ウェブサイトやSNSでよく見かける画像フォーマット、JPG（JPEG）とGIF。どちらも画像を表示するために使われますが、実はそれぞれ得意なことと苦手なことがあります。この二つの「jpg と gif の違い」を理解することで、よりきれいで、より軽い画像を選べるようになりますよ！
写真とイラスト、それぞれの得意分野
まず、一番大きな「jpg と gif の違い」は、どんな種類の画像に向いているかという点です。JPGは、写真のように色の変化が細かく、グラデーションが多い画像を得意としています。一方、GIFは、イラストやロゴ、アイコンのように、はっきりとした色使いで、色の数が少ない画像に適しています。
なぜそうなるのかというと、JPGは「非可逆圧縮」という方法を使っているからです。これは、画像を少しだけ劣化させることで、ファイルサイズを小さくする技術です。写真なら、人間が見てほとんど分からないレベルで劣化させることができるので、ウェブサイトの表示速度を速くするのに役立ちます。 この劣化を抑えつつファイルサイズを小さくできるのが、JPGの最も重要な特徴です。
GIFは「可逆圧縮」という方法を使います。これは、元の画像を劣化させずにファイルサイズを小さくする方法ですが、JPGほどファイルサイズを小さくすることはできません。しかし、GIFにはJPGにはない強力な機能があります。
- 色の数が256色までと限られている
- 透明色（透過）を表現できる
- アニメーション（動く画像）を作れる
ファイルサイズと画質：トレードオフの関係
JPGとGIFの「jpg と gif の違い」を語る上で、ファイルサイズと画質のバランスは無視できません。JPGは、圧縮率を調整することで、ファイルサイズをかなり小さくできます。例えば、写真のファイルサイズを半分にすることも可能です。これは、インターネットの回線速度が遅い環境でも、画像を素早く表示させたい場合に非常に有利です。
しかし、JPGを何度も保存し直すと、そのたびに少しずつ画質が劣化していきます。これは、非可逆圧縮の性質上避けられないことです。そのため、ロゴやアイコンのように、カチッとした線や単色で表現したいものにJPGを使うと、線がぼやけてしまったり、色の境目がギザギザになったりすることがあります。
GIFは、可逆圧縮なので、何度保存しても画質は劣化しません。しかし、色数が少ないため、写真のような複雑な色合いの画像には向きません。写真にGIFを使うと、色が潰れてしまったり、不自然な色の境界線ができたりして、元の写真の美しさが失われてしまうことがあります。
つまり、どちらのフォーマットを選ぶかは、 「ファイルサイズを小さくすること」と「画質をできるだけ保つこと」のどちらを優先するか によって決まります。
透明色（透過）の表現力：白背景か、それとも自由自在か
ウェブサイトのデザインにおいて、画像の透明性は非常に重要です。この点でも、「jpg と gif の違い」は明確です。GIFは、画像の一部を透明にすることができます。これにより、背景が透けて、ウェブサイトの背景色や画像と自然に馴染むようなデザインが可能になります。
例えば、ウェブサイトのロゴやアイコンは、背景が透明になっていることが多いですよね。これはGIFフォーマットが使われているからです。透明色を指定できることで、デザインの自由度が格段に上がります。ただし、GIFで扱える透明色は「完全に透明」か「完全に不透明」のどちらかだけで、半透明のようなグラデーションは表現できません。
一方、JPGは透明色を表現することができません。JPGで透明な部分を作ろうとすると、その部分は白などの単色で塗りつぶされてしまいます。そのため、背景を透過させたい画像にはJPGは不向きです。デザインのアクセントとして、背景を抜きたい画像素材などがある場合は、JPGではなくGIFやPNGといった別のフォーマットを選ぶ必要があります。
アニメーション機能：動く画像で注目を集める
GIFのもう一つの大きな特徴は、アニメーション機能です。GIFは、複数の画像を連続して表示させることで、簡単なアニメーションを作成できます。この「動く画像」は、ウェブサイトやSNSでユーザーの注目を集めるのに非常に効果的です。
