CとC++の違い:初心者にもわかる徹底解説

C言語とC++言語は、どちらも非常に強力で広く使われているプログラミング言語ですが、その成り立ちや機能にはいくつかの重要な違いがあります。この二つの言語の「c と c++ の 違い」を理解することは、プログラミングの世界をさらに深く理解するための第一歩となります。

プログラミングパラダイム:手続き型 vs オブジェクト指向

C言語は、主に「手続き型プログラミング」という考え方に基づいています。これは、プログラムを「一連の手続き(関数)」の集まりとして捉え、上から順に実行していくスタイルです。コードはシンプルで、ハードウェアに近い低レベルな操作も得意としています。

一方、C++言語はC言語を拡張したもので、「オブジェクト指向プログラミング」という考え方を導入しています。オブジェクト指向では、現実世界の「モノ(オブジェクト)」のように、データとそのデータを操作する関数をひとまとめにして「クラス」として定義します。これにより、プログラムをより部品化しやすく、大規模な開発でも管理しやすくなります。

この「c と c++ の 違い」における最も根本的な点は、このプログラミングの考え方の違いにあります。 この違いが、コードの書き方やプログラムの構造に大きな影響を与えます。

  • C言語:手続き型
  • C++言語:手続き型 + オブジェクト指向

メモリ管理:手動 vs 自動(一部)

C言語では、メモリの確保や解放をプログラマーが手動で行う必要があります。これは、`malloc()`や`free()`といった関数を使って行います。この方法の利点は、メモリを細かく制御できることですが、誤った操作をするとプログラムがクラッシュしたり、セキュリティ上の問題を引き起こしたりする可能性があります。

C++言語でも手動でのメモリ管理は可能ですが、オブジェクト指向の機能と連携して、より安全で便利な方法が提供されています。例えば、`new`演算子でメモリを確保し、`delete`演算子で解放するスタイルです。さらに、スマートポインタといった仕組みを使うことで、メモリ管理を自動化し、リーク(メモリの無駄遣い)を防ぎやすくなっています。

「c と c++ の 違い」を理解する上で、メモリ管理の意識は非常に重要です。

言語 メモリ管理
C 手動(malloc, free)
C++ 手動(new, delete) & 自動化(スマートポインタなど)

データ型と抽象化:基本型中心 vs クラスによる抽象化

C言語では、`int`(整数)、`float`(浮動小数点数)、`char`(文字)といった基本的なデータ型が中心です。これらの型を組み合わせて、より複雑なデータ構造を作成します。例えば、構造体(`struct`)を使うことで、複数の変数を一つにまとめることができます。

C++言語では、C言語の基本型に加えて、「クラス」という強力な機能があります。クラスを使うことで、データ(メンバ変数)とそれを操作する関数(メンバ関数)を一つにまとめ、新しいデータ型(オブジェクト)を定義できます。これにより、プログラムの設計がより明確になり、コードの再利用性も高まります。これは、C++が提供する「抽象化」という能力の核心部分です。

「c と c++ の 違い」を考えるとき、このデータ型の扱いの自由度と表現力の違いは大きいです。

  1. C言語:基本データ型 + 構造体
  2. C++言語:基本データ型 + クラス(メンバ変数+メンバ関数)

標準ライブラリ:最小限 vs 豊富

C言語の標準ライブラリは、必要最低限の機能に絞られています。入出力、文字列操作、数学関数などが提供されていますが、現代的なプログラミングで必要とされる多くの機能は含まれていません。そのため、開発者はよく自分でライブラリを作成したり、外部のライブラリを利用したりする必要があります。

C++言語の標準ライブラリは、C言語のライブラリを包含しつつ、さらに豊富な機能を提供しています。特に、「STL(Standard Template Library)」と呼ばれる、コンテナ(配列やリストなど)、アルゴリズム(ソートや検索など)、イテレータ(コンテナの要素をたどる仕組み)といった、非常に強力で汎用的な部品が標準で用意されています。これにより、開発効率が大幅に向上します。

「c と c++ の 違い」における標準ライブラリの充実度は、開発のしやすさに直結します。

  • C言語:
    1. 入出力
    2. 文字列処理
    3. 数学演算
  • C++言語:
    1. C言語のライブラリ
    2. STL(コンテナ、アルゴリズムなど)
    3. 入出力ストリーム

例外処理:限定的 vs 強力

C言語には、プログラム実行中に発生したエラー(例えば、ファイルが見つからない、メモリが不足するなど)を処理するための標準的な仕組みがありません。エラーが発生した場合、通常は関数の戻り値やグローバル変数を使ってエラーコードを返すことで、エラーが発生したことを通知し、呼び出し元でそのコードをチェックする必要があります。これは、コードが複雑になりやすい原因の一つです。

C++言語では、「例外処理」という仕組みが用意されています。これは、`try-catch`ブロックを使って、予期せぬエラーが発生した場合に、プログラムの実行フローを安全に中断し、エラーを専門に処理する場所(`catch`ブロック)にジャンプさせる機能です。これにより、エラー処理をコードのメインの流れから分離でき、よりクリーンで堅牢なプログラムを書くことができます。

「c と c++ の 違い」として、例外処理の有無はプログラムの保守性や信頼性に大きく関わります。

言語 エラー処理
C 戻り値、エラーコード
C++ 例外処理(try-catch)、戻り値、エラーコード

テンプレート:なし vs あり

C言語には、ジェネリックプログラミング(様々なデータ型に対応できる汎用的なプログラムを作成する技術)を直接サポートする機能がありません。もし、異なるデータ型の配列をソートしたい場合などは、データ型ごとに異なる関数を作成する必要がありました。これは、コードの重複を生み、管理を煩雑にする原因となります。

C++言語には、「テンプレート」という強力な機能があります。テンプレートを使うと、データ型に依存しない汎用的な関数やクラスを作成できます。例えば、テンプレートを使って一度ソート関数を作れば、整数配列でも文字列配列でも、あるいは自分で定義した構造体の配列でも、同じ関数でソートできるようになります。これは、C++のSTLが様々なコンテナやアルゴリズムを提供できる理由の一つでもあります。

「c と c++ の 違い」を考慮する上で、テンプレートの存在はC++の柔軟性と再利用性を際立たせます。

  1. C言語:テンプレート機能なし
  2. C++言語:テンプレート機能あり(関数テンプレート、クラステンプレート)

まとめ

C言語とC++言語は、どちらもコンピュータサイエンスの根幹をなす重要な言語です。C言語はシンプルさと低レベルな制御に強みがあり、OSや組み込みシステムなどで今も活躍しています。一方、C++言語はC言語の強みを引き継ぎつつ、オブジェクト指向やテンプレートといった機能で、より大規模で複雑なアプリケーション開発を可能にしています。

「c と c++ の 違い」を理解することは、それぞれの言語の得意な分野を知り、目的に合った言語を選択するための強力な武器となります。どちらの言語も学ぶ価値は非常に高く、プログラマーとしてのスキルアップに大いに役立つでしょう。

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