知っておきたい!胃腸炎と腸炎の違い、まるっと解説!

「お腹が痛い…」「吐き気や下痢が止まらない…」そんな時、あなたは「胃腸炎かな?」と思いますか?それとも「腸炎?」と考えるでしょうか?実は、この二つ、似ているようで少し違うんです。今日は、この「胃腸炎と腸炎の違い」を、わかりやすく、そして詳しく見ていきましょう!

「胃腸炎」と「腸炎」:どこが違うの?

「胃腸炎」と「腸炎」の最も大きな違いは、炎症が起きている場所です。簡単に言うと、「胃腸炎」は胃と腸の両方に炎症がある状態を指すことが多いです。一方、「腸炎」は文字通り、腸に炎症がある状態を指します。だから、症状が出ている場所や、原因によって使い分けられることがあるのです。 この違いを理解することは、適切な対処法を知る上でとても重要になります。

具体的に考えてみましょう。

  • 胃腸炎 :胃と腸の両方に炎症が起きている状態。
  • 腸炎 :腸に炎症が起きている状態。

例えば、食中毒が原因で胃のむかつきと下痢の両方がある場合は「胃腸炎」と呼ばれることが一般的です。しかし、下痢が主症状で、胃の症状があまりない場合は「腸炎」と診断されることもあるでしょう。

症状の表れ方にも違いが見られることがあります。

  1. 胃腸炎 :吐き気、嘔吐、胃の痛み、下痢など、胃と腸両方の症状が出やすい。
  2. 腸炎 :下痢、腹痛、血便など、腸の症状が強く出やすい。

もちろん、個人差もありますし、病気によっては胃腸炎と腸炎の境界が曖昧な場合もあります。だからこそ、正確な診断は医師にしてもらうことが大切なのです。

原因から見る「胃腸炎」と「腸炎」の違い

「胃腸炎」と「腸炎」は、原因によっても区別されることがあります。原因がわかると、どうすれば予防できるか、どうすれば早く治るか、という見通しも立てやすくなります。

「胃腸炎」の原因としてよく挙げられるのは、ウイルスや細菌による感染です。例えば、ノロウイルスやロタウイルスによる感染性胃腸炎は、冬場に流行しやすいですね。また、食中毒も原因となります。夏場に生ものを食べた後に体調を崩した、なんて経験がある人もいるかもしれません。

一方、「腸炎」には、感染性のものだけでなく、様々な原因が考えられます。

原因
感染性 ウイルス、細菌(サルモネラ菌、カンピロバクターなど)
非感染性 アレルギー、ストレス、薬剤、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)など

特に、炎症性腸疾患のように、体の免疫の働きに問題があって腸に炎症が起きる場合もあります。これは、単にウイルスや細菌に感染したというより、もっと慢性的な病気として捉えられることが多いです。

症状の出方でわかる「胃腸炎」と「腸炎」

先ほども少し触れましたが、症状の出方によって、どちらの可能性が高いか、という目安になります。もちろん、あくまで目安なので、自己判断は禁物ですよ!

「胃腸炎」の場合、胃の症状が目立つことが多いのが特徴です。「胃がもたれる」「吐き気がする」「げっぷが出る」といった症状は、胃に炎症があるサインかもしれません。それに加えて、下痢や腹痛も伴うのが一般的です。

「腸炎」の場合、下痢が主症状となることが多いです。水のような下痢、泥状の下痢、さらには血便が出ることもあります。腹痛も、お腹全体が痛むというよりは、腸の動きが悪くなっているような、差し込むような痛みを感じる人もいるでしょう。

ここで、症状のチェックリストを参考にしてみましょう。

  • 胃腸炎の可能性が高い?
    • 吐き気や嘔吐がある
    • 胃のあたりが重い、痛む
    • 食欲がない
    • 下痢もある
  • 腸炎の可能性が高い?
    • 下痢がひどい(回数が多い、水っぽい)
    • 腹痛が強い
    • 血便が出ることがある
    • 吐き気や嘔吐はあまりない

