英語で「〜を渡る」「〜を横切る」といった意味を表す「cross」と「across」。どちらも似たような意味で使われるため、混同しやすいですよね。でも、実はそれぞれに明確な使い分けがあります。「cross と across の 違い」をしっかり理解することで、より自然で正確な英語表現ができるようになりますよ。
「cross」と「across」の基本をマスターしよう!
まず、「cross」は動詞として「(危険な場所、障害物などを)乗り越えて進む」「(ある範囲を)横切る」といった、動作そのものに焦点を当てた言葉です。例えば、道を渡る、川を泳いで渡る、といった具体的な行動を表すのに使われます。
一方、「across」は主に前置詞として、ある地点から別の地点まで「〜の向こう側に」「〜を横断して」といった位置や方向を表します。これは、すでに渡った結果や、ある範囲全体にわたる状態を示すことが多いです。
この「動作」か「状態・方向」か、という違いを理解することが、「cross と across の 違い」を掴む上で非常に重要です。
- Cross: 動詞。動作そのもの。
- Across: 前置詞。位置や方向。
「cross」の具体的な使い方:動詞としての活躍
「cross」は動詞なので、主語の後ろに来て、具体的な行動を表します。例えば、「I crossed the street.」(私は通りを渡った)のように、過去の行動を説明する際に使います。
また、「cross」は「~を悩ませる」「~に印をつける」といった比喩的な意味でも使われます。例えば、「Don't cross me.」(私を怒らせないで)や、「Cross out the wrong answers.」(間違った答えにバツ印をつけなさい)のような表現です。
「cross」は、ある場所を「通過する」というニュアンスも持ちます。例えば、「He crossed the desert on foot.」(彼は徒歩で砂漠を横断した)のように、広範囲を移動する際にも使われます。
- 動作の強調: 「cross」は、渡るという行為そのものを表現します。
- 比喩的な意味: 感情や指示など、物理的な移動以外にも使われます。
- 範囲の通過: 広大な場所を移動する際にも適しています。
「across」の具体的な使い方:前置詞としての役割
「across」は前置詞なので、名詞や代名詞の前について、その名詞が示す場所への方向や位置を示します。「Look across the river.」(川の向こうを見てください)のように、視線の方向を示すのに使われます。
「across」は「~全体にわたって」という意味でも使われます。例えば、「There are many islands across the Pacific Ocean.」(太平洋の向こう側にはたくさんの島がある)や、「The news spread across the country.」(そのニュースは国中に広まった)のように、広範囲に及ぶ状態を表します。
また、「across」は「~を横切って」という意味で、物理的な距離や場所を示す際にも頻繁に使われます。「She walked across the park.」(彼女は公園を横切って歩いた)といった文がこれにあたります。
| 例文 | 意味 |
|---|---|
| across the street | 通りの向かい側に |
| across the country | 国中に |
| across the table | テーブルを挟んで向こう側に |
「cross」と「across」の組み合わせ:さらに広がる表現
「cross」と「across」は、組み合わせて使われることもあります。例えば、「cross the river」のように、動詞「cross」と、川という場所を「across」する、というニュアンスで使われます。この場合、「across」は「~を横断して」という副詞的な働きをしています。
「cross over」という表現もよく耳にします。「over」は「〜の上を越えて」という意味合いが強く、「cross over」で「(ある場所から別の場所へ)渡り越える」「(ある状態から別の状態へ)移行する」といった意味になります。
- cross the street: 通りを(物理的に)渡る。
- across the street: 通りの向かい側(場所)。
- cross over: 越えて渡る、移行する。
「across」の発展形:副詞としての使い方も
「across」は前置詞だけでなく、副詞としても使われます。その場合、「~の向こうに」「~の横に」といった場所や方向を示します。「He lives across.」(彼は向かいに住んでいる)のように、文脈で「何」の向こう側かが分かっている場合に単独で使われることがあります。
「look across」のように、動詞と組み合わせて「〜の向こうを見る」という意味で使われることも一般的です。これは、視覚的な方向を示す際によく使われる表現です。
- 場所を示す副詞: 向かい側、横などの場所を指します。
- 動詞との組み合わせ: 「見る」「行く」などの動詞と組み合わせて使われます。
「cross」と「across」を使い分ける練習問題
では、ここで少し練習をしてみましょう。「cross」と「across」のどちらが適切か考えてみてください。
1. Please ________ the bridge. (橋を渡ってください。)
2. My house is ________ the park. (私の家は公園の向かい側にあります。)
3. She is ________ the road. (彼女は道を渡っている。)
(答え:1. cross, 2. across, 3. crossing (現在進行形) )
| 問題 | 正解 | 解説 |
|---|---|---|
| 1. Please ________ the bridge. | cross | 「橋を渡る」という動作なので動詞のcross。 |
| 2. My house is ________ the park. | across | 「公園の向かい側」という場所を示す前置詞across。 |
| 3. She is ________ the road. | crossing | 「道を渡っている」という進行中の動作なので、動詞crossの進行形。 |
「cross」と「across」のニュアンスの違いを再確認
「cross」は、ある境界線や領域を「貫通する」イメージが強いです。例えば、国境を越える、夢を叶えるために困難を乗り越える、といった抽象的な意味合いも含まれます。
一方、「across」は、ある平面や空間を「端から端まで」「全体にわたって」移動する、あるいは「~の反対側に」という静的な位置を示すことが多いです。例えば、地図上で場所を示す場合や、ある範囲全体に影響が及ぶ場合などに使われます。
- Cross: 貫通、乗り越える、通過する。
- Across: 端から端まで、反対側、全体にわたって。
まとめ:迷わない「cross」と「across」の使い方
「cross と across の 違い」は、基本的には「動作」と「位置・方向」の違いだと理解しておけば、多くの場面で正しく使い分けることができます。会話や文章でこれらの単語が出てきたら、「これは渡るという行為そのものを言っているのかな?それとも、その場所や範囲を示しているのかな?」と考えてみてください。
繰り返し練習することで、自然と正しい使い方が身についていきます。これからも、英語の表現を楽しみながら、どんどん学んでいきましょう!