「肩が痛い」「腰がだるい」そんな時、どこに行けばいいか迷うことはありませんか?実は、整形外科と整骨院は、それぞれ得意なことや役割が違うんです。今回は、この「整形外科と整骨院の違い」を分かりやすく解説します!
資格と専門性で見る、整形外科と整骨院
まず、一番大切なのは、それぞれの施設で働くことができる人の資格と、そこで受けられる医療の専門性です。
- 整形外科: 医師免許を持った「整形外科医」が診察します。骨折、脱臼、捻挫、打撲などのケガや、関節の痛み、腰痛、肩こり、骨粗しょう症など、幅広い症状に対応できます。レントゲンなどの画像診断も行えるため、原因を正確に特定し、薬の処方や手術といった専門的な治療が可能です。
- 整骨院(接骨院): 国家資格である「柔道整復師」が施術を行います。骨折や脱臼の応急処置、打撲や捻挫など、主に「運動器系のケガ」に対する施術を得意としています。保険適用となる場合もありますが、医師のような診断や投薬、手術はできません。
- 整形外科医: 医学部を卒業し、医師国家試験に合格した専門家。
- 柔道整復師: 専門学校や大学で3年以上学び、国家試験に合格した専門家。
こんな時は整形外科へ!
急な強い痛みや、ケガをしてしまった場合は、まずは整形外科を受診するのがおすすめです。
| こんな症状なら整形外科! | 理由 |
|---|---|
| 転んで手首をひどく痛めた | 骨折の疑いがあるため、レントゲンで確認できる。 |
| 突然、腰に激痛が走り動けなくなった | 椎間板ヘルニアなど、画像診断で原因を特定する必要がある。 |
| 関節の腫れや熱感がある | 炎症が起きている可能性があり、薬による治療が必要な場合がある。 |
整形外科では、問診、視診、触診に加え、レントゲン、MRI、CTなどの検査機器を用いて、症状の原因を詳しく調べることができます。
こんな時は整骨院(接骨院)へ!
軽度のケガや、慢性的な体の不調に対して、手技療法(マッサージやストレッチ)や物理療法(電気治療など)でアプローチしたい場合に適しています。
- 保険適用について: 打撲、捻挫、挫傷(肉離れ)などで、医師の同意なしに施術を受けられる場合があります。ただし、慢性的な肩こりや腰痛は、健康保険が適用されないことが多いです。
- 施術内容: 骨格の歪みを整えたり、筋肉の緊張を和らげたりすることで、自然治癒力を高めることを目指します。
- 得意な症状: スポーツによる軽いケガ、日常的な肩こり、腰痛、姿勢の歪みなど。
- 柔道整復師の得意技: 骨盤矯正、猫背矯正、マッサージ、ストレッチなど。
- 自宅でできるケア: 整骨院で指導されたストレッチなどを継続して行うことも大切です。
治療の選択肢:整形外科と整骨院の併用
「整形外科で診てもらったけれど、もう少しリハビリを続けたい」「整骨院で施術を受けているけど、念のため医師の意見も聞きたい」という場合、整形外科と整骨院を併用することも可能です。
- 連携プレー: 整形外科で原因が特定され、経過観察やリハビリが指示されている場合、整骨院で手技療法などを並行して受けることで、より早期の回復を目指せることもあります。
- 医師との相談: ただし、併用する際は、必ずかかっている整形外科の医師に相談しましょう。医師の指示なく、自己判断で整骨院での施術だけを続けるのは、症状が悪化する可能性もあるため避けるべきです。
- 情報共有の重要性: 整形外科で撮ったレントゲン写真や、診断結果などを整骨院の先生に伝えることで、より的確な施術に繋がります。
- セカンドオピニオン: 不安な場合は、別の整形外科でセカンドオピニオンを聞くことも検討しましょう。
保険適用の違いを理解しよう
どちらの施設で保険が適用されるかは、症状や施術内容によって異なります。
| 施設 | 保険適用される主なケース | 保険適用されない主なケース |
|---|---|---|
| 整形外科 | 骨折、脱臼、捻挫、打撲、関節痛、腰痛など、病気やケガの治療全般 | 健康診断、予防接種、慢性的な肩こりや疲労回復目的のマッサージ |
| 整骨院(接骨院) | 原因がはっきりした打撲、捻挫、挫傷(例:スポーツで足をひねった) | 慢性的な肩こり、腰痛、疲労回復、慰安目的のマッサージ、医師の同意がない骨折・脱臼の施術 |
保険適用外の施術でも、症状の改善に繋がることは多くあります。 施術を受ける前に、保険適用の有無や料金について、しっかりと確認することが大切です。
まとめ:症状に合わせて賢く使い分けよう!
整形外科と整骨院は、それぞれ異なる専門性と役割を持っています。
- 整形外科: 医師が診断し、薬の処方や手術など、幅広い病気やケガの治療を行います。
- 整骨院: 柔道整復師が、主に運動器系のケガや不調に対して、手技療法などでアプローチします。
ご自身の症状が、どちらの施設がより適しているかを判断し、適切に利用することが、早期回復への近道です。迷ったときは、まずは整形外科で原因を特定してもらうことをおすすめします。
この情報が、皆さんの健康維持のお役に立てれば幸いです。