お布施と御仏前の違い、これでスッキリ！～お寺との付き合い方～

「お布施（おふせ）」と「御仏前（おぶつぜん）」、お寺や法事でお金をお渡しする際に耳にする言葉ですが、実はこれ、意味が違うんです。今回は、 お布施と御仏前の違い を分かりやすく解説し、お寺と上手に付き合っていくためのお役立ち情報をお届けします。

お布施の基本：お寺への感謝の気持ち

まず、「お布施」について見ていきましょう。お布施とは、お寺にお経をあげてもらったり、法事を営んでもらったりした際に、感謝の気持ちを込めてお寺にお渡しするお金のことです。これは、お寺を支えるための大切な収入源であり、

お布施は、お寺の活動を維持し、仏教の教えを広めるための支援という側面が強い

のです。

お布施の金額に決まりはありませんが、一般的には、法事の規模や内容、地域によって相場があります。例えば、以下のような目安があります。

お葬式：5万円～10万円
法事（年忌法要など）：3万円～5万円
お寺での祈祷・祈願：1万円～3万円

また、お布施には「物」でお渡しする場合もあります。これは「物施（ぶっし）」と呼ばれ、お米やお菓子、タオルなどを贈ることもあります。ただし、近年では現金を包むことが一般的です。

御仏前の意味：法要での「お供え」

次に、「御仏前」です。御仏前は、法事やお盆の際などに、仏様へのお供え物としてお渡しするお金や品物のことを指します。これは、仏様への感謝や尊敬の念を表すものであり、

御仏前は、亡くなった方やご先祖様、そして仏様そのものへ捧げる気持ち

なのです。

御仏前も、お布施と同様に金額に決まりはありませんが、こちらも相場があります。一般的には、以下のような目安があります。

法事（年忌法要など）：1万円～3万円
お盆の帰省時：5千円～1万円
お供え物として：お菓子、果物、お花など

御仏前を包む際の表書きは、「御仏前」や「御供（おそなえ）」、「御佛供（おぶつぐ）」などが一般的です。お供え物として現金を渡す場合は、小さめの不祝儀袋に入れるのが良いでしょう。

お布施と御仏前の使い分け

では、具体的にいつ、どちらを使えば良いのでしょうか。これは、

誰に対して、どのような目的でお金をお渡しするか

によって変わってきます。

例えば、

お葬式でお坊さんにお経をあげてもらった場合 → お布施
法事でお坊さんに読経や法話をお願いした場合 → お布施
法事の際、仏壇にお供えとしてお金を渡す場合 → 御仏前
お盆にお墓参りに行き、ご先祖様へのお供えとしてお金を渡す場合 → 御仏前

このように、お寺や住職さんへ直接お礼として渡す場合は「お布施」、亡くなった方や仏様へのお供えとして渡す場合は「御仏前」と考えると分かりやすいでしょう。

表書きの書き方：失礼にならないために

お金を渡す際に、表書きを間違えると失礼にあたることもあります。それぞれの表書きについて、詳しく見ていきましょう。

お布施の表書き

お布施の表書きは、一般的に「お布施」と書きます。しかし、場合によっては「御礼（おれい）」や「志（こころざし）」と書くこともあります。これは、

お葬式や法事など、お寺へのお礼として渡す場合 → 「お布施」
お寺への感謝の気持ちを伝える場合 → 「御礼」
丁寧な気持ちを表したい場合 → 「志」

というように、渡す状況や相手への配慮によって使い分けることができます。

御仏前の表書き

御仏前の表書きは、前述の通り「御仏前」や「御供」、「御佛供」が一般的です。これらは、

亡くなった方やご先祖様へのお供えとして → 「御仏前」
仏様への供物として → 「御供」
より丁寧にお供えする気持ちを伝えたい場合 → 「御佛供」

といった意味合いで使われます。

香典返しとの関係

お布施と御仏前を理解する上で、香典返しとの関係も知っておくと良いでしょう。香典返しは、法事などでいただいた香典（お供え）に対するお返しです。これは、

香典返しは、いただいた香典の半額～1/3程度の品物
お返しは、お礼の気持ちとして渡す

という考え方で選ばれます。お布施や御仏前は、これらとは別にお渡しするものと考えてください。

お寺との良い関係を築くために

お布施や御仏前は、単にお金を渡すというだけでなく、お寺への感謝や敬意、そして故人やご先祖様への想いを伝える大切な行為です。これらの違いを理解し、

適切な方法でお金や品物をお渡しすることで、お寺とのより良い関係を築くことができます

。

もし分からないことがあれば、遠慮なくお寺の方に尋ねてみましょう。きっと親切に教えてくれるはずです。

まとめ：感謝の気持ちを込めて

お布施と御仏前、それぞれの意味と使い分けについて解説しました。お布施は「お寺への支援」、御仏前は「仏様へのお供え」。この違いを理解することで、より自然に、そして感謝の気持ちを込めてお寺との付き合いができるようになるはずです。大切なのは、形式だけでなく、そこに込められた「感謝」の気持ちです。