「月収」と「月給」、なんとなく同じように使っていませんか？実はこの二つ、似ているようで少し違うんです。「月収 と 月給 の 違い」をしっかり理解することで、自分の手取り額や将来の計画がより明確になりますよ。
基本を押さえよう！月収と月給の核心的な違い
「月収」は、文字通り1ヶ月にもらえる「収入」の総額のこと。お給料だけでなく、残業代や各種手当、ボーナス（月割りで計算される場合）なども含まれます。つまり、会社から振り込まれる金額すべてを足したもの、と考えると分かりやすいでしょう。 この月収の総額を把握することは、自分の経済状況を正確に知る上で非常に重要です。
一方、「月給」は、毎月決まって支払われる「基本給」に、毎月変動する可能性のある「各種手当」を加えたものです。一般的に、月給は「基本給＋役職手当＋住宅手当」のように、毎月ある程度固定されている部分を指すことが多いです。残業代が月給に含まれる場合もありますが、その場合も「みなし残業代」として固定されていることが多いのが特徴です。
ここで、それぞれの内訳を簡単な表で見てみましょう。
| 項目 | 月収 | 月給 |
|---|---|---|
| 基本給 | 含む | 含む |
| 残業代 | 含む | 場合による（固定の場合が多い） |
| 各種手当（通勤手当、住宅手当など） | 含む | 含む |
| ボーナス（月割り） | 含む | 含まない（原則） |
月収に潜む、見落としがちな要素
月収を考える上で、見落としがちなのが「変動費」の存在です。毎月必ずもらえるわけではないけれど、収入を増やす要因となるものがこれにあたります。
- 残業代： 部署や時期によって残業時間は変動するので、残業代も毎月変わります。
- インセンティブや歩合給： 営業職などに多いですが、個人の成績によって支給額が変わるものです。
- 各種一時金： 臨時で支給される報奨金や、特定のプロジェクトの達成金などが該当します。
これらは、月給とは異なり、その月によって金額が大きく変動する可能性があります。そのため、月収として計算する際には、これらの変動要素を考慮に入れることが大切です。
さらに、月収には「諸手当」も含まれます。これらの手当は、会社によって種類や支給条件が異なります。例えば：
- 通勤手当： 毎日の通勤にかかる費用の一部または全額が支給されます。
- 住宅手当： 会社が定める条件を満たす場合に、家賃の一部などが補助されます。
- 家族手当： 配偶者や子供がいる場合に支給される手当です。
- 役職手当： 管理職などの役職に就いている場合に支給されます。
これらの手当は、月給の一部として認識されることもありますが、月収全体を把握する上では、これも立派な収入の一部としてカウントされます。
そして、忘れてはいけないのが「賞与（ボーナス）」です。ボーナスは通常、年2回（夏・冬）など、まとめて支給されることが多いですが、月収を計算する際には、これを12ヶ月で割った金額をプラスして考えることもあります。例えば、年間100万円のボーナスであれば、月あたり約8.3万円が収入に加算されるイメージです。
月給、その実態と内訳
月給は、会社が毎月支払うことを約束している給与の基本となる部分です。ここでは、月給を構成する要素をさらに詳しく見ていきましょう。
月給の最も基本的な要素は「基本給」です。これは、あなたのスキルや経験、役職などに基づいて定められた、毎月決まった額の給料のこと。この基本給は、昇給や降給がない限り、毎月変わりません。
次に、「固定残業代」についてです。これは、あらかじめ「月〇時間分の残業代」として、給料に上乗せされているものです。たとえ実際には残業をしなかったとしても、この金額は支払われます。もし、固定残業代を超えて残業した場合は、別途残業代が支払われるのが一般的です。
さらに、月給には「各種手当」が含まれることがあります。これらは、基本給とは別に、特定の条件を満たした場合に支払われるものです。例えば、先ほども触れた通勤手当や住宅手当、家族手当などがこれにあたります。
月給の計算方法をまとめると、以下のようになります。
- 月給 = 基本給 + 固定残業代 + 毎月固定の各種手当
この月給に、その月の実残業代や一時金などが加わったものが、最終的な月収となるわけです。
月収と月給、なぜ違いを理解することが大切なのか
「月収 と 月給 の 違い」を理解することは、単に用語を知るだけでなく、あなたの将来設計に大きく影響します。例えば、住宅ローンを組む際や、車のローンを組む際など、金融機関は「月収」を収入の目安として見ることが多いです。
また、家計簿をつける際にも、この違いを意識することで、より正確な支出管理が可能になります。変動しやすい残業代などを除いた「月給」を基準に、毎月の生活費を計画し、残った金額で貯蓄や投資に回す、といった考え方ができます。
さらに、転職活動をする際にも、求人票に記載されている給与の表示を正しく理解することが重要です。月給なのか、月収の目安なのかを見極めることで、自分に合った条件の仕事を見つけやすくなります。
例えば、以下のようなケースで違いが明確になります。
- ケース1： 求人票に「月給25万円～」と記載されていた場合。これは、基本給＋固定残業代＋一部手当を含んだ「月給」の範囲を示している可能性が高いです。
- ケース2： 過去の源泉徴収票などを見ると、年間の総収入が記載されています。これを12で割ったものが、おおよその「月収」の目安となります。
このように、目的に応じて「月収」と「月給」を使い分けることで、より賢くお金を管理し、計画的に将来を築いていくことができるのです。
手取り額との関係：月収、月給、そして手取り
