椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違いをスッキリ解説!

「腰が痛い」「足に痺れがある」そんな症状で悩んでいませんか?もしかしたら、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛が原因かもしれません。これらの言葉、よく耳にするけれど、実際にはどう違うのでしょうか? 椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い を理解することは、適切な対処法を見つけるためにとても大切です。

痛みの原因となる「椎間板ヘルニア」とは?

まず、椎間板ヘルニアについてお話ししましょう。私たちの背骨は、椎骨(ついこつ)という骨が積み重なってできています。そして、その椎骨と椎骨の間には、クッションのような役割をする「椎間板(ついかんばん)」があります。この椎間板が、何らかの原因で飛び出してしまい、神経を圧迫することで痛みや痺れを引き起こすのが椎間板ヘルニアです。

椎間板ヘルニアは、主に腰(腰椎椎間板ヘルニア)や首(頸椎椎間板ヘルニア)で起こりやすいと言われています。飛び出した椎間板が神経を刺激することで、以下のような症状が出ることがあります。

  • 腰や首の痛み
  • 足やお尻にかけての痺れや痛み
  • 力が入らない

椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い を理解する上で、椎間板ヘルニアは「原因」そのものであるということを覚えておいてください。

症状として現れる「坐骨神経痛」とは?

次に、坐骨神経痛についてです。坐骨神経痛というのは、病名ではなく、症状の名前です。坐骨神経は、腰から足にかけて伸びている、体の中で一番太くて長い神経です。この坐骨神経が、何らかの原因で圧迫されたり、刺激されたりすることで起こる痛みを「坐骨神経痛」と呼びます。

つまり、椎間板ヘルニアが原因で坐骨神経が圧迫され、坐骨神経痛の症状が出ている、という関係性なのです。坐骨神経痛の症状は、椎間板ヘルニア以外にも、以下のような原因で起こることがあります。

  1. 腰椎椎間板ヘルニア(これが一番多い原因です)
  2. 脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)
  3. 梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)
  4. 腰椎すべり症(ようついすべりしょう)

このように、坐骨神経痛は、あくまで「症状」であり、その原因は一つではないという点が、 椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い を理解する上で重要です。

関係性を整理しよう!

ここで、 椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い をもう少し分かりやすく整理してみましょう。

椎間板ヘルニア 坐骨神経痛
病名(原因) 症状名
椎間板が飛び出し神経を圧迫している状態 坐骨神経が圧迫・刺激されて起こる痛みや痺れ

このように、椎間板ヘルニアは、坐骨神経痛を引き起こす「原因の一つ」である、と考えると分かりやすいでしょう。例えば、風邪をひいて咳が出る、といった関係性に似ています。「風邪」が原因で、「咳」という症状が出るように、椎間板ヘルニアが原因で、坐骨神経痛という症状が出る、ということです。

症状の現れ方 ~どこが痛む?~

椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い で、症状の現れ方も大切です。椎間板ヘルニアが原因で坐骨神経痛が起こる場合、痛みや痺れは腰だけでなく、お尻や太もも、ふくらはぎ、足先まで広がるのが特徴です。

具体的には、以下のような場所によく現れます。

  • お尻の片側
  • 太ももの裏側
  • ふくらはぎ
  • 足の裏や指先

また、片方の足だけでなく、両方の足に症状が出ている人もいます。痛みの強さや痺れの程度は人それぞれで、日常生活に支障が出るほど辛い場合もあれば、軽い痺れ程度で済む場合もあります。

どんな時に痛む? ~動作との関連性~

椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い を考える上で、どのような時に痛むのかもヒントになります。椎間板ヘルニアが原因で起こる坐骨神経痛の場合、特定の動作で症状が悪化することが多いです。

  1. 長時間座っている時 :腰に負担がかかり、椎間板への圧迫が強まります。
  2. 重い物を持ったり、前かがみになったりする時 :腰に急激な力が加わり、痛みを引き起こします。
  3. 咳やくしゃみをした時 :腹圧がかかり、神経が刺激されることがあります。
  4. 歩いている時 :進行している場合、歩いているうちに足の痺れや痛みが強くなり、座り込みたくなることがあります(間欠性跛行:かんけつせい はこう)。

これらの動作で痛みが増す場合は、椎間板ヘルニアが原因である可能性が考えられます。

痛みの種類 ~どんな痛み?~

椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い は、痛みの種類にも現れることがあります。坐骨神経痛の痛みは、単なる鈍い痛みだけでなく、様々な表現で語られます。

  • ズキズキ、ピリピリするような鋭い痛み
  • 電気が走るような痛み
  • 締め付けられるような痛み
  • 痺れるような感覚

これらの痛みは、神経が圧迫されている場所や程度によって異なります。また、痛みだけでなく、感覚が鈍くなったり、逆に過敏になったりすることもあります。

診断はどうやってするの?

椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い を正確に知るためには、医療機関での診断が不可欠です。医師は、問診や神経学的検査を行い、痛みの原因を探ります。

検査方法としては、以下のようなものがあります。

  • レントゲン検査 :骨の変形やずれなどを確認できます。
  • MRI検査 :椎間板の状態や神経の圧迫具合を詳しく見ることができます。これが椎間板ヘルニアの診断には最も有効です。
  • CT検査 :骨の状態を詳しく見ることができます。

これらの検査結果と症状を照らし合わせることで、椎間板ヘルニアなのか、それとも他の原因による坐骨神経痛なのかを判断します。

治療法は? ~椎間板ヘルニアと坐骨神経痛でどう違う?~

椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い によって、治療法も変わってきます。まず、椎間板ヘルニアが原因の坐骨神経痛であれば、椎間板ヘルニアそのものの治療が中心となります。

治療法には、大きく分けて保存療法と手術療法があります。

  1. 保存療法
    • 安静(痛みが強い時期)
    • 薬物療法(痛み止めや筋弛緩薬など)
    • リハビリテーション(ストレッチや運動療法)
    • ブロック注射(痛みを和らげる注射)
  2. 手術療法 :保存療法で改善が見られない場合や、症状が重い場合に行われます。

一方、坐骨神経痛であっても、椎間板ヘルニア以外の原因(例えば、脊柱管狭窄症など)が考えられる場合は、その原因に応じた治療が行われます。

まとめ

椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い について、ご理解いただけたでしょうか?椎間板ヘルニアは「原因」であり、坐骨神経痛は「症状」です。腰の痛みや足の痺れがある場合、まずは専門医に相談し、正確な診断を受けることが大切です。原因が分かれば、適切な治療法が見つかり、痛みのない生活を取り戻すことができるはずです。

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