高血圧 と 高血圧 症 の 違い:知っておきたい基本のキ!

「高血圧」と「高血圧症」、この二つの言葉、なんとなく似ているけれど、実は明確な違いがあるんです。今回は、この「高血圧 と 高血圧 症 の 違い」を、分かりやすく、そして「そうだったのか!」と思っていただけるように解説していきますね。

「高血圧」って、そもそも何?

まず、「高血圧」とは、血管の中を流れる血液が、血管の壁を押す力(血圧)が、正常よりも高い状態のことを指します。これは、一時的なものであったり、体調によって変動したりすることもあります。例えば、運動した直後や、緊張している時などは、一時的に血圧が高くなることがありますよね。 この「一時的に血圧が高い状態」が「高血圧」という言葉で表されることが多いのです。

では、具体的にどのくらいが高いと「高血圧」と呼ばれるのでしょうか? 一般的には、最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、または最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の場合を指します。この数値を、いくつかのポイントで見ていきましょう。

  • 最高血圧:心臓が血液を送り出す時の圧力
  • 最低血圧:心臓が血液を送り出した後の、血管が緩んだ時の圧力
  • 正常血圧:一般的に130mmHg未満/85mmHg未満

このように、「高血圧」というのは、あくまで血圧の「値」が高い状態を指す言葉なのです。

「高血圧症」は、病気としての名前

一方、「高血圧症」というのは、この「高血圧」の状態が長く続き、それによって体に様々な影響が出ている「病気」としての名前です。つまり、「高血圧」という状態が慢性化し、合併症のリスクが高まった状態を「高血圧症」と呼ぶのです。これは、単なる一時的な数値の異常ではなく、治療が必要な状態と言えます。

「高血圧症」と診断されるためには、以下のような条件が考慮されます。

  1. 診察室での血圧測定で、複数回にわたって高値が続く
  2. 家庭血圧計での測定でも、継続して高値が認められる
  3. 高血圧が原因で、心臓や腎臓、脳などに障害が起こり始めている、あるいはそのリスクが高い

「高血圧症」の主な原因としては、生活習慣によるもの(食塩の摂りすぎ、肥満、運動不足、喫煙、過度の飲酒など)と、遺伝的な要因、そして他の病気が原因で起こるものなど、様々なことが考えられます。

「高血圧」と「高血圧症」の、より深い関係性

「高血圧」と「高血圧症」の関係は、まるで「風邪」と「風邪による肺炎」のようなものです。風邪は、ウイルスに感染した状態を指しますが、それが長引いたり悪化したりすると、肺炎という病気につながることがありますよね。それと同じように、「高血圧」という状態が「高血圧症」という病気に進展していくのです。

「高血圧」は、血管に常に高い負担をかけている状態です。この負担が長期間続くと、血管は硬くなり(動脈硬化)、弾力性を失っていきます。これは、まるでゴムホースにずっと水を流し続けていると、だんだん伸びきって固くなってしまうようなイメージです。

血管が硬くなると、さらに血圧は上がりやすくなります。そして、この動脈硬化は、全身の血管に影響を及ぼします。そのため、「高血圧症」は、単に血圧が高いだけでなく、様々な合併症を引き起こすリスクをはらんでいるのです。

高血圧 血圧が高い状態(一時的なことも含む)
高血圧症 高血圧が慢性化し、病気としての状態

「高血圧」のサインを見逃さない!

「高血圧」の怖いところは、自覚症状がほとんどないことが多いという点です。そのため、健康診断などで指摘されて初めて気づく、という人も少なくありません。しかし、気づかないうちに血管はダメージを受けている可能性があります。

以下のような「サイン」がある場合は、注意が必要です。

  • 頭痛やめまい
  • 肩こり
  • 動悸
  • 息切れ
  • 鼻血

ただし、これらの症状がないからといって、高血圧でないとは限りません。定期的な血圧測定が大切です。

日頃から、自分の血圧を把握するために、家庭用血圧計で測定する習慣をつけることもおすすめです。測定するタイミングや条件を揃えることで、より正確な血圧の変化を知ることができます。

「高血圧症」の診断と治療

「高血圧症」と診断されると、医師は血圧の値だけでなく、他の病気の有無や生活習慣なども考慮して、治療方針を決定します。治療の基本は、生活習慣の改善と、必要に応じた薬物療法です。

  1. 生活習慣の改善
    • 減塩:1日6g未満を目指す
    • 適度な運動:ウォーキングなどの有酸素運動を週に150分以上
    • バランスの取れた食事:野菜や果物を積極的に摂る
    • 禁煙・節酒:医師と相談しながら
    • 適正体重の維持:BMI 25未満を目指す
  2. 薬物療法 :生活習慣の改善だけでは血圧が十分に下がらない場合や、合併症のリスクが高い場合には、降圧剤が処方されます。

薬は、医師の指示通りにきちんと服用することが大切です。自己判断で中断したり、量を変更したりすることは避けましょう。

「高血圧症」の合併症と予防

「高血圧症」を放置すると、様々な合併症を引き起こす可能性があります。これらは、私たちの健康を大きく脅かすものばかりです。

  • 心臓病(心筋梗塞、心不全など)
  • 脳卒中(脳梗塞、脳出血など)
  • 腎臓病(慢性腎臓病、腎不全など)
  • 眼の病気(網膜症など)

これらの合併症を防ぐためには、早期に「高血圧」に気づき、「高血圧症」と診断されたら、きちんと治療を続けることが何よりも重要です。

予防策としては、日頃から健康的な生活習慣を心がけることが基本となります。具体的には、以下の点を意識してみましょう。

  1. バランスの取れた食事を心がける。
  2. 適度な運動を習慣にする。
  3. 禁煙・節酒を心がける。
  4. ストレスを上手に解消する。
  5. 定期的に健康診断を受け、血圧をチェックする。

これらの取り組みは、「高血圧」を予防するだけでなく、「高血圧症」と診断された場合の治療効果を高めることにもつながります。

「高血圧」と「高血圧症」の、まとめ

「高血圧」とは、血圧が高い「状態」を指す言葉です。一方、「高血圧症」とは、その「高血圧」が慢性化し、病気としての状態になったものを指します。つまり、「高血圧」は「高血圧症」への入り口、またはその前兆とも言えるでしょう。

大切なのは、この二つの違いを理解し、自分の血圧の状態を把握することです。そして、「高血圧」のサインに気づいたら、放置せずに医療機関を受診し、必要であれば「高血圧症」として、医師の指示のもと、適切な治療と生活習慣の改善に取り組むことです。

「高血圧」と「高血圧症」の違いを理解し、健康的な毎日を送りましょう!

今回の解説が、「高血圧 と 高血圧 症 の 違い」についての理解を深める一助となれば幸いです。日頃から自分の体と向き合い、健康で活力のある生活を送りましょう!

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