知っておきたい!赤血球 と ヘモグロビン の 違いを徹底解説

「赤血球」と「ヘモグロビン」、これらの言葉を聞いたことがあるでしょうか? どちらも私たちの体にとって非常に大切な役割を果たしていますが、実は全く同じものではありません。今回は、この「赤血球 と ヘモグロビン の 違い」を、分かりやすく、そして楽しく解説していきます。

体の中の「運び屋さん」と「積荷」の関係

赤血球 と ヘモグロビン の違いを理解するためには、まずそれぞれの役割を知ることが大切です。赤血球は、私たちの血液の約40%を占める、小さくて丸い細胞です。この赤血球が、体中に酸素を運ぶという、 まさに体中を巡る「運び屋さん」のような仕事 をしています。しかし、赤血球自身が酸素とくっつくわけではありません。ここで登場するのがヘモグロビンなのです。

ヘモグロビンは、赤血球の中にたくさん詰まっているタンパク質の一種です。このヘモグロビンこそが、肺で取り込んだ酸素をくっつけて、体中の組織や臓器に届ける「積荷」の役割を担っています。つまり、赤血球が「トラック」だとしたら、ヘモグロビンは「荷物(酸素)」を積むための「荷台」や「積み込み係」のような存在と言えるでしょう。

この「運び屋さん(赤血球)」と「積荷(ヘモグロビン)」の連携プレーによって、私たちの体は生きていくために必要な酸素を効率よく得ることができています。赤血球の数やヘモグロビンの量が減ると、酸素が十分に運ばれなくなり、貧血などの不調を引き起こす原因にもなります。

  • 赤血球:血液の細胞、酸素を運ぶ「乗り物」
  • ヘモグロビン:赤血球の中のタンパク質、酸素と結合する「荷物」

赤血球の形と役割

赤血球はどんな形をしているの?

赤血球の形は、非常にユニークです。円盤状で、真ん中が少しへこんだような形をしています。この形のおかげで、赤血球は細い毛細血管でもスムーズに通り抜けることができます。まるで、狭い道でも曲がりながら進めるように工夫されているかのようです。

この特徴的な形は、酸素を効率よく運ぶためにも役立っています。表面積が広がることで、より多くの酸素と結合できるようになるからです。また、赤血球は核を持たないため、そのスペースをヘモグロビンでいっぱいにすることができます。

赤血球の寿命は約120日と言われています。毎日、たくさんの古い赤血球が作られ、新しい赤血球と入れ替わっています。この新陳代謝のサイクルが、私たちの健康を維持するために不可欠なのです。

赤血球の主な役割をまとめると以下のようになります。

  1. 酸素を全身に運ぶ
  2. 二酸化炭素を肺に運ぶ
  3. 血液の粘度を保つ

ヘモグロビンは「酸素の運び屋」の主役!

ヘモグロビンって、具体的に何をしているの?

ヘモグロビンは、赤血球という「乗り物」に乗り込み、酸素を体中に届ける「積荷」そのものです。ヘモグロビンは、鉄分を多く含んでおり、この鉄分が酸素と結びつく性質を持っています。肺に到達すると、空気中の酸素がヘモグロビンとしっかり結合します。

そして、酸素を積んだヘモグロビンは、赤血球に乗って全身を巡ります。体の各組織に到着すると、今度は酸素を離して、代わりに体内で発生した二酸化炭素をくっつけます。この二酸化炭素を、再び肺まで運んで、体外に排出する役割も担っているのです。

ヘモグロビンの働きは、私たちの呼吸やエネルギー生産に直接関わっています。もしヘモグロビンがうまく働かないと、細胞は酸素不足になり、機能が低下してしまいます。

ヘモグロビンの構成要素は以下の通りです。

成分 役割
グロビン タンパク質部分
ヘム 鉄分を含む部分(酸素と結合)

赤血球とヘモグロビンの関係性

「一緒じゃないと意味がない」? その関係性とは

赤血球 と ヘモグロビン の違いは明確ですが、彼らは切っても切れない関係にあります。ヘモグロビンは、赤血球という「住処」と「運搬手段」がなければ、その役割を果たすことができません。赤血球は、ヘモグロビンという「積荷」がなければ、酸素を運ぶという最も重要な仕事をすることができないのです。

例えるなら、赤血球は「トラック」、ヘモグロビンは「ガソリン(酸素)」を運ぶための「エンジン」や「燃料タンク」のようなものです。トラックがエンジンなしでは走れないように、赤血球もヘモグロビンなしでは酸素を運べません。

この二人一組の連携が、私たちの生命活動を支えているのです。

二人の関係性をまとめると:

  • 赤血球はヘモグロビンを内包している。
  • ヘモグロビンは赤血球の中で酸素と結合・解離を繰り返す。
  • この連携で全身に酸素が供給される。

「赤」って名前、どっちから来てるの?

血液が「赤い」理由の秘密

「赤血球」という名前の通り、血液が赤く見えるのは、主に赤血球の色によるものです。そして、その赤色の秘密こそが、ヘモグロビンなのです。

ヘモグロビンは、酸素と結合している状態では鮮やかな赤色をしています。一方、酸素が離れた状態(二酸化炭素を多く含んでいる状態)では、やや暗い赤色、あるいは青紫色に見えることがあります。私たちが普段見ている血液の色は、このヘモグロビンの色に由来しているのです。

つまり、「赤」という名前は、ヘモグロビンが酸素を運んでいる状態の色から来ていると言えるでしょう。

血液の色について:

  1. 酸素を多く含んだヘモグロビン → 鮮やかな赤色
  2. 二酸化炭素を多く含んだヘモグロビン → 暗い赤色(または青紫色に見えることも)

病気との関係性

赤血球やヘモグロビンの異常で起こる病気

赤血球 や ヘモグロビン の数が減ったり、正常に働かなくなったりすると、様々な病気を引き起こすことがあります。最も代表的なのが「貧血」です。

貧血は、血液中のヘモグロビン濃度が低下することで、体に必要な酸素を十分に運べなくなる状態です。これにより、疲れやすさ、めまい、動悸などの症状が現れます。貧血には、鉄分不足によるものや、ビタミンB12不足、あるいは赤血球の異常など、様々な原因があります。

また、赤血球が異常に増えすぎる「多血症」や、ヘモグロビン自体の構造に異常がある「鎌状赤血球貧血」といった病気も存在します。これらの病気は、赤血球やヘモグロビンの正常な機能を妨げ、深刻な健康問題を引き起こすことがあります。

病気との関連性:

  • 貧血:ヘモグロビン不足、酸素運搬能力低下
  • 多血症:赤血球の過剰増加
  • 鎌状赤血球貧血:ヘモグロビン構造異常による赤血球の変形

まとめ:体にとってなくてはならない存在

赤血球 と ヘモグロビン の違い、そしてそれぞれの重要な役割について解説しました。赤血球は「酸素を運ぶための乗り物」、ヘモグロビンは「酸素をくっつけて運ぶ主役」です。どちらか一方が欠けても、私たちの体は生きていくことができません。

これらの知識を持つことで、ご自身の健康についてさらに意識を高めていただけると嬉しいです。

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