会計士 と 公認 会計士 の 違い:知っておきたい基本を分かりやすく解説!

「会計士」と「公認会計士」、どちらも「会計」に関わる専門家ということは分かっているけれど、具体的に何が違うの? と思っている方も多いのではないでしょうか。実は、「会計士」という言葉は広い意味で使われることがあり、「公認会計士」はその中でも特に国家資格を持つ専門家を指します。この二つの言葉、そしてその違いを分かりやすく解説していきましょう。

「会計士」と「公認会計士」:広義と狭義の言葉の使い分け

まず、「会計士」という言葉は、会社のお金の計算や記録、分析など、会計業務全般に携わる人を広く指す総称として使われることがあります。例えば、企業内で経理を担当している人も、広い意味では「会計士」と呼ぶこともできないわけではありません。しかし、一般的に「会計士」と聞くと、専門的な知識を持った人をイメージすることが多いでしょう。

一方、「公認会計士」は、国が定めた試験に合格し、登録をした者に与えられる国家資格です。この資格を持つことで、監査や税務、コンサルティングなど、より専門的で高度な会計業務を行うことができます。 公認会計士の存在は、企業の信頼性を高め、経済社会の健全な発展に不可欠な役割を担っています。

この違いを理解するために、以下のような表で整理してみましょう。

言葉 意味合い 資格
会計士 会計業務に携わる人(総称) 必須ではない
公認会計士 国家資格を持つ会計の専門家 必須(国家試験合格・登録)

公認会計士の主な業務内容

公認会計士の仕事は、監査だけではありません。実は、非常に多岐にわたる業務を担当しています。その中でも代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

  • 監査業務: 企業の財務諸表が、法律や会計基準に沿って正しく作成されているかを確認し、意見を表明します。これは公認会計士の最も代表的な業務と言えるでしょう。
  • 税務業務: 法人の税務申告書の作成や税務相談など、税金に関する専門的なアドバイスを行います。
  • コンサルティング業務: 企業の経営戦略の立案、M&A(企業の合併・買収)の支援、内部統制の構築支援など、経営全般に関するコンサルティングを行います。

これらの業務を遂行するために、公認会計士には高度な専門知識と倫理観が求められます。

監査業務の重要性

監査業務は、公認会計士の代表的な仕事ですが、なぜそれほど重要なのでしょうか。それは、監査を受けることで、会社の決算書に「信頼性」が生まれるからです。

例えば、株主や投資家は、会社の財務諸表を見て投資の判断をします。もし、その決算書が不正に作られていたら、投資家は損をしてしまうかもしれません。公認会計士による監査は、そのような不正がないことを第三者の目から保証する役割を果たします。

具体的には、以下の点が重要視されます。

  1. 第三者による客観的な視点: 会社内部の人間ではなく、専門家である公認会計士がチェックすることで、偏りのない評価が得られます。
  2. 法律や基準への準拠: 決算書が、会計に関する法律やルールに沿って作られているかを確認します。
  3. 投資家保護: 正確な情報に基づいて投資が行われるようにすることで、投資家を保護し、健全な市場を維持します。

税務業務における公認会計士の役割

公認会計士は、税金に関する専門家でもあります。企業にとって、税金は経営を左右する重要な要素の一つです。

公認会計士は、企業の事業内容や状況を理解した上で、最も有利かつ合法的な方法で税金申告を行うためのアドバイスを行います。これには、以下のような内容が含まれます。

  • 法人税申告書の作成: 企業の所得に応じて計算される法人税の申告書を作成します。
  • 節税対策の提案: 合法的な範囲で、税負担を軽減するための様々な方法を提案します。
  • 税務調査への対応: 税務署からの調査があった際に、企業をサポートし、適切な対応を行います。

複雑な税法を理解し、常に変化する税制に対応するためには、高度な専門知識が不可欠です。

コンサルティング業務:経営のパートナーとして

公認会計士は、企業の経営課題に対して専門的なアドバイスを行うコンサルタントとしても活躍します。企業の成長段階や抱える問題に応じて、様々なサポートを提供します。

例えば、以下のようなケースで公認会計士が活躍します。

コンサルティング内容 具体的な支援
経営戦略策定 市場分析、競合分析、事業計画の立案支援
M&A支援 企業価値評価、買収・売却の交渉支援、デューデリジェンス(買収対象の企業を詳細に調査すること)
内部統制構築 不正防止のための社内ルールの整備、業務プロセスの改善

公認会計士は、財務や会計の専門知識だけでなく、経営全般に関する幅広い知識を持っているため、企業にとって頼れるパートナーとなります。

会計士と公認会計士のキャリアパスの違い

「会計士」と「公認会計士」では、そのキャリアパスにも違いが出てきます。国家資格である公認会計士は、その資格を活かして活躍できるフィールドが広がります。

公認会計士の主なキャリアパスとしては、以下のようなものが考えられます。

  1. 監査法人: 公認会計士の多くが最初に目指す場所です。様々な企業の監査業務に携わります。
  2. 会計事務所: 監査法人とは異なり、中小企業の経理や税務、コンサルティングなどを中心に行います。
  3. 事業会社: 企業の経理部門や経営企画部門で、専門知識を活かして活躍します。
  4. 独立: 経験を積んだ後、自分で会計事務所を開業したり、フリーランスのコンサルタントとして活動したりします。

一方、「会計士」という広い意味では、企業内の経理担当者としてキャリアを積むことも一般的です。どちらの道を選ぶにしても、専門知識を深め、経験を積むことが重要となります。

まとめ:信頼される専門家「公認会計士」

このように、「会計士」という言葉は広い意味で使われることがありますが、国家資格である「公認会計士」は、監査、税務、コンサルティングといった専門性の高い業務を通じて、企業の信頼性を高め、経済社会の発展に貢献する重要な存在です。どちらの道に進むにしても、会計の知識はビジネスの世界で必ず役立つスキルと言えるでしょう。

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