「月収」や「月給」の話になると、必ずついてくるのが「手取り額」です。手取り額とは、税金や社会保険料などが差し引かれた、実際にあなたの口座に振り込まれる金額のこと。「月収 と 月給 の 違い」を理解することは、この手取り額を正確に把握するためにも役立ちます。
一般的に、会社から提示される「月収」や「月給」は、税金や社会保険料が引かれる前の「額面」の金額です。ここから、所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などが差し引かれます。これらの控除額は、収入や家族構成、年齢などによって異なります。
例えば、月収が30万円だったとしても、そこから様々な控除が引かれるため、手取り額は25万円程度になる、ということはよくあります。この差額を理解しておくことが、生活設計において非常に重要です。
手取り額を計算する簡単な目安としては、額面収入（月収）の75%～80%程度が手取り額になると言われています。ただし、これはあくまで目安であり、個々の状況によって変動します。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 額面月収 | 税金・社会保険料が引かれる前の収入総額 |
| 控除 | 所得税、住民税、社会保険料など |
| 手取り額 | 額面月収から控除を差し引いた、実際に受け取る金額 |
「月収 と 月給 の 違い」を理解した上で、ご自身の給与明細をよく確認し、どの項目がどのような名目で引かれているのかを把握するようにしましょう。
年収との関連性：月収、月給から年収を考える
「月収」や「月給」は、1ヶ月あたりの収入ですが、これを積み重ねることで「年収」が決まります。「月収 と 月給 の 違い」を把握することは、年収をより正確に予測し、将来の計画を立てる上で欠かせません。
年収は、基本的に1年間の「月収」の合計額です。ただし、ボーナス（賞与）は年収に大きく影響します。ボーナスが年2回、それぞれ基本給の3ヶ月分ずつ支給される場合、年収は「（月給 × 12ヶ月）＋（基本給 × 6ヶ月）」のように計算されるのが一般的です。
ここで、「月収」と「月給」のどちらを基準に年収を考えるかで、見え方が変わってきます。例えば、残業代が毎月大きく変動する職種の場合、月給だけで年収を計算すると、実際の収入よりも少なく見積もってしまう可能性があります。
年収を計算する上でのポイントは以下の通りです。
- 基本給ベース： 月給を12倍した金額は、年収の最低ラインとなります。
- 変動要素の考慮： 残業代、インセンティブ、ボーナスなどを加味して、より現実的な年収を把握しましょう。
- 税金・社会保険料： 年収からこれらの控除を差し引いたものが「手取り年収」となり、実際に使えるお金となります。
例えば、あなたの月給が25万円で、毎月平均して5万円の残業代、そして夏と冬にそれぞれ50万円のボーナスがあるとします。この場合、年収は以下のようになります。
- 月給ベースの年収：25万円 × 12ヶ月 = 300万円
- 残業代による年収アップ：5万円 × 12ヶ月 = 60万円
- ボーナスによる年収アップ：50万円 × 2回 = 100万円
- 合計年収：300万円 + 60万円 + 100万円 = 460万円
このように、「月収 と 月給 の 違い」を理解し、それぞれの要素を正確に把握することで、より現実的な年収を計算し、将来のライフプランを立てることができます。
また、転職先を探す際にも、年収の交渉で「月給」と「月収」のどちらを基に話を進めるのかが重要になってきます。年収を高く見せたい場合は「月収」を強調し、安定性を重視する場合は「月給」を基盤に話を進めるという戦略も考えられます。
このように、年収という大きな数字を理解するためにも、日々の「月収」と「月給」の違いを意識することが大切なのです。
将来設計における月収と月給の活用法
「月収 と 月給 の 違い」を理解することは、単に現在の給料を知るだけでなく、将来の計画を立てる上で非常に役立ちます。例えば、マイホームの購入、子供の教育資金、老後資金など、大きな目標を達成するためには、計画的な貯蓄や投資が不可欠です。
まず、毎月の貯蓄目標を立てる際に、「月給」を基準にするのがおすすめです。なぜなら、月給は比較的安定しており、毎月確実に確保できる収入だからです。この月給から、生活費や固定費を差し引き、残った金額を貯蓄や投資に回すという習慣をつけることで、計画的に資産を形成していくことができます。
一方、「月収」は、残業代やインセンティブなど、変動する要素が含まれます。この変動分を、予期せぬ出費への備えや、臨時収入として貯蓄に回す、あるいは自己投資に使うなど、柔軟に活用することができます。つまり、月給で生活の土台を固め、月収の変動部分でプラスアルファの計画を実行する、という使い分けが効果的です。
例えば、以下のような計画が考えられます。
- 毎月の貯蓄： 月給の10%～20%を、積立貯蓄やNISAなどの投資に回す。
- 臨時収入の活用： 残業代やボーナス（月割り計算）で、緊急予備資金を貯めたり、自己啓発のための書籍やセミナー費用に充てる。
- 将来の大きな目標： 月収全体を把握した上で、数年後に必要となる資金（車の購入資金、住宅購入の頭金など）を逆算し、毎月の貯蓄額を調整する。
このように、「月収 と 月給 の 違い」を意識することで、より具体的で実行可能な将来設計が可能になります。自分の収入を正しく理解し、賢く管理することが、豊かな未来への第一歩なのです。
この記事で「月収 と 月給 の 違い」について学んだことを活かして、ぜひご自身の給与明細を見返したり、将来の計画を立ててみてくださいね！