HDMIとDisplayPortの違いを徹底解説!あなたのPC選びの参考に

「HDMIとDisplayPort、どっちを選べばいいの?」そんな疑問をお持ちの方へ。映像出力端子としてよく見かけるこの二つですが、実はそれぞれに得意なこと、苦手なことがあります。今回は、この「HDMIとDisplayPortの違い」について、分かりやすく解説していきます。

解像度とリフレッシュレート:数字で見る性能差

まず、映像の滑らかさや美しさを左右する解像度とリフレッシュレートについて見ていきましょう。HDMIもDisplayPortも、最新の規格では非常に高い解像度とリフレッシュレートに対応していますが、一般的にDisplayPortの方がより高い性能を持つ傾向があります。

例えば、4K解像度で144Hzといった、非常に滑らかな映像表現を求める場合、DisplayPortの方が選択肢が広がることも。これは、PCゲームや高画質な動画編集をする上で 非常に重要なポイント となります。

  • HDMI :
    • HDMI 2.0: 4K@60Hz
    • HDMI 2.1: 8K@60Hz, 4K@120Hz
  • DisplayPort :
    • DisplayPort 1.4: 8K@60Hz, 4K@120Hz
    • DisplayPort 2.0: 16K@60Hz (理論値), 8K@120Hz

このように、最新規格ではどちらも高性能ですが、DisplayPortの方が先行して高解像度・高リフレッシュレートに対応することが多いです。

音声伝送機能:どちらも優れています

映像だけでなく、音声も一緒に伝送できるのは、HDMIもDisplayPortも共通した大きなメリットです。これにより、ケーブル一本で映像と音声を同時に出力できるため、配線がスッキリします。

ただし、対応している音声フォーマットの種類や、サラウンドサウンドの表現力には、規格やバージョンによって細かい違いがあります。一般家庭での利用であれば、ほとんどの場合、どちらの端子でも十分な音声品質を得られます。

両者の音声伝送能力を比較すると、以下のようになります。

機能 HDMI DisplayPort
音声伝送 対応 対応
対応フォーマット 多岐にわたる (Dolby TrueHD, DTS-HD Master Audioなど) 多岐にわたる (Dolby Atmos, DTS:Xなど)

どちらも高品質な音声伝送が可能ですが、最新のホームシアターシステムなどで最高峰のサラウンド体験を求める場合は、各機器の対応規格を確認することが大切です。

マルチディスプレイ接続:DisplayPortの強み

複数のモニターを接続したい場合、DisplayPortは特に強力なアドバンテージを持っています。DisplayPortは「デイジーチェーン」と呼ばれる機能に対応しており、一つのDisplayPort端子から複数のモニターへ信号を分配できるのです。

このデイジーチェーン機能により、PC本体にたくさんの映像出力端子がなくても、ケーブルの本数を減らしながらマルチディスプレイ環境を構築できます。これは、デスク周りをスッキリさせたい方や、限られたポート数しかないノートPCなどで非常に便利です。

  1. PC本体のDisplayPort端子
  2. 最初のモニターのDisplayPort入力端子
  3. 最初のモニターのDisplayPort出力端子
  4. 二つ目のモニターのDisplayPort入力端子

このように、モニター同士を繋いでいくことで、最大で数台のモニターを一つの端子から制御することが可能になります。

HDMIでもマルチディスプレイは可能ですが、通常はPC本体にそれだけ多くのHDMI出力端子が必要になるか、別途分配器などが必要になります。そのため、複数モニター環境を構築しやすいのはDisplayPortと言えるでしょう。

著作権保護技術:HDCPへの対応

動画配信サービスやブルーレイディスクなど、著作権で保護されたコンテンツを再生する際に必要となるのが「HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)」という技術です。HDMIもDisplayPortも、このHDCPに対応しています。

ただし、HDCPのバージョンにはいくつか種類があり、古いバージョンのHDCPにしか対応していない機器同士を接続すると、コンテンツが再生できないことがあります。そのため、最新のコンテンツを楽しみたい場合は、接続する機器(PC、モニター、ケーブルなど)が最新のHDCPバージョンに対応しているかを確認することが重要です。

HDCPのバージョンと対応状況をまとめると、以下のようになります。

  • HDCP 1.4 : 多くの機器で対応。4K@60Hzまでをサポート。
  • HDCP 2.2 / 2.3 : 4Kコンテンツ(特にUHDブルーレイやストリーミングサービス)の再生に必須。

HDMIはバージョン2.0以降でHDCP 2.2に対応し、DisplayPortもバージョン1.2以降でHDCP 1.4、そして1.4以降ではHDCP 2.2に対応しています。

コネクタ形状とロック機構:物理的な違い

見た目の違いも、HDMIとDisplayPortの分かりやすい特徴です。HDMIコネクタは、一般的に長方形に近い形状で、誰でも簡単に抜き差しできます。

一方、DisplayPortコネクタには、よりしっかりと固定するための「ロック機構」が付いているタイプがあります。これは、ケーブルが意図せず抜けてしまうのを防ぐためのもので、特に長時間の作業や、振動しやすい場所での利用において安心感があります。

コネクタ形状と特徴を比較してみましょう。

端子 形状 特徴
HDMI 長方形に近い 抜き差しが容易
DisplayPort 台形に近い、一部にロック機構あり しっかり固定できるモデルが多い

ただし、Mini DisplayPortのように、より小型でロック機構がないものや、USB Type-CポートにDisplayPort信号を流せる「DisplayPort Alternate Mode」など、派生形も存在します。

用途別おすすめ:どちらを選ぶべきか?

さて、ここまでHDMIとDisplayPortの違いを見てきましたが、結局どちらを選べば良いのでしょうか?これは、あなたの主な用途によって変わってきます。

PCゲーマー クリエイター で、最高の画質と滑らかさを求めるなら、DisplayPortがおすすめです。特に、高リフレッシュレートのモニターを使用する場合、DisplayPortの方がより高い性能を引き出せる可能性が高いです。

一般的なテレビやモニターへの接続 ゲーム機との接続 、あるいは 手軽さを重視する なら、HDMIで十分な場合が多いです。多くの機器がHDMIに対応しており、汎用性が高いのが魅力です。

  • ゲーム(高リフレッシュレート重視) : DisplayPort
  • 動画編集・CG制作 : DisplayPort
  • テレビへの接続 : HDMI
  • ゲーム機(PS5, Xboxなど) : HDMI(最新機種はHDMI 2.1対応)
  • ノートPCと外部モニターの接続 : どちらでも可、PCとモニターの対応端子を確認

最終的には、お使いのPCやモニター、そして接続したい機器がどのような規格に対応しているかを確認することが、最適な選択をする上で最も重要です。

「HDMIとDisplayPortの違い」について、様々な角度から解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?どちらの端子も一長一短があり、それぞれの得意分野があります。あなたの用途に合わせて、最適な方を選んで、より快適なデジタルライフを楽しんでくださいね!

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