サチュレーションとパルスオキシメーターの違いをスッキリ解説!

「サチュレーション」と「パルスオキシメーター」、これらの言葉を聞いたことはありますか?健康状態を知る上で大切なキーワードですが、実は混同されがちです。今回は、この サチュレーションとパルスオキシメーターの違い について、わかりやすく掘り下げていきましょう。

サチュレーションとは?健康のバロメーター!

まず、「サチュレーション」とは、血液中の酸素の量を数値で表したものです。具体的には、赤血球の中にあるヘモグロビンが、どれだけ酸素とくっついているかの割合を示しています。これは、私たちの体がどれだけ効率よく酸素を取り込めているかを知るための、とても大切な指標なんです。例えば、運動した時や、風邪をひいて呼吸が苦しい時など、体はもっと酸素を欲しがっています。そんな時、サチュレーションの値が低いと、体が酸素不足になっているサインかもしれません。

サチュレーションは、一般的に「SpO2」という記号で表されることが多いです。この数値は、通常、健康な成人であれば95%以上が保たれています。もし、この数値が90%を下回るようなことがあれば、何らかの病気が隠れている可能性も考えられるため、注意が必要です。 この数値が正常範囲内にあることは、私たちの健康を維持する上で非常に重要です。

  • サチュレーションの主な意味
  • 血液中の酸素の割合を示す
  • 健康状態のバロメーター
  • 低下すると酸素不足のサイン

サチュレーションを測る方法にはいくつかありますが、最も手軽なのは「パルスオキシメーター」という医療機器を使う方法です。しかし、ここで「パルスオキシメーター」という言葉が出てきましたが、これはサチュレーションそのものではありません。ここが、サチュレーションとパルスオキシメーターの違いを理解する上で、一番のポイントになります。

パルスオキシメーターとは?サチュレーションを測る「道具」!

では、パルスオキシメーターとは一体何なのでしょうか。パルスオキシメーターは、文字通り「パルス(脈拍)」と「オキシ(酸素)」、「メーター(測定器)」を組み合わせた言葉で、血液中の酸素飽和度(=サチュレーション)を非侵襲的、つまり、体を傷つけることなく測ることができる医療機器です。指先や耳たぶなどにクリップのような形状のセンサーを挟むだけで、数秒から数十秒で簡単に測定できるのが特徴です。

パルスオキシメーターは、光の吸収率の違いを利用して、酸素と結合しているヘモグロビンと、結合していないヘモグロビンの量を推定し、そこからサチュレーションの値を算出しています。そのため、パルスオキシメーターで表示される数値は、あくまで「サチュレーションの値」なのであって、パルスオキシメーター自体がサチュレーションそのものを指すわけではないのです。 パルスオキシメーターは、サチュレーションを測定するための「測定器」 なのです。

サチュレーション 血液中の酸素の割合(数値)
パルスオキシメーター サチュレーションを測るための医療機器(道具)

この二つの関係性を理解すると、サチュレーションとパルスオキシメーターの違いがはっきりしてきますね。例えるなら、体温計と「体温」の関係に似ています。体温計は体温を測るための道具であり、体温そのものではないのと同じです。

サチュレーションの重要性

サチュレーションが高いということは、体がしっかりと酸素を取り込めており、各器官に十分な酸素が供給されていることを意味します。これは、私たちが健康で活動的に過ごすために不可欠な要素です。特に、肺や心臓といった、体全体に酸素を送り届ける役割を担う臓器の健康状態を把握する上で、サチュレーションは非常に重要な情報源となります。

例えば、

  1. 運動時:激しい運動をすると、体はより多くの酸素を必要とします。サチュレーションが低下していないかを確認することで、自分の体の限界を知ることができます。
  2. 呼吸器疾患:喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの疾患がある場合、サチュレーションの低下は病状が悪化しているサインとなることがあります。
  3. 睡眠時無呼吸症候群:寝ている間に呼吸が止まってしまう病気では、一時的にサチュレーションが大きく低下することがあります。

このように、サチュレーションは様々な状況で私たちの健康状態を教えてくれる、まさに「健康のバロメーター」と言えるでしょう。 サチュレーションの数値を把握しておくことは、病気の早期発見や、日々の体調管理に役立ちます。

パルスオキシメーターの仕組み

パルスオキシメーターは、主に2種類の光(赤色光と赤外線)を指先などの組織に照射し、その光の吸収率の違いを測定することで、酸素飽和度を算出します。酸素と結合したヘモグロビンと、結合していないヘモグロビンでは、光の吸収率が異なるため、この差を利用して酸素飽和度を推定するのです。

パルスオキシメーターの測定には、

  • 赤血球中のヘモグロビン
  • 酸素との結合率
  • 光の吸収率の違い

が関係しています。これらの要素が組み合わさることで、正確なサチュレーションの数値が算出されるのです。

サチュレーションとパルスオキシメーターの「使い分け」

サチュレーションとパルスオキシメーターは、どちらも健康状態を知る上で役立ちますが、その「使い分け」を理解することが大切です。サチュレーションは、あくまで「測られるべき数値」であり、私たちの体の状態を示す指標です。一方、パルスオキシメーターは、そのサチュレーションという数値を「測るための道具」です。

例えば、

  1. 医療現場では:医師や看護師は、患者さんのサチュレーションを把握するためにパルスオキシメーターを使用します。
  2. 自宅での健康管理:一般家庭でも、感染症の疑いがある場合や、持病のある方が、自身のサチュレーションをチェックするためにパルスオキシメーターを利用することがあります。

サチュレーションという「健康のサイン」を、パルスオキシメーターという「測定器」で確認する 、という関係性を覚えておきましょう。

サチュレーション測定時の注意点

パルスオキシメーターでサチュレーションを測定する際には、いくつか注意しておきたい点があります。まず、指先が冷えていると、血流が悪くなり、正確な測定ができないことがあります。測定する際は、指先を温めてから行うようにしましょう。また、マニキュアやジェルネイルをしている場合、光がうまく透過せず、測定値に影響を与えることがあります。特に濃い色やラメ入りのネイルは避けた方が良いでしょう。

さらに、

  • 指先を動かさない
  • 電源を入れたら数秒待つ
  • 清潔な状態で行う

といった基本的なことも大切です。これらの点に注意することで、より正確なサチュレーションの数値を把握することができます。

パルスオキシメーターの選び方

最近では、家庭用のパルスオキシメーターも多く販売されています。購入する際には、まず医療機器としての認証を受けているものを選ぶことが重要です。信頼できるメーカーの製品を選ぶことで、精度の高い測定が期待できます。また、表示画面の見やすさや、操作の簡単さも考慮すると良いでしょう。

選び方のポイントは以下の通りです。

  1. 医療機器認証の有無を確認する
  2. 信頼できるメーカーを選ぶ
  3. 操作が簡単で、表示が見やすいものを選ぶ
  4. 予備の電池や付属品を確認する

ご自身の用途や、誰が使うのかを考えて、最適なパルスオキシメーターを選ぶ ようにしましょう。

このように、サチュレーションは私たちの体の酸素状態を示す大切な数値であり、パルスオキシメーターはその数値を手軽に測るための便利な道具です。この二つの違いを正しく理解することで、より健康意識を高め、日々の体調管理に役立てていきましょう。

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