建築 面積 と 床 面積 の 違い:知っておきたい基本をわかりやすく解説!

家づくりや不動産について話していると、よく耳にする「建築面積」と「床面積」。この二つ、名前は似ているけれど、実は意味が全然違うんです。今回は、 建築面積 と 床 面積 の 違い を、みんなが「なるほど!」と思えるように、わかりやすく解説していきますね。

建築面積と床面積、一体何が違うの?

まず、建築面積とは、建物を真上から見たときの輪郭の面積のことを指します。つまり、建物の「影」の大きさと考えるとイメージしやすいかもしれません。これは、建物を建てる際に、敷地の中でどれくらいのスペースを使うかを示すもので、建築基準法などで定められている建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)に関わってきます。

一方、床面積は、建物の中の各階の床がある部分の面積を合計したものです。これは、実際に私たちが生活する空間の広さを示すものと言えます。例えば、リビング、寝室、キッチン、お風呂など、床のある部屋の面積をすべて足したものが床面積になります。 この二つの違いを理解することは、希望する家が建てられるか、また、不動産物件の価値を正しく判断するために非常に重要です。

  • 建築面積: 建物の外壁や柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(真上から見たときの広さ)
  • 床面積: 各階の床のある部分の面積の合計

具体的に、建築面積には以下のようなものが含まれることがあります。

  1. 建物の外壁または柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積。
  2. バルコニーやポーチなど、一定の条件を満たすもの。

一方、床面積には、一般的に以下のようなものが含まれます。

含まれるもの 含まれないもの
階段 吹き抜け部分
廊下 ロフト(一定の条件を満たす場合)

建築面積の計算方法とポイント

建築面積を計算する上で、いくつかのポイントがあります。まず、基本となるのは建物を真上から見たときの輪郭です。しかし、単純に四角い面積を測れば良いわけではありません。例えば、建物の外壁から一定以上突き出ている庇(ひさし)や、バルコニーなども、条件によっては建築面積に含まれることがあります。これにより、建物の外観上の広さと、法的な建築面積は異なってくる場合があるのです。

また、建築基準法では、敷地面積に対して建築面積がどれくらいまで許されるかを示す「建ぺい率」という規制があります。この建ぺい率は、都市計画区域ごとに定められており、例えば「建ぺい率60%」と定められている土地では、敷地面積の60%までしか建物を建てられない、ということになります。ですから、家を建てる前に、この建ぺい率をしっかり確認することが、希望の間取りや建物の大きさを実現できるかどうかの鍵となります。

  • 建ぺい率の確認: 建築確認申請の前に必ず確認しましょう。
  • 法規上の例外: 一定の条件を満たすバルコニーや庇などは、建築面積に含まれない場合があります。

建ぺい率の計算式はとてもシンプルです。

建ぺい率 (%) = (建築面積 ÷ 敷地面積) × 100

例えば、敷地面積が100㎡で建ぺい率が60%の場合、建築面積の上限は60㎡となります。

床面積の計算方法と注意点

床面積は、文字通り「床がある部分」の面積です。これは、各階ごとに計算し、それをすべて合計することで全体の床面積が求められます。例えば、1階が50㎡、2階が40㎡の家であれば、床面積は合計で90㎡となります。この床面積は、一般的に「延べ床面積」と呼ばれることもあり、建物の総床面積を示す指標としてよく使われます。

床面積の計算では、空間の広さがそのまま反映されるため、私たちの生活空間の快適さや使いやすさに直結します。リビングの広さ、部屋の数、収納スペースなど、住み心地を考える上で非常に重要な要素です。また、不動産広告などで表示される「〇〇㎡」という数字は、多くの場合この床面積のことを指しています。

  1. 各階の床面積を足し合わせる: 1階、2階、地下など、床のある部分の面積をそれぞれ計算します。
  2. 共通部分の扱い: 階段や廊下、玄関ホールなども床面積に含まれます。

床面積に含まれないものとしては、以下のようなものがあります。

  • 吹き抜け部分:上下の階の床がないため、床面積には含まれません。
  • バルコニーやテラス:屋根があっても、壁がない、または壁の面積が一定以下である場合は、床面積に含まれないことがあります。

建築面積と床面積、なぜ区別が必要なのか?

