「歯槽膿漏（しそうのうろう）」と「歯周病（ししゅうびょう）」、この二つの言葉、似ているけれど、実際にはどんな違いがあるのでしょうか？実は、この「歯槽膿漏と歯周病の違い」を理解することは、お口の健康を守る上でとても大切なんです。簡単に言うと、歯周病はもっと広い病気の名前で、歯槽膿漏はその中の一つの状態を指すことが多いんですよ。
歯周病って、そもそも何？
歯周病とは、歯ぐきや歯を支える骨（歯槽骨：しそうこつ）に炎症が起こる病気の総称です。細菌が原因で起こることがほとんどで、放っておくと歯がグラグラになったり、最終的には抜けてしまうこともある、とっても怖い病気なんです。
- 歯肉炎（しにくえん）：歯周病の初期段階。歯ぐきが赤く腫れたり、出血したりします。
- 歯周炎（ししゅうえん）：歯肉炎が進んで、歯を支える骨にまで炎症が広がった状態。
歯周病は、自覚症状が出にくいのが特徴で、気づいたときにはすでに進行していることが多い のです。だからこそ、日頃からお口のケアをしっかり行うことが重要なんですよ。
歯周病の進行度合いを簡単な表で見てみましょう。
| 段階 | 主な症状 |
|---|---|
| 初期（歯肉炎） | 歯ぐきが赤く腫れる、歯磨きで血が出る |
| 中期（歯周炎） | 歯ぐきが下がる、歯と歯ぐきの間に溝ができる、口臭がきつくなる |
| 進行期（歯周炎） | 歯がグラグラする、噛むと痛い、歯が抜ける |
「歯槽膿漏」って、いつ使われる言葉？
「歯槽膿漏」という言葉は、歯周病の中でも特に「歯ぐきから膿（うみ）が出る」といった、比較的進行した状態を指して使われることが多いようです。歯周病菌によって歯を支える骨が溶かされて、その結果として膿が出てくる、というイメージですね。
つまり、歯周病という大きな枠組みの中に、歯槽膿漏という、より具体的な症状が含まれていると考えると分かりやすいでしょう。
歯槽膿漏になると、以下のようなことが起こりえます。
- 歯ぐきからの膿の排出
- 歯ぐきの腫れと痛み
- 口臭の悪化
- 歯のぐらつき
歯槽膿漏は、歯周病がかなり進行したサインなので、この段階になったらすぐに歯医者さんで治療を受ける必要があります。
歯周病と歯槽膿漏、原因は同じ？
歯周病も歯槽膿漏も、主な原因は口の中にいる細菌、特に「歯周病原菌」です。これらの細菌が歯垢（プラーク）というネバネバした汚れの中で繁殖し、毒素を出して歯ぐきや歯を支える骨に炎症を引き起こします。
ということは、 「歯槽膿漏と歯周病の違い」を考える上で、原因が全く同じであることは、とても重要なポイント です。
細菌がどのように繁殖し、どのような影響を与えるかで、症状の出方や進行度が変わってくるというわけです。
細菌の繁殖を促す要因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 磨き残し
- 喫煙
- ストレス
- 全身疾患（糖尿病など）
予防が一番！歯周病・歯槽膿漏にならないために
「歯槽膿漏と歯周病の違い」を理解した上で、一番大切なのは、そもそもこれらの病気にならないように予防することです。予防策は、どちらの病気にも共通しています。
毎日の丁寧な歯磨きはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯の間の汚れもしっかり落とすことが大切です。定期的に歯科医院で検診を受け、クリーニングをしてもらうのも、早期発見・早期治療につながります。
予防のための具体的な行動をリストアップしてみましょう。
- 毎食後、丁寧に歯を磨く
- 歯間ブラシやデンタルフロスを毎日使う
- 定期的に歯科健診を受ける
- バランスの取れた食事を心がける
- 禁煙する
これらの習慣を身につけることで、歯周病や歯槽膿漏のリスクをぐっと減らすことができます。
進行したらどうなる？治療法は？
もし、歯周病や歯槽膿漏が進行してしまったら、治療が必要になります。治療法も、病気の進行度によって変わってきます。
軽度の歯周病（歯肉炎）であれば、歯科衛生士による専門的なクリーニングや、ご自宅での丁寧な歯磨きで改善することが多いです。しかし、歯槽骨にまで炎症が及んでいる歯周炎や歯槽膿漏になると、より専門的な治療が必要になります。
治療法としては、以下のようなものがあります。
| 治療法 | 説明 |
|---|---|
| スケーリング（歯石除去） | 歯についた歯石を機械で取り除く処置 |
| ルートプレーニング | 歯根の表面を滑らかにし、細菌が付きにくくする処置 |
| 歯周外科手術 | 骨の再生を促したり、歯周ポケットを浅くしたりする手術 |
早期に治療を開始することが、歯を長持ちさせるためには何よりも重要です。
「歯周病」と「歯槽膿漏」、まとめると？
改めて、「歯槽膿漏と歯周病の違い」をまとめると、歯周病は歯ぐきや歯を支える骨の炎症全般を指す広い病気の名前です。一方、歯槽膿漏は、歯周病が進行して歯ぐきから膿が出るような、より具体的な症状が出ている状態を指すことが多い、ということになります。
ですので、歯槽膿漏は歯周病の一部、あるいは歯周病が進行した結果の状態と言えるでしょう。
この関係性を理解しておくことで、お口の健康状態をより正確に把握できるようになります。
重要なのは、どちらの言葉で呼ばれるにしても、お口の健康を脅かす病気であるという認識を持つことです。
日頃からのお手入れと、定期的な歯科検診で、健康な歯をいつまでも保ちましょう！
さあ、これであなたも「歯槽膿漏と歯周病の違い」についてバッチリですね！お口の健康は、全身の健康にもつながります。今日からさらに意識して、お口のケアを頑張りましょう！