかし、家庭で「プロパンガス」として契約している場合、その価格は主にプロパンの含有率や、地域、そして契約しているガス会社によって決まってくるのです。

    1. 都市ガスとの比較:プロパンガス(LPガス)は一般的に高価
    2. 価格変動要因:国際市場価格、地域、ガス会社

    まとめ:LPガスとプロパンガスの違いは「広い意味」か「特定のガス」か

    ここまで、「LPガスとプロパンガスの違い」について詳しく解説してきました。重要なのは、

    • 「LPガス」は、プロパンとブタンなどを合わせた「液化石油ガス」という広いカテゴリーを指す言葉
    • 「プロパンガス」は、そのLPガスの中でも、特にプロパンを主成分としたガス、あるいは家庭などで一般的に使われているガスを指すことが多い

    ということです。

    私たちが普段「プロパンガス」と呼んでいるものは、広義にはLPガスの一種であり、ほとんどの場合、プロパンを主成分としていると考えて間違いありません。この基本を理解しておけば、「LPガスとプロパンガスの違い」に戸惑うことは少なくなるはずです。

    関連記事: