iPhoneやiPadを使っていると、「バックアップ」という言葉をよく耳にしますが、具体的に「iCloud」と「iTunes」のバックアップにはどんな違いがあるのでしょうか?実は、この二つはバックアップの方法も保存場所も異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。この記事では、 「icloud と itunes の バックアップ の 違い」 を分かりやすく解説し、あなたのデータ保護に最適な方法を見つけるお手伝いをします。
バックアップの基本:なぜバックアップが必要なの?
突然ですが、もしあなたのiPhoneが壊れてしまったり、紛失してしまったりしたら、写真や連絡先、アプリのデータなど、大切な情報はどうなってしまうでしょうか?そんな時、バックアップがあれば、新しいデバイスにデータを元通りに戻すことができます。つまり、バックアップは、万が一の事態に備えるための「保険」のようなものなのです。 この保険をしっかりかけておくことが、デジタルライフを守る上で非常に重要です。
バックアップには主に二つの方法があります。
- iCloudバックアップ: Appleのクラウドストレージサービス「iCloud」を使って、インターネット経由でバックアップを取る方法。
- iTunes(またはFinder)バックアップ: パソコン(MacまたはWindows)にある「iTunes」(またはmacOS Catalina以降のFinder)を使って、USBケーブルで接続してバックアップを取る方法。
どちらの方法でバックアップを取るかによって、以下の点が大きく変わってきます。
- バックアップできるデータ
- バックアップの保存場所
- バックアップの頻度と自動化
- 復元のしやすさ
iCloudバックアップのメリット・デメリット
iCloudバックアップは、Wi-Fi環境があればいつでもどこでも手軽にバックアップできるのが大きな魅力です。iPhoneの設定画面から簡単に操作でき、自動バックアップも設定できるため、手間いらずでデータを守ることができます。
iCloudバックアップの主な特徴をまとめると以下のようになります。
| メリット | Wi-Fiがあればどこでもバックアップ可能、自動バックアップが便利、パソコン不要 |
|---|---|
| デメリット | 無料ストレージ容量が5GBと少ない、バックアップに時間がかかる場合がある、インターネット接続が必要 |
iCloudバックアップで保存されるデータは、写真、ビデオ、連絡先、カレンダー、メモ、アプリデータなど、デバイスの設定やデータが中心です。ただし、以下のデータはiCloudバックアップには含まれません。
- iCloud Driveに保存されているファイル
- App Storeからダウンロードしたアプリ(アプリ自体は復元時に再ダウンロードされます)
- Apple Payの情報
- Face IDまたはTouch IDの設定
iTunes(Finder)バックアップのメリット・デメリット
一方、iTunes(またはMacのFinder)を使ったバックアップは、パソコンのストレージ容量をバックアップ場所として利用するため、iCloudの容量を気にする必要がありません。また、暗号化することでパスワードなどの機密情報もバックアップに含めることができるのが特徴です。
iTunes(Finder)バックアップの主な特徴は以下の通りです。
- バックアップ場所: パソコンのハードディスク
- バックアップ方法: USBケーブルでデバイスとパソコンを接続
- メリット: 大容量のバックアップが可能、暗号化でパスワードなどの機密情報も保存できる、パソコンがあればオフラインでもバックアップ可能
- デメリット: パソコンが必要、USBケーブルでの接続が必要、自動バックアップの設定がiCloudほど手軽ではない
iTunes(Finder)バックアップで保存されるデータは、iCloudバックアップとほぼ同じですが、暗号化オプションを利用すると、さらに以下の情報もバックアップできます。
- Wi-Fiパスワード
- Webサイトの閲覧履歴
- 健康データ
- ホームデータ
- パスコード
バックアップされるデータ内容の違い
iCloudバックアップとiTunes(Finder)バックアップでは、バックアップされるデータの内容に微妙な違いがあります。
iCloudバックアップは、デバイスの設定や、iCloudに保存されていないアプリのデータなどを中心にバックアップします。例えば、写真やビデオをiCloud写真ライブラリに保存している場合、それらはiCloudバックアップには含まれません。
一方、iTunes(Finder)バックアップは、デバイス全体のスナップショットのようなイメージです。暗号化をすれば、より多くの機密情報もバックアップできます。
バックアップの復元方法の違い
バックアップからデータを復元する際にも、方法に違いがあります。
iCloudバックアップからの復元は、新しいデバイスを設定する際、またはデバイスを工場出荷状態に戻した後に「iCloudバックアップから復元」を選択することで行えます。Wi-Fi環境さえあれば、パソコンなしで復元できるのが利点です。
iTunes(Finder)バックアップからの復元は、デバイスをパソコンに接続し、iTunes(またはFinder)を起動して「バックアップを復元」を選択することで行います。パソコンが必要ですが、バックアップファイルがパソコン上にあるため、復元速度が速い場合があります。
どちらを選ぶべき?状況別の比較
では、iCloudバックアップとiTunes(Finder)バックアップ、どちらを選ぶのが最適なのでしょうか?
【iCloudバックアップがおすすめな人】
- パソコンを持っておらず、手軽にバックアップしたい人
- Wi-Fi環境が整っており、自動バックアップで手間を省きたい人
- 最新のiPhoneに買い替える際に、簡単にデータを移行したい人
【iTunes(Finder)バックアップがおすすめな人】
- iCloudの無料容量(5GB)では足りないほどデータ量が多い人
- パスワードなどの機密情報も確実にバックアップしておきたい人
- インターネット環境が不安定な場所でバックアップを取りたい人
- パソコンを定期的に利用する人
まとめ:あなたのデータを守るために
iCloudとiTunesのバックアップには、それぞれ異なる特徴があります。どちらか一方だけでなく、両方を併用することも可能です。例えば、普段はiCloudで自動バックアップしておき、重要なデータや定期的にパソコンでバックアップを取るなど、ご自身の使い方やデータの重要度に合わせて、最適なバックアップ方法を選びましょう。 大切なデータを失わないために、日頃からバックアップを習慣づけることが何よりも大切です。