日本語の文章を書いていて、「あれ?この動詞、目的語いるんだっけ?」「この場合、どっちの動詞を使えばいいんだろう?」と悩んだ経験はありませんか? それは、あなたが「他動詞」と「自動詞」の区別で迷っているサインかもしれません。 他動詞 と 自動詞 の 違い をしっかり理解することは、より自然で正確な日本語を使いこなすために、とっても大切なんです。
「何」をするの? 「どう」なるの?:他動詞と自動詞の基本
まずは、一番わかりやすい他動詞と自動詞の根本的な違いから見ていきましょう。簡単に言うと、他動詞は「~を」といった目的語をとる動詞、自動詞は目的語をとらずに単独で意味が通じる動詞です。
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他動詞
:何かに働きかける動詞。「〜を」が後ろにつくことが多い。
- 例:「本 を読む 」「ご飯 を食べる 」「ドア を開ける 」
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自動詞
:それ自身で完結する動詞。「〜が」が主語のとなりについたり、目的語がなくても意味が通じる。
- 例:「鳥 が飛ぶ 」「花 が咲く 」「ドア が開く 」
このように、 他動詞 と 自動詞 の 違い は、目的語の有無で判断できる場合が多いのです。でも、中には形が似ていたり、同じ形でも意味が違ったりする動詞もあるので、注意が必要です。
| 他動詞 | 自動詞 |
|---|---|
| (目的語をとる) | (目的語をとらない) |
| 例:作る (料理を作る) | 例:できる (料理ができる) |
「〜させる」で他動詞になる?:使役形との関係
日本語には、「〜させる」という形がありますよね。これは「使役」と呼ばれ、誰かに何かをさせる、という意味を表します。この使役形になると、もともと自動詞だったものが他動詞のように使われるようになることがあります。
- 自動詞 :子供 が走る 。 (Kids run.)
- 使役(他動詞的) :親 が子供を走らせる 。 (The parent makes the child run.)
このように、自動詞「走る」に「〜させる」がついた「走らせる」は、「子供を」という目的語をとる他動詞的な働きをします。 他動詞 と 自動詞 の 違い を考える上で、この使役形への変化は重要なポイントです。
| 自動詞 | 使役形(他動詞的) | 意味 |
|---|---|---|
| 泣く | 泣かせる | (子供を)泣かせる |
| 勉強する | 勉強させる | (子供に)勉強させる |
「〜になる」で自動詞になる?:自動詞の仲間たち
一方で、ある状態に変化したり、性質を表したりする動詞は、自動詞であることが多いです。例えば、「〜になる」という変化を表す動詞です。
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自動詞
:
- 「事が 進む 。」(The matter progresses.)
- 「夢 が叶う 。」(A dream comes true.)
- 「彼 が医者になる 。」(He becomes a doctor.)
これらの動詞は、主語が「どうなる」のか、その状態の変化や性質を直接表しています。「〜を」といった目的語を必要としない、典型的な自動詞の例です。
迷ったときは「〜を」をつけてみる!:実践的な見分け方
どうしても 他動詞 と 自動詞 の 違い がわからないときは、その動詞の後に「〜を」をつけて文を作ってみるのが一番確実な方法です。もし、自然な日本語として意味が通じるなら、それは他動詞の可能性が高いです。
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例:「書く」
- 「手紙 を書く 。」 → 自然! ⇒ 他動詞
- 「手紙 が書く 。」 → 不自然!
-
例:「晴れる」
- 「空 が晴れる 。」 → 自然! ⇒ 自動詞
- 「空 を晴れる 。」 → 不自然!
このように、「〜を」が自然につくかどうかで、判断しやすくなります。
「〜で」や「〜に」と一緒なら自動詞?:前置詞との関係
自動詞は、場所や手段などを表す「〜で」や「〜に」といった助詞と一緒に使われることが多いのも特徴です。
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自動詞
:
- 「駅 に着く 。」
- 「図書館 へ行く 。」
- 「友達 と話す 。」(※「話す」は自動詞として使われることが多いですが、「〜を話す」という他動詞的な使い方もあります。)
これらの例では、主語の動作がどこで行われるか、誰と行われるか、といった付加情報が「〜で」や「〜に」で示されています。 他動詞 と 自動詞 の 違い は、このように文全体との繋がりからも捉えることができます。
形は同じでも意味が違う?:多義的な動詞たち
注意したいのは、形は同じでも、文脈によって他動詞としても自動詞としても使われる動詞があることです。
| 動詞 | 他動詞としての使い方 | 自動詞としての使い方 |
|---|---|---|
| 開ける | ドア を開ける 。 | ドア が開く 。(※これは「開く」という自動詞ですが、「開ける」も文脈によっては自動詞的に使われることがあります。例:「窓 が開いている 。」) |
| 止める | 車 を止める 。 | 車 が止まる 。(※これも「止まる」という自動詞ですが、「電車 が止まった 。」のように、自動詞的に使われることがあります。) |
このような動詞は、 他動詞 と 自動詞 の 違い を文脈から正確に判断する必要があります。辞書で意味を調べる際にも、両方の意味をチェックしておくと良いでしょう。
他動詞 と 自動詞 の 違い を理解することは、単に文法的な知識を増やすだけでなく、より豊かで正確な日本語表現を身につけるための強力な武器になります。今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ練習を重ねて、使い分けマスターを目指してくださいね!