「収入」と「所得」、そして「確定申告」。これらの言葉を聞くと、なんだか難しそう…と思ってしまいますよね。でも、実はこの「収入 と 所得 の 違い 確定 申告」を正しく理解することは、私たちが納める税金をきちんと把握し、場合によっては払いすぎた税金を取り戻すためにも、とっても大切なんです。今回は、この3つのキーワードを分かりやすく解説していきます。
「収入」と「所得」って、どう違うの?~確定申告のキホン~
まず、「収入」というのは、働いて得たお金や、物など、全部ひっくるめた「稼ぎ」のことです。例えば、お給料や、お店の売上、アルバイト代なんかも全部「収入」に含まれます。わかりやすく言うと、財布に入ってくるお金の総額ですね。
一方、「所得」は、その「収入」から、お仕事をするためにかかった経費(これを「必要経費」と言います)を差し引いた、いわば「手元に残るお金」のこと。お給料をもらっている会社員の場合、給料から「給与所得控除」というものが差し引かれて「所得」が計算されます。この「所得」に対して、税金がかかってくるんです。
つまり、
- 収入:稼いだお金の総額
- 所得:収入から経費を引いた、実際に手元に残るお金
という違いがあります。 この違いを理解することが、確定申告を正しく行う上での第一歩 です。確定申告では、この「所得」の金額をもとに、納めるべき税金の額が決まります。
確定申告の「申告」って、そもそも何?
「確定申告」とは、簡単に言うと、1年間の所得を計算して、それにかかる税金を税務署に報告し、税金を納める手続きのことです。1月1日から12月31日までの1年間の所得について、翌年の2月16日から3月15日までの間に申告・納税を行います。
この確定申告が必要になるのは、主に以下のような場合です。
- 給与所得以外の所得が20万円を超える人
- 2か所以上から給与をもらっていて、年末調整をしていない人
- 自営業やフリーランスで、自分で事業を行っている人
会社員で、年末調整をきちんと行っていれば、基本的には確定申告をする必要はありません。しかし、副業をしていたり、医療費控除などで税金が戻ってくる可能性がある場合は、確定申告をすることでメリットがあることも。
確定申告をすることで、以下のことが可能になります。
| メリット | 説明 |
|---|---|
| 税金が戻ってくる(還付) | 医療費控除や住宅ローン控除などで、払いすぎた税金が戻ってくることがあります。 |
| 正確な納税 | 自分の所得に合った税金を正しく納めることができます。 |
「収入」の種類と「所得」の計算方法
「収入」には、様々な種類があります。代表的なものをいくつか見ていきましょう。
- 給与所得:会社員やパート・アルバイトなどで得るお給料。
- 事業所得:自営業やフリーランスで、商品やサービスを提供して得る収入。
- 不動産所得:アパートやマンションなどを貸して得る家賃収入。
- 一時所得:懸賞の賞金や、宝くじの当選金など、一時的に得た収入。
これらの「収入」ごとに、計算方法が異なります。例えば、給与所得の場合は、収入から「給与所得控除」を差し引いて所得を計算します。事業所得の場合は、収入から「必要経費」を差し引いて所得を計算します。
必要経費とは、事業を行う上でかかった費用全般を指します。例えば、以下のようなものが該当します。
- 仕入れた商品代
- 事務所の家賃
- 水道光熱費
- 広告宣伝費
これらの経費をきちんと計上することで、所得が減り、結果的に納める税金も少なくなることがあります。だからこそ、「収入」と「所得」の違い、そして経費の計上は大切なのです。
確定申告で「得する」ためのポイント
確定申告は、ただ税金を納めるためだけの手続きではありません。適切に行うことで、税金が戻ってきたり、節税につながることもあります。ここでは、確定申告で「得する」ためのポイントをいくつかご紹介します。
まずは、 「医療費控除」 。これは、1年間で支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得から差し引くことができる制度です。自分自身だけでなく、生計を一つにしている家族の医療費も合算できます。例えば、病気で高額な治療を受けたり、家族が手術を受けたりした場合などは、大きな節税につながることがあります。
次に、 「ふるさと納税」 。これは、応援したい自治体に寄附をすることで、寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税や住民税から控除される制度です。さらに、寄附した自治体から返礼品がもらえるという、嬉しい特典もあります。これも、実質2,000円の負担で、税金が控除される上に返礼品がもらえるので、お得な制度と言えるでしょう。
さらに、 「生命保険料控除」 や 「地震保険料控除」 といった、保険料に関する控除もあります。これらの保険に加入している方は、支払った保険料に応じて一定額が所得から差し引かれます。
