皆さんは「センター試験」と「共通テスト」、どちらも大学入試で使われる試験だって知っていますか？ 実は、2020年度までは「大学入試センター試験」という名前で実施されていましたが、2021年度から「大学入学共通テスト」に変わったんです。この二つの試験には、いくつかの重要な違いがあります。今回は、この センター 試験 と 共通 テスト の 違い を、皆さんが理解しやすいように、ていねいに解説していきますね！
試験形式と出題傾向の変化
まず、一番大きな違いは、試験の形式と出題傾向です。センター試験は、知識を問う問題が中心でしたが、共通テストでは、思考力や判断力、表現力をより重視する問題が増えました。これは、大学で学ぶ上で必要な力を測るため、という狙いがあります。
具体的には、以下のような変化が見られます。
- 問題文の長文化 ：より多くの情報を読み解く力が必要になりました。
- 実社会との関連性 ：日常生活や社会で起こる出来事と結びついた問題が多くなりました。
- 対話形式の導入 ：登場人物の会話を通して、問題の意図を理解する形式も増えました。
この変化は、単なる知識の丸暗記ではなく、 「なぜそうなるのか」「どう活かせるのか」 といった、より深い理解を求めている証拠と言えるでしょう。例えば、数学では、グラフや図を自分で作図して解答を導き出す問題が増え、国語では、複数の文章を比較検討する問題などが登場しました。
マークシート方式の進化
センター試験も共通テストも、基本的にマークシート方式であることは変わりません。しかし、共通テストでは、マークシートの形式や解答の選択肢にも少し工夫が見られます。例えば、複数の選択肢から正しいものを選ぶだけでなく、 「解答の根拠となる箇所を解答欄にマークする」 といった、より丁寧な解答が求められる場面もあります。これは、単に正解を選ぶだけでなく、その理由を理解しているかどうかも確認するためのものです。
また、共通テストでは、一部の科目で「思考力・判断力・表現力」を測るための、より工夫されたマークシートの使い方が導入されています。例えば、
- ある事柄について、複数の意見が提示され、その中から適切なものを複数選択する。
- 図やグラフの分析結果を、選択肢の中から最も適切なものを選ぶ。
- 文章の要約や、筆者の主張を読み取る問題で、解答の根拠をマークする。
といった形式です。これらの形式は、 単なる知識の確認にとどまらず、思考プロセスそのものを評価しようとする 共通テストの意図を反映しています。
英語の配点とリスニングの重要性
英語の試験においても、センター試験と共通テストでは違いがあります。共通テストでは、リスニングの配点がセンター試験よりも高くなっています。これは、現代社会において、聞く力（リスニング力）の重要性が増していることを反映したものです。以前は、リーディング（読む力）の比重が大きかったのですが、共通テストでは、リスニングとリーディングのバランスがより重視されるようになりました。
具体的には、
| 試験項目 | センター試験（目安） | 共通テスト（目安） |
|---|---|---|
| リーディング | 約7割 | 約5割 |
| リスニング | 約3割 | 約5割 |
このように、リスニングの重要性が増したことで、 日頃から英語を聞く練習をしっかり行うことが、より一層大切になりました。
記述式問題の導入（一部科目）
センター試験には記述式問題はありませんでしたが、共通テストでは、一部の科目で記述式問題が導入される予定でした。（※注：当初予定されていた記述式問題の導入は見送られましたが、将来的に導入される可能性もゼロではありません。ここでは、導入された場合の変化について触れておきます。）もし記述式問題が導入されれば、 自分の言葉で考えをまとめ、表現する力 がより問われることになります。これは、大学でのレポート作成やプレゼンテーションなど、将来の学びに直結する能力を測るためのものです。
記述式問題が導入されると、以下のような対策が必要になると考えられます。
- 論理的な文章構成力 ：自分の考えを筋道立てて説明する練習。
- 的確な言葉遣い ：正確で分かりやすい言葉を選ぶ力。
- 解答の根拠を明確にする力 ：なぜそのように考えたのかを説明する練習。
「なぜそう思うのか」「どうしてその答えになるのか」 を自分の言葉で説明できることが、記述式問題では鍵となります。
共通テストの導入による大学側の評価の変化
共通テストの導入は、大学側の入試の評価方法にも影響を与えています。共通テストで重視される「思考力・判断力・表現力」は、大学が求める学生像とも合致しており、 大学側は、共通テストの結果を通して、より多角的に学生を評価しようとしています。 また、共通テストの成績だけでなく、各大学が独自で行う二次試験（面接や小論文など）との組み合わせで、合否が決まるケースも多く、
- 共通テストで基礎学力を確認する。
- 二次試験で、その大学で学びたいという意欲や、専門分野への適性を見る。
といったように、それぞれの試験の役割がより明確になっています。
まとめ：未来を見据えた変化
センター試験から共通テストへの移行は、単なる試験の名前が変わっただけではありません。それは、これからの時代に求められる学力、つまり、 知識を活用して新しい課題を解決できる力 を育むための、大きな変化なのです。皆さんも、この変化を理解し、共通テストの対策はもちろんのこと、将来のために、自分の頭で考え、表現する力をしっかりと身につけていきましょう！