ただし、これらの症状が重なったり、逆転したりすることもあります。あくまで参考としてください。

治療法はどう違う?「胃腸炎」と「腸炎」

「胃腸炎」と「腸炎」では、治療法にも違いが出てくることがあります。原因によって、適切な治療法が変わってくるからです。

感染性胃腸炎の場合、多くは特効薬があるわけではなく、安静にして、水分補給をしっかり行うことが大切です。吐き気や下痢を抑える薬を使うこともありますが、基本的には自分の体の免疫力でウイルスや細菌を退治するのを助ける、という考え方になります。

一方、腸炎でも原因によっては、抗生物質などの薬が必要になることがあります。例えば、細菌感染が疑われる場合や、炎症性腸疾患などの慢性的な病気の場合は、原因に合わせた治療が必要になります。

以下のような治療法が考えられます。

  1. 胃腸炎
    • 安静
    • 水分・電解質補給(経口補水液など)
    • 症状を和らげる薬(吐き気止め、整腸剤など)
  2. 腸炎
    • 原因に応じた薬物療法(抗生物質、抗炎症薬、免疫抑制剤など)
    • 食事療法
    • 手術(重症の場合)

いずれの場合も、自己判断で市販薬を使いすぎたり、無理に食事を続けたりするのは避け、医師の指示に従うことが大切です。

予防法に違いはある?「胃腸炎」と「腸炎」

「胃腸炎」と「腸炎」の予防法は、共通する部分も多いですが、原因によって少しずつ違いがあります。

感染性胃腸炎の予防で最も大切なのは、手洗いです。特に、食事の前やトイレの後、外出から帰った後は、石鹸で丁寧に手を洗いましょう。また、生ものの調理器具はしっかり洗浄・消毒し、加熱が不十分な食品は避けることも重要です。

一方、腸炎の中でも、ストレスやアレルギーが原因の場合は、原因への対策が予防につながります。例えば、ストレスを溜めないような生活習慣を心がけたり、アレルゲンとなる食品を避ける、といったことが考えられます。

予防策をまとめると、以下のようになります。

  • 感染性胃腸炎・腸炎に共通する予防法
    • こまめな手洗い
    • 食品の十分な加熱
    • 生ものの取り扱いに注意
  • ストレス性腸炎などの予防法
    • ストレスを溜めない
    • バランスの取れた食事
    • 規則正しい生活

日頃から、こうした予防策を意識することで、お腹の不調を未然に防ぐことができます。

受診のタイミング「胃腸炎」と「腸炎」

「胃腸炎かな?」「腸炎かな?」と迷った時、いつ病院に行けば良いのか、迷いますよね。受診のタイミングは、症状の重さや種類によって判断することが大切です。

一般的に、症状が軽ければ自宅で様子を見ることもできますが、以下のような場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。

  1. すぐに受診した方が良い場合
    • 高熱が出ている
    • 血便が出ている
    • 激しい腹痛がある
    • 水分がほとんど取れない(脱水症状)
    • 意識がもうろうとしている

これらの症状は、重篤な病気のサインである可能性もあります。自己判断せず、すぐに医師に相談しましょう。

また、症状が数日経っても改善しない場合や、悪化している場合も受診が必要です。特に、乳幼児や高齢者、持病のある方は、症状が重くなりやすいので注意が必要です。

「胃腸炎と腸炎の違い」を理解することは、ご自身の症状を客観的に把握し、適切なタイミングで医療機関を受診するための第一歩となります。

「胃腸炎」と「腸炎」は、症状や原因、治療法に違いがありますが、どちらもつらいお腹の不調を引き起こします。この記事で「胃腸炎と腸炎の違い」について理解を深め、もしお腹の調子が悪くなったら、まずは安静にして、水分補給をしっかり行い、症状が続く場合や心配な場合は、迷わず医師に相談してくださいね。

関連記事: