「医療保険」と「健康保険」、なんだか似ていて、どっちも病気やケガの時に役立ちそうな言葉ですよね。でも、実はこの二つ、少し意味が違うんです。 医療保険と健康保険の違い をしっかり理解することで、いざという時に慌てず、自分に必要な保障を選べるようになります。ここでは、そんな二つの保険について、分かりやすく解説していきます。
そもそも、健康保険って何?
まず、皆さんが普段「保険証」として持っているもの、あれは「健康保険」の証なんです。健康保険は、国が作った「公的な保険制度」で、日本に住んでいるほとんどの人が加入しています。病気やケガで病院にかかった時に、医療費の負担を軽くしてくれるのが大きな役割です。
健康保険には、大きく分けて二つの種類があります。
- 会社員や公務員などが加入する「被用者保険」 :お勤めの会社や役所が運営しています。
- 自営業者や退職者などが加入する「国民健康保険」 :お住まいの市区町村が運営しています。
どちらの健康保険に加入していても、病院でかかる医療費のうち、原則として3割(年齢や所得によっては1割~2割)の負担で済むようになっています。これは、 医療保険と健康保険の違い を考える上で、健康保険が「みんなで助け合う」という考え方に基づいていることを理解する上で大切です。
じゃあ、医療保険って?
一方、「医療保険」は、健康保険とは少し違います。医療保険は、民間の保険会社が販売している「民間の保険」で、健康保険ではカバーしきれない部分の経済的な負担を助けてくれるものです。例えば、入院が長引いた場合や、高度な医療を受けた場合など、健康保険だけでは払いきれない高額な医療費がかかったときに、その差額を補うための保険と言えます。
医療保険には、以下のような種類があります。
- 終身医療保険 :保障が一生涯続くタイプ
- 定期医療保険 :一定期間(例:60歳まで、80歳まで)保障されるタイプ
- がん保険 :がんの治療に特化した保険
- 女性疾病保険 :女性特有の病気に手厚い保険
このように、医療保険は、個人のライフスタイルや将来の心配に合わせて、より自分に合った保障を選べるのが特徴です。 医療保険と健康保険の違い を理解すると、どちらも私たちの生活を守るために必要なものであることがわかります。
加入する目的が違う!
医療保険と健康保険の違い は、加入する「目的」にもあります。 健康保険は、国民皆保険制度として、「病気やケガをした時に、誰もが最低限の医療を受けられるようにする」ことを目的としています。これは、社会全体で医療費を支え合う仕組みです。
一方、医療保険は、「病気やケガによる、高額な医療費や収入の減少といった経済的なリスクに備える」ことを目的としています。これは、個人の家計を守るための、よりパーソナルな備えと言えます。
表にまとめると、以下のようになります。
| 保険の種類 | 主な目的 | 運営元 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 病気やケガの際の医療費負担軽減、国民皆保険制度 | 国、市区町村、健康保険組合など(公的) |
| 医療保険 | 高額な医療費や収入減少への経済的備え、個人のリスク管理 | 民間の保険会社(民間) |
保障の範囲と内容
医療保険と健康保険の違い は、保障される範囲や内容にも現れます。 健康保険は、原則として、病気やケガの治療にかかる「保険診療の範囲内」の費用を負担してくれます。例えば、診察、検査、投薬、手術、入院などが対象です。ただし、保険適用外の差額ベッド代や先進医療、自由診療などは、健康保険ではカバーされません。
医療保険は、保険会社によって様々な商品があり、保障内容も多岐にわたります。
- 入院日数に応じた給付金
- 手術を受けた際の給付金
- 通院給付金
- 先進医療や一部の自由診療をカバーする特約
保険料の決まり方
医療保険と健康保険の違い は、保険料の決まり方にもあります。 健康保険の保険料は、加入している健康保険の種類(被用者保険か国民健康保険か)や、収入(所得)によって決まります。被用者保険の場合は、会社と折半で支払うことが一般的です。
一方、医療保険の保険料は、一般的に以下の要素で決まります。
- 年齢 :若いほど保険料は安くなる傾向があります。
- 性別 :性別によって、加入しやすい保険や保険料が異なる場合があります。
- 職業 :職種によって、リスクが考慮されることもあります。
- 保障内容 :保障が手厚くなるほど、保険料は高くなります。
- 保険期間 :終身型か定期型か、またその期間によっても変わります。
給付の仕組み
医療保険と健康保険の違い を理解する上で、給付(お金が支払われる仕組み)についても知っておきましょう。 健康保険の場合、病院で診察を受けた際に、窓口で自己負担分(原則3割)だけを支払えば、残りは健康保険組合などが直接病院に支払ってくれます。これを「現物給付」と言います。
医療保険の場合、入院や手術など、保障の条件を満たした場合に、契約者(あなた)にお金が支払われる「現金給付」が一般的です。この給付されたお金は、医療費の支払いに充てたり、入院中の生活費の補填にしたりと、自由に使うことができます。 医療保険と健康保険の違い は、このように、直接医療費を支払うか、それとも現金を支払うかという点にもあります。
もしもの時の安心感
医療保険と健康保険の違い を理解した上で、どちらも私たちの「もしも」の時の安心感に大きく貢献しています。 健康保険は、病気やケガをした時に、まず「病院で治療を受けられる」という最低限の安心を提供してくれます。高額療養費制度など、医療費の自己負担額の上限を設けてくれる制度もあり、急な高額医療費の支払いに慌てないためのセーフティネットです。
医療保険は、健康保険だけではカバーしきれない、より大きな経済的負担に備えるための「プラスアルファ」の安心を提供します。入院が長引いて働けなくなり、収入が減ってしまった場合や、家族に経済的な負担をかけたくない、といった不安を解消してくれるのです。
どちらか一方だけ、というのではなく、両方の保険があることで、より盤石な安心を手に入れることができます。 医療保険と健康保険の違い を正しく理解し、自分に必要な保険を選んでいきましょう。
「医療保険」と「健康保険」、似ているようで異なる役割を持っていることがお分かりいただけたでしょうか?健康保険は、私たちが住む国が用意してくれる、みんなで支え合うための大切な制度です。一方、医療保険は、個人のライフプランに合わせて、さらに手厚い安心を手に入れるための手段です。どちらも、私たちの健康で安心な生活を送るために、欠かせない存在と言えます。この違いを理解して、賢く保険を選んでいきましょう!