就職活動を始めるにあたって、避けては通れないのが「エントリーシート(ES)」と「履歴書」です。この二つはどちらも自分自身を企業にアピールするための大切な書類ですが、その目的や書き方には違いがあります。 エントリーシートと履歴書の違いをしっかり理解することが、就職活動を成功させるための第一歩 と言えるでしょう。
「エントリーシート」と「履歴書」の基本的な違いとは?
まず、一番大きな違いは「目的」と「書く内容」にあります。履歴書は、あなたの基本的なプロフィールや学歴・職歴などを客観的に伝えるための書類です。一方、エントリーシートは、企業が求める人物像に合わせて、あなたの個性や強み、志望動機などを具体的にアピールするための、より自由度の高い書類と言えます。
履歴書は、いわば「自分という人間」の基本的な情報を網羅したものです。例えば、以下のような項目が一般的です。
- 氏名、住所、連絡先
- 生年月日、性別
- 学歴・職歴
- 資格・免許
- 志望動機(簡潔に)
- 本人希望記入欄
対して、エントリーシートは企業ごとに質問内容が異なり、より深く自己分析や企業研究が求められます。「なぜこの会社なのか」「入社して何をしたいのか」「あなたの強みを活かしてどのように貢献できるか」といった、あなたの「熱意」や「ポテンシャル」を伝えるためのスペースが与えられます。
エントリーシートで企業が知りたいこと
企業はエントリーシートを通して、あなたが「自社に合っているか」「活躍してくれるか」を見極めようとしています。そのため、単に経歴を羅列するだけでなく、あなたの経験や考え方を具体的に伝えることが重要です。
エントリーシートでよく聞かれる質問の例をいくつかご紹介しましょう。
- 学生時代に最も力を入れたこと(ガクチカ)
- あなたの強みと、それを活かせる場面
- 志望動機(なぜこの業界、この会社なのか)
- 将来のキャリアプラン
これらの質問に対して、具体的なエピソードを交えながら、自分自身の言葉で正直に、そして論理的に答えることが求められます。企業は、あなたの回答から「問題解決能力」「主体性」「協調性」「入社意欲」などを読み取ろうとします。
履歴書で伝えるべき基本情報
履歴書は、あなたの基本的な情報を整理して伝えるための書類です。転職活動の場合は職務経歴書と合わせて提出することが多いですが、新卒採用では履歴書が主になる場合もあります。正確な情報を、分かりやすく記載することが大切です。
履歴書に記載する際は、以下の点に注意しましょう。
- 誤字脱字がないか、丁寧に確認する
- 西暦・和暦の表記を統一する
- 証明写真の貼り付け位置やサイズを守る
- 空欄がないように、きちんと記入する
例えば、学歴・職歴欄は、卒業・入社・退職した年月を正確に記載し、時系列で分かりやすく整理します。資格欄も、取得年月とともに正式名称を記載することが大切です。
エントリーシートと履歴書の提出タイミング
エントリーシートと履歴書の提出タイミングは、企業や選考ステップによって異なります。一般的には、まずエントリーシートを提出し、書類選考を通過した後に履歴書を提出する、あるいは両方を同時に提出するケースが多いです。
企業からの指示をよく確認し、指定された提出方法(郵送、Web、メールなど)と期限を守ることが非常に重要です。締め切り間際になって慌てないよう、早めに準備を始めることをおすすめします。
エントリーシートと履歴書、どちらがより重要?
どちらの書類が「より重要」というわけではありません。なぜなら、どちらも選考を通過するために不可欠な役割を担っているからです。履歴書はあなたの基本的なプロフィールとして、エントリーシートはあなたの個性やポテンシャルを伝えるためのツールとして、それぞれ異なる側面からあなたを評価する材料となります。
例えば、書類選考の初期段階では、履歴書で基本的な要件を満たしているかを確認し、その後、エントリーシートでより詳細な人間性や意欲を判断するという流れが一般的です。したがって、どちらも手を抜かずに、真剣に取り組む必要があります。
エントリーシートと履歴書の書き方のコツ
エントリーシートと履歴書、それぞれの書き方にはいくつかのコツがあります。これらを意識することで、より効果的に自分をアピールできるでしょう。
履歴書を書く際のコツは、「丁寧さ」と「正確さ」です。
- 手書きの場合は、丁寧に読みやすい字で書く。
- PC作成の場合は、フォントや文字サイズを統一し、見やすくする。
- 提出前に必ず誤字脱字がないか複数回チェックする。
エントリーシートを書く際は、「具体性」と「論理性」が鍵となります。例えば、「ガクチカ」を答える際は、STARメソッド(Situation、Task、Action、Result)などを活用して、状況、目標、行動、結果を明確に説明しましょう。
- Situation(状況): どのような状況でしたか?
- Task(課題): どのような目標や課題がありましたか?
- Action(行動): その課題を解決するために、具体的にどのような行動を取りましたか?
- Result(結果): その行動の結果、どのような成果が得られましたか?
まとめ:エントリーシートと履歴書を使い分け、自信を持ってアピールしよう!
エントリーシートと履歴書は、就職活動においてあなたの魅力を企業に伝えるための、それぞれ違った役割を持つ大切な書類です。履歴書で基本情報を正確に伝え、エントリーシートであなたの個性、強み、そして熱意を具体的にアピールしましょう。この二つの違いを理解し、しっかりと準備を進めることで、自信を持って就職活動に臨むことができます。頑張ってください!