「ITFコードとJANコードの違いって何?」と思ったことはありませんか?実は、これらはどちらも商品に付けられるバーコードですが、その役割や使われる場面には明確な違いがあります。この記事では、ITFコードとJANコードの違いを分かりやすく、そして面白く解説していきます。普段何気なく見ているバーコードの裏側を知れば、お買い物がもっと楽しくなるかもしれませんよ!
ITFコードとJANコード、基本の「キ」!
ITFコード(Interleaved 2 of 5)とJANコード(Japanese Article Number)は、どちらも商品を識別するためのバーコードですが、その目的と適用範囲が異なります。 ITFコードは主に物流の現場で、JANコードは小売店での商品管理や値札表示に使われることが多い のです。
具体的に見ていきましょう。
- ITFコード :段ボール箱など、まとめて輸送される商品の識別に使われます。数字のみで構成され、人間にも比較的読みやすいのが特徴です。
- JANコード :個々の商品を識別するために使われ、スーパーやコンビニなどで商品を選ぶ際にスキャンされるバーコードです。国コード、事業者コード、商品コード、チェックデジットという構成になっています。
このように、ITFコードとJANコードは、それぞれ異なるレイヤーで商品の情報を管理するために設計されているのです。
ITFコードの「い・ろ・は」
ITFコード、別名「インターリーブド2/5コード」は、その名の通り、「2つの太さと5つの細さ」の組み合わせで数字を表すバーコードです。これは、数字の0から9までを、それぞれの数字を2つの太い線と2つの細い線、合計5本の線で表現するという規則に基づいています。
ITFコードが活躍する場面は多岐にわたります。
- 段ボール箱の識別 :複数の商品が詰められた段ボール箱に貼られ、倉庫での管理や輸送ルートの追跡に役立ちます。
- 流通加工 :商品の検品やピッキング作業を効率化するために使用されます。
- 比較的長い数字の表現 :JANコードの「GTIN-14」という国際標準の商品コードにも使われており、これはJANコードよりも多くの桁数で商品を識別したい場合に便利です。
ITFコードは、そのシンプルさと効率性から、物流効率化の強力な味方と言えるでしょう。
JANコードの「ひ・み・つ」
JANコードは、日本で制定されたGS1標準のバーコード規格で、世界中の商品に付けられている「GTIN」(Global Trade Item Number)の一種です。私たちが普段お店で目にするバーコードのほとんどが、このJANコードにあたります。
JANコードの構造は、非常に論理的です。
- 国コード :日本の場合は「45」または「49」で始まります。
- 事業者コード :製造メーカーや販売店ごとに割り当てられるコードです。
- 商品コード :事業者ごとに、その商品固有の番号が割り当てられます。
- チェックデジット :誤読を防ぐための、計算によって算出される数字です。
このJANコードがあるおかげで、レジでの会計がスムーズに行われたり、在庫管理が効率的に行われたりするわけです。
ITFコードとJANコードの「使い分け」
ITFコードとJANコードの最も大きな違いは、その「対象」と「目的」にあります。ITFコードは主に「物流単位」である段ボール箱などの識別に使われるのに対し、JANコードは「個々の商品」を識別するために使われます。
具体的には、以下のような違いが挙げられます。
| コードの種類 | 主な対象 | 主な目的 | 桁数 |
|---|---|---|---|
| ITFコード | 段ボール箱、輸送単位 | 物流管理、検品、ピッキング | 14桁(GTIN-14の場合) |
| JANコード | 個々の商品 | 小売店での販売、在庫管理、値札表示 | 13桁(標準)、8桁(短縮) |
この使い分けによって、製造から消費者の手元に届くまでの、あらゆる段階で効率的な管理が可能になっているのです。
「見た目」の「違い」
ITFコードとJANコードは、見た目にも違いがあります。まず、ITFコードは数字のみで構成されており、バーとスペースの太さの組み合わせで数字を表しています。一方、JANコードは数字とバーの組み合わせで構成されています。また、JANコードには、左端に「ナローバー」と呼ばれる細いバーが2本、右端に「ガードバー」と呼ばれる細いバーが3本付いているのが特徴です。
これらの見た目の違いは、スキャナーがバーコードを読み取る際に、コードの種類を正確に認識するために重要な役割を果たしています。
「仕組み」の「違い」
ITFコードとJANコードの仕組みにも違いがあります。ITFコードは「Interleaved 2 of 5」という名前の通り、5本のバーとスペースのうち、2本が太い線で構成されています。これにより、限られたスペースで多くの情報を表現することが可能です。また、数字の奇数番目を太い線、偶数番目を細い線で表すという規則性があります。
対してJANコードは、左から国コード、事業者コード、商品コード、チェックデジットの順に並び、それぞれの部分が特定の桁数を持っています。この構造により、世界中どの国でも同じ商品が同じコードで識別されることが保証されています。
「利用シーン」の「違い」
ITFコードとJANコードは、それぞれ異なる「利用シーン」で活躍しています。ITFコードは、物流センターや工場などのBtoB(企業間取引)の現場で、段ボール箱単位での商品の流れを管理するために不可欠です。
一方、JANコードは、スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売店、つまりBtoC(企業対消費者)の現場で、個々の商品をレジに通したり、棚卸しをしたりする際に使用されます。
まとめ:知っていると便利な「違い」
ITFコードとJANコードの違いを理解することは、商品の流通や管理の仕組みを知る上で非常に役立ちます。ITFコードが物流の効率化を支え、JANコードが私たちの身近な消費生活を便利にしているのです。次回、お店でバーコードを見たときに、これがITFコードなのか、それともJANコードなのか、少し意識してみると、新たな発見があるかもしれませんね!