これらの控除をしっかり活用することで、本来納めるべき税金が減り、結果的に手元に残るお金が増えることになります。確定申告の時期になったら、ご自身の状況に合わせて、利用できる控除がないか確認してみましょう。
確定申告でよくある疑問とその解決策
確定申告について、多くの方が疑問に思う点をいくつかピックアップして解説します。わからないことがあると、手続きが億劫になってしまいますが、知っておけば大丈夫です。
「いくらから確定申告が必要なの?」 という疑問。これは、先ほども少し触れましたが、給与所得以外の所得が20万円を超える場合や、2か所以上から給与を得ている場合など、ケースによって異なります。まずはご自身の所得状況を確認することが重要です。
「領収書はどうやって整理すればいいの?」 という質問もよく聞かれます。医療費や事業で使った経費の領収書は、種類ごとに分けて保管しておくと、後で見返しやすいです。年月の順に整理したり、ファイルにまとめたりするのも良い方法です。最近では、スマートフォンのアプリで領収書を撮影して管理できるものもあります。
「確定申告を忘れたらどうなるの?」 という不安。もし確定申告の期限を過ぎてしまった場合でも、後から申告することは可能です。ただし、「延滞税」や「無申告加算税」といったペナルティが課される場合があります。税金は、正直に申告することが大切です。
「税理士さんに頼んだ方がいいの?」 という疑問。ご自身の状況が複雑だったり、手間を省きたい場合は、税理士さんに依頼するという選択肢もあります。しかし、最近は国税庁のウェブサイトで確定申告書を作成できたり、相談窓口も設けられていますので、ご自身で挑戦することも十分に可能です。
副業をしている場合の注意点
近年、副業を始める方が増えています。副業をしている場合、確定申告についていくつか注意しておきたい点があります。ここをしっかり押さえておくことが、後々のトラブルを防ぐことにつながります。
まず、 副業での収入から必要経費を差し引いた「所得」が年間20万円を超える場合 は、原則として確定申告が必要です。たとえ、本業の給料から源泉徴収されている税金があったとしても、副業の所得については別途申告が必要になります。
副業の種類によって、所得の計算方法や、申告する際の所得区分が変わってきます。例えば、フリーランスとしてライターやデザイナーの仕事をしている場合は「事業所得」、アフィリエイトやブログでの広告収入などは「雑所得」となることが多いです。それぞれの所得区分に応じて、経費の計上方法なども変わってくるので注意が必要です。
また、会社によっては副業が禁止されている場合もあります。副業を始める前に、所属している会社の就業規則を必ず確認しておきましょう。もし就業規則で副業が認められている場合でも、確定申告はご自身の責任で行う必要があります。
副業での収入や経費の記録は、きちんと残しておくことが重要です。領収書や請求書はもちろん、仕事の依頼内容や報酬の支払い記録なども、まとめて保管しておきましょう。これにより、確定申告の際に正確な所得を計算することができます。
確定申告で活用できる控除の種類
確定申告をすることで、納める税金を減らすことができる「控除」という制度があります。控除には様々な種類がありますが、ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
「基礎控除」 は、すべての納税者に適用される控除です。所得に関わらず、一定額が所得から差し引かれます。これは、納税者の最低限の生活を保障するためのものです。
「配偶者控除」 や 「扶養控除」 は、所得税法上の配偶者や扶養親族がいる場合に受けられる控除です。生計を一つにしている配偶者や子供がいる場合、その人数や所得に応じて一定額が所得から差し引かれます。
「社会保険料控除」 は、健康保険料や厚生年金保険料など、自身や生計を一つにしている家族の社会保険料を支払った場合に、その全額を所得から差し引くことができる控除です。給与から天引きされている保険料は、自動的に計算されることが多いですが、ご自身で支払っている場合などは、申告が必要です。
さらに、 「特定支出控除」 というものもあります。これは、会社員でも、通勤費や研修費、資格取得費など、仕事をする上で特別にかかった費用が一定額以上あった場合に、必要経費として所得から差し引くことができる制度です。ただし、この控除を受けるためには、会社からの証明などが必要になり、適用されるケースは限られます。
これらの控除を理解し、ご自身の状況に合わせて適切に申告することで、税負担を軽減することができます。確定申告の際には、ご自身が利用できる控除がないか、しっかりと確認するようにしましょう。
まとめ:収入 と 所得 の 違い 確定 申告をマスターして、賢く税金と付き合おう!
「収入」と「所得」の違い、そして「確定申告」の重要性について、ご理解いただけたでしょうか? 確定申告は、私たち一人ひとりが社会に貢献する大切な手続きです。今回ご紹介した内容を参考に、ご自身の「収入 と 所得 の 違い 確定 申告」をしっかり理解し、賢く税金と付き合っていきましょう。