宿根草 と 多年草 の 違い を 知って、もっとガーデニングを楽しもう!

「宿根草(しゅっこんそう)」と「多年草(たねんそう)」、どちらも毎年花を咲かせてくれる植物だけど、一体何が違うんだろう? 実は、この 宿根草 と 多年草 の 違い を理解すると、ガーデニングがもっと楽しく、計画的にできるようになるんですよ。

宿根草と多年草、基本のキ!

まずは、この二つの言葉の基本的な意味から見ていきましょう。簡単に言うと、宿根草と多年草は、どちらも「地面の下にある根っこや茎が冬を越して、次の年も芽を出す植物」のことです。でも、どうして二つの呼び方があるのでしょう? それは、植物の「生き方」にちょっとした違いがあるからです。

植物の生命力や、どのように冬を乗り越えるか 、という点で捉え方が変わってきます。この違いを知ることが、宿根草 と 多年草 の 違い を理解する上でとっても大切なんです。

  • 宿根草: 名前の通り、「根っこが宿る」植物。冬になると地上部分は枯れてしまいますが、地下の根っこは生きていて、春になると新しい芽を出します。
  • 多年草: 「何年も生きる」植物。宿根草も多年草の一種なのですが、一般的に多年草というと、地上部分も枯れずに冬を越したり、枯れてもすぐに芽を出すような、より丈夫なイメージがあります。

宿根草の「根っこ」に注目!

宿根草という名前は、まさにその特徴を表しています。冬の寒さで地上部が枯れてしまっても、地下にある「宿根(しゅっこん)」、つまり太い根っこや地下茎が生き残っています。まるで、冬眠しているかのように、じっと春の訪れを待っているのです。春になると、その宿根から新しい茎や葉が伸びてきて、またきれいな花を咲かせてくれる、そんな健気(けなげ)な植物たちです。

宿根草には、色々なタイプがあります。

タイプ 特徴
塊根(かいこん)タイプ 地中に丸い塊のような根を持つ ダリア、アネモネ
地下茎(ちかけい)タイプ 地中を横に伸びる茎を持つ ギボウシ、ツルニチニチソウ
太い根タイプ しっかりとした太い根を持つ シャクヤク、クリスマスローズ

このように、宿根草は地下に「宝物」を蓄えているんですね。この宿根があるおかげで、毎年植え替えなくても、手間をかけずに花を楽しめるのが、宿根草の魅力です。

多年草、そのたくましい生命力

多年草は、宿根草よりもさらに広いくくりで使われることが多い言葉です。先ほども触れましたが、宿根草も本来は多年草に含まれます。しかし、一般的に「多年草」と言う場合は、宿根草のように地上部が完全に枯れるだけでなく、比較的寒さに強く、冬でも葉をつけたり、あるいは枯れてもすぐに勢いよく芽を出すような、よりたくましい植物を指すことが多いようです。

多年草の魅力は、その「育てやすさ」にあります。

  1. 生命力が強い: 多少環境が悪くても、たくましく育ってくれる種類が多いです。
  2. 手がかからない: 一度植えれば、毎年花を咲かせてくれます。
  3. 年々大きくなる: 株が大きくなることで、より見ごたえのある姿になります。

例えば、パンジーやビオラは一年草として扱われることもありますが、品種によっては多年草として扱われることもあります。このように、植物の分類は、厳密に決まっているようで、実は少し曖昧な部分もあるのです。

「冬越し」の仕方に注目!

宿根草と多年草の大きな違いの一つは、冬をどのように越すか、という点にあります。宿根草は、基本的に地上部が枯れて、根っこだけで冬を越します。これは、気温が低くなることで、地上部が傷むのを防ぐための、植物なりの知恵と言えるでしょう。

一方、多年草の中には、地上部も枯れずに葉をつけたままで冬を越すものもあれば、枯れたとしても、その地下の茎や根っこがしっかりしていて、寒さが和らぐとすぐに新しい芽を出すものもあります。この「冬越しの仕方」の違いが、見た目の印象にも影響を与えます。

冬の庭を想像してみましょう。

  • 宿根草のエリア:地上部は枯れていますが、春の芽出しのために土の中で準備をしています。
  • 多年草のエリア:葉が残っているものや、枯れてもすぐに芽を出しそうな茎が見えるものなど、種類によって様々です。

「繁殖」の仕方もヒントになる

宿根草と多年草の区別は、繁殖の仕方にもヒントが隠されています。宿根草は、その「宿根」を分割して増やす「株分け」という方法で増やすことが多いです。これは、地下の根っこがしっかりしているので、それを分けても元気に育ちやすいからです。

一方、多年草は、株分けだけでなく、種から育てたり、挿し木(さしき)といって茎を土に挿して根を出させる方法で増やすこともできます。このように、多年草は、より多様な方法で子孫を残していくことができる、繁殖力旺盛な植物が多いと言えます。

繁殖方法の例をいくつか見てみましょう。

  1. 株分け: 宿根草でよく行われる方法。根っこを分けて植え替えます。
  2. 種まき: 多年草の多くは、種から育てることができます。
  3. 挿し木: 茎を切って土に挿し、根を出させる方法。
  4. 根伏せ(ねぶせ): 根を切って土に植え、そこから芽を出させる方法。

「地上部の姿」で区別するのは難しい?

さて、ここが少しややこしいところなのですが、実は「地上部の姿」だけで宿根草と多年草をきっちり区別するのは難しいのです。というのも、同じ植物でも、育つ環境によって冬の姿が変わることがあるからです。

例えば、暑さに弱い宿根草は、寒い地域では地上部が完全に枯れてしまいますが、暖かい地域では地上部も少し残る、なんてこともあり得ます。また、一般的に一年草として扱われる花でも、温暖な地域では多年草のように扱われることがあるのです。ですから、地上部の見た目だけで判断しようとすると、迷ってしまうこともあるかもしれません。

「分類」は学術的なものと、園芸的なものがある

植物の「分類」という点では、学術的な分類と、園芸(ガーデニング)の世界で使われる分類に違いがあることも、宿根草 と 多年草 の 違い を理解する上で大切です。学術的には、植物は科や属といったグループに細かく分けられます。その中で「多年生」であるかどうかが決まってきます。

一方、園芸の世界では、より「育てやすさ」や「庭での楽しみ方」に重きを置いて、「宿根草」「多年草」といった言葉が使われます。例えば、毎年花を咲かせてくれるけど、ちょっと手間がかかるものは「多年草」と呼んだり、手間がかからないものを「宿根草」と呼んだり、といった具合です。だから、同じ植物が、ある人にとっては宿根草、別の人にとっては多年草、と解釈されることもあるのです。

園芸でよく使われる分類の例:

分類 主な特徴
一年草 1年で枯れてしまう ペチュニア、サルビア
二年草 2年で枯れてしまう パンジー、ビオラ(一部)
宿根草/多年草 数年以上生きる ギボウシ、アジサイ、バラ

この表を見ると、宿根草と多年草が「数年以上生きる」という共通点を持っていることがわかりますね。

まとめ:宿根草 と 多年草 の 違い は、庭づくりのヒント!

宿根草と多年草の「違い」は、植物の生き方や、冬を越すための戦略の違いから生まれます。宿根草は地下の根っこに生命力を蓄え、多年草はよりたくましく、様々な方法で生き延びていきます。この違いを理解することで、庭の計画が立てやすくなり、一年を通して美しい庭を維持するヒントになります。ぜひ、この知識を活かして、あなたのガーデニングライフをもっと豊かにしてくださいね!

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