例えば、短いGIFアニメーションは、商品の紹介で動きを見せたり、ちょっとしたユーモアを加えたりするのに最適です。SNSでよく見かける、キャラクターが踊っていたり、短いメッセージが表示されたりする画像は、ほとんどがGIFアニメーションです。ファイルサイズも比較的抑えられるので、手軽にアニメーションを楽しめます。
JPGには、残念ながらアニメーション機能はありません。JPGは静止画専用のフォーマットです。もし、動く画像を作りたい場合は、GIFか、より高画質でアニメーションも可能なAPNG（Animated PNG）といったフォーマットを検討する必要があります。
色の表現力：写真の繊細さをどこまで再現できるか
「jpg と gif の違い」において、色の表現力は非常に重要なポイントです。JPGは、最大で約1670万色（24ビットカラー）を表現できます。これは、人間の目で識別できるほとんどの色を網羅しており、写真のような複雑で微妙な色の変化やグラデーションを非常にきれいに再現することができます。
写真の現像や編集で、色のニュアンスを大切にしたい場合、JPGは最適なフォーマットと言えます。空のグラデーションや肌の質感など、繊細な色の表現が求められる場面でJPGはその真価を発揮します。
一方、GIFは最大で256色しか表現できません。そのため、写真のように色の変化が豊かな画像にGIFを使用すると、色が潰れてしまったり、色の境界線が不自然にギザギザになってしまったりします。イラストやアイコンのように、色の数が少ないものであれば問題ありませんが、写真には向いていないのです。
- JPG：約1670万色（写真、グラデーション表現に強い）
- GIF：256色（イラスト、アイコン、アニメーションに強い）
ファイルサイズ：軽やかに、速く
ウェブサイトの表示速度は、ユーザー体験に大きく影響します。ファイルサイズが小さいほど、画像は速く読み込まれます。この点では、「jpg と gif の違い」は、どちらがよりファイルサイズを小さくしやすいか、という観点でも語られます。
JPGは、前述した非可逆圧縮により、写真などの複雑な画像でも比較的ファイルサイズを小さくすることができます。圧縮率を調整することで、画質とファイルサイズのバランスを取ることが可能です。例えば、ウェブサイトに掲載する写真などは、JPGで最適化して、軽やかに表示させるのが一般的です。
GIFも圧縮を行いますが、可逆圧縮であるため、JPGほど劇的にファイルサイズを小さくすることは難しい傾向があります。特に、色数の多い画像やアニメーションの場合は、ファイルサイズが大きくなることがあります。しかし、イラストやロゴのように、単純な色使いの画像であれば、GIFでも十分に軽いファイルサイズを実現できます。
ファイルサイズを最優先するならば、JPGが有利な場面が多いでしょう。 ただし、アニメーションが必要な場合はGIFが必須となります。
用途別使い分け：迷ったらここをチェック！
ここまで「jpg と gif の違い」について詳しく見てきましたが、結局どちらを使えばいいのか迷うこともありますよね。そこで、よくある用途別に使い分けのポイントをまとめました。
- 写真： 風景、人物、食べ物など、色の変化が豊かな画像にはJPGを選びましょう。画質を保ちつつ、ファイルサイズを抑えることができます。
- イラスト、ロゴ、アイコン： はっきりとした線や単色で構成されているものには、GIF（またはPNG）が適しています。透明色を使いたい場合もGIFが便利です。
- アニメーション： 動く画像を作成したい場合は、GIF一択です。
- ウェブサイトの背景： 単色やシンプルなパターンであればGIFでも良いですが、写真のような複雑な背景の場合はJPGが適しています。
また、最近ではPNGというフォーマットもよく使われます。PNGはGIFのように透明色を扱え、JPGのように多くの色を表現でき、かつ可逆圧縮なので画質も劣化しません。しかし、ファイルサイズが大きくなりやすいというデメリットもあります。用途に合わせて、JPG、GIF、PNGを使い分けるのが賢い方法です。
まとめると、「jpg と gif の違い」は、写真のような滑らかな色合いを再現したいか、それともイラストやアニメーションで表現したいか、という目的によって決まります。それぞれの特徴を理解して、あなたの作りたいものにぴったりの画像フォーマットを選んでくださいね！