日本の公的年金制度は、大きく分けて「国民年金」と「厚生年金」の2つがあります。この二つの違いを理解することは、将来の生活設計において非常に重要です。この記事では、「国民 年金 と 厚生 年金 の 違い」を分かりやすく解説していきます。
年金制度の基本！ 国民 年金 と 厚生 年金 の 違いとは？
まず、一番大きな違いは、加入できる人が違うという点です。国民年金は、日本国内に住んでいる20歳から60歳までの全ての人が原則として加入する、いわば「基礎」となる年金です。一方、厚生年金は、会社員や公務員など、企業や団体に雇用されている人が加入する年金で、国民年金に上乗せされる形で給付が行われます。
つまり、国民年金が「全国民共通の土台」だとすると、厚生年金は「会社員・公務員向けのプラスアルファ」と考えると分かりやすいでしょう。 この加入者の違いは、将来受け取れる年金額にも大きく影響してきます。
- 国民年金 ：自営業者、学生、無職の人などが加入
- 厚生年金 ：会社員、公務員などが加入
具体的には、厚生年金に加入している人は、国民年金に加えて、給与から保険料が天引きされる形で厚生年金保険料も納めることになります。この厚生年金保険料を納める期間があることで、将来受け取れる年金額が増えるのです。
保険料の納め方と金額：国民 年金 と 厚生 年金 の 違い
国民年金と厚生年金では、保険料の納め方や金額にも違いがあります。国民年金の保険料は、原則として加入者本人が毎月納付書で納めるか、口座振替などを利用します。保険料の金額は、毎年改定されますが、比較的定額です。
一方、厚生年金保険料は、給与から天引きされるのが一般的です。そして、厚生年金保険料は、加入者の収入（標準報酬月額）によって金額が決まります。つまり、お給料が高い人ほど、厚生年金保険料も高くなります。これは、将来受け取れる年金額にも反映されます。
| 年金制度 | 保険料の納め方 | 保険料の決まり方 |
|---|---|---|
| 国民年金 | 本人納付（納付書、口座振替など） | 定額（毎年改定） |
| 厚生年金 | 給与からの天引き | 収入（標準報酬月額）に応じて変動 |
この保険料の仕組みの違いは、年金加入期間中の経済的な負担感や、将来の受給額の予測にも関わる重要なポイントです。
- 国民年金保険料：毎年一定額を自分で納める
- 厚生年金保険料：給与から天引きされ、収入によって変わる
給付される年金額：国民 年金 と 厚生 年金 の 違い
国民年金と厚生年金で、将来受け取れる年金額にも当然違いがあります。国民年金だけで加入していた場合、受け取れるのは「老齢基礎年金」のみです。これは、保険料を納めた月数に応じて計算されます。
一方、厚生年金に加入していた期間がある人は、老齢基礎年金に加えて「老齢厚生年金」も受け取ることができます。老齢厚生年金は、加入期間や、その期間の給与水準（賞与を含む）などによって計算されるため、国民年金のみの場合よりも一般的に高額になります。
- 老齢基礎年金 ：国民年金加入期間のみで計算
- 老齢厚生年金 ：厚生年金加入期間の給与水準なども考慮して計算
この給付額の違いが、退職後の生活をどれだけ豊かにできるかに直結するため、非常に大切な点です。
加入期間と受給資格：国民 年金 と 厚生 年金 の 違い
年金を受け取るためには、一定期間保険料を納めるなどの受給資格を満たす必要があります。国民年金の場合、原則として保険料納付済期間と、免除・猶予期間などを合算した「受給資格期間」が10年以上必要です。
厚生年金の場合も、老齢基礎年金を受け取るための資格は国民年金と同様ですが、老齢厚生年金を受け取るためには、厚生年金保険の加入期間が1ヶ月以上あることが必要です。ただし、老齢厚生年金の額は、加入期間が長ければ長いほど、そして給与水準が高ければ高いほど増えていきます。
| 年金制度 | 老齢年金受給資格 |
|---|---|
| 国民年金 | 受給資格期間（保険料納付済期間＋免除・猶予期間など）10年以上 |
| 厚生年金 | 国民年金と同様の資格に加え、厚生年金保険の加入期間1ヶ月以上 |
受給資格の期間は、将来の経済的な安心感を得るための第一歩であり、これを理解しておくことは計画的な人生設計に不可欠です。
就職・退職による影響：国民 年金 と 厚生 年金 の 変化
国民年金と厚生年金は、就職や退職といったライフイベントによって加入状況が変化します。例えば、学生でアルバイトをしていた場合は国民年金に加入していますが、正社員として就職すると、自動的に厚生年金に加入することになります。この場合、国民年金への加入は終了し、厚生年金保険料が給与から天引きされるようになります。
逆に、会社を退職して自営業になったり、専業主婦（夫）になったりした場合は、厚生年金への加入は終了し、国民年金への加入に戻る（または加入義務が生じる）ことになります。このような変化があった際には、年金手帳や年金加入期間の記録を確認し、自分の年金加入状況を把握しておくことが大切です。
- 正社員として就職：国民年金 → 厚生年金へ
- 退職して自営業に：厚生年金 → 国民年金へ
自身の状況に合わせて年金制度が変わることを理解しておくことは、将来の年金受給額を正しく把握するために非常に重要です。
障害年金・遺族年金：国民 年金 と 厚生 年金 の 違い
公的年金制度は、老齢になった時のためだけではありません。万が一、病気やケガで働けなくなった場合の「障害年金」や、加入者が亡くなった場合に遺族へ支払われる「遺族年金」といった保障もあります。これらの保障も、国民年金と厚生年金で内容が異なります。
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障害年金
：
- 国民年金：障害基礎年金
- 厚生年金：障害厚生年金（国民年金の上乗せ）
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遺族年金
：
- 国民年金：遺族基礎年金
- 厚生年金：遺族厚生年金（国民年金の上乗せ）
これらの保障は、予期せぬ事態に備えるためのセーフティネットであり、その内容を把握しておくことは、万が一の際の安心につながります。
障害厚生年金や遺族厚生年金は、国民年金だけの保障よりも手厚くなる傾向があります。これは、厚生年金保険料を納めていた期間や、その収入額などが考慮されるためです。
まとめ：国民 年金 と 厚生 年金 の 違い を 理解して、未来に備えよう！
国民年金と厚生年金の違いは、加入できる人、保険料の納め方、そして将来受け取れる年金額など、多岐にわたります。どちらの年金制度に加入しているか、あるいは両方に加入しているかによって、将来の生活設計は大きく変わってきます。今回の記事で「国民 年金 と 厚生 年金 の 違い」を理解し、ご自身の状況に合わせて、将来のための備えをしっかりと行っていきましょう。