建築面積と床面積が区別されるのは、それぞれが建物の異なる側面を表しているからです。建築面積は、土地に対する建物の「大きさ」や「配置」を規制するための指標であり、都市計画や周辺環境との調和、防災などの観点から重要視されます。例えば、密集した住宅地では、建築面積を制限することで、火災の延焼を防いだり、採光や通風を確保したりする目的があります。

一方、床面積は、実際に住む人にとっての「空間の広さ」や「使いやすさ」を示す指標です。家族構成やライフスタイルに合わせて、どのくらいの床面積が必要かを考える際の基準となります。また、建物の固定資産税の計算などにも関わってくるため、住まいにおいては非常に現実的な意味を持つ数字と言えます。 それぞれの目的に応じて、異なる面積で建物を評価・管理している のです。

建築面積 床面積
主な目的 土地利用の規制、都市計画 居住空間の広さ、快適性、税金計算
規制との関係 建ぺい率に関わる 容積率(建物の延べ床面積の上限)に関わる

容積率と床面積の関係

容積率とは、敷地面積に対して、建物の各階の床面積の合計(延べ床面積)がどれくらいまで許されるかを示す割合のことです。例えば、敷地面積が100㎡で容積率が200%と定められている場合、延べ床面積は最大で200㎡まで建てることができます。これにより、都市部などで土地が限られている場合でも、階数を多く建てることで、ある程度の居住空間を確保することが可能になります。

この容積率を計算する際には、床面積が基準となります。そのため、家を設計する際には、希望する部屋数や広さを確保しつつ、この容積率を超えないように床面積を計画していく必要があります。また、床面積に含まれない部分(例えば、地下室の一部や、一定の条件を満たすロフトなど)をうまく活用することで、法的な規制の中でより広く快適な空間を作り出すことも可能です。 容積率を理解することは、建物のポテンシャルを最大限に引き出すために不可欠です。

  • 容積率の計算式: 容積率 (%) = (延べ床面積 ÷ 敷地面積) × 100
  • 法規上の緩和: 一部の地下室やロフトは、延べ床面積に含まれない場合があります。

容積率をオーバーすると、建築確認が通らないだけでなく、将来的な建替えの際に問題となることがあります。そのため、設計段階でしっかりと確認することが大切です。

建築確認申請と面積の関係

家を建てる際には、必ず「建築確認申請」という手続きが必要になります。この申請では、建物の計画が建築基準法などの法律に適合しているかどうかが審査されます。そして、この審査の際に、先ほど説明した建築面積や床面積(延べ床面積)が重要な判断材料となります。

具体的には、建ぺい率の制限を満たしているか(建築面積)、容積率の制限を満たしているか(床面積)、そして、採光や通風、避難経路などが適切に確保されているかなどがチェックされます。もし、これらの面積の計算や、それに基づく建ぺい率・容積率の制限を満たしていない場合、建築確認はおりず、家を建てることはできません。 正確な面積の把握は、建築確認申請をスムーズに進めるための第一歩です。

  1. 法規適合性の確認: 建築確認申請で、建ぺい率、容積率などがチェックされます。
  2. 正確な書類作成: 建築図面には、正確な建築面積、床面積を記載する必要があります。

建築確認申請が完了し、許可が下りると、工事を開始することができます。

まとめ:建築面積と床面積の違いを理解して、賢く家づくりを!

ここまで、建築面積と床面積の違いについて、それぞれの意味や計算方法、そして家づくりにおける重要性について解説してきました。建築面積は建物の「外側の広さ」や「土地への影響」を、床面積は「内側の空間の広さ」や「住み心地」を表すものだと理解していただけたでしょうか。

家を建てる際にも、不動産物件を探す際にも、これらの面積の違いを正しく理解していると、よりスムーズに、そして賢く進めることができます。もし分からないことがあれば、遠慮なく専門家(建築士や不動産業者)に質問してみましょう。きっと、あなたの疑問を丁寧に解決してくれるはずですよ。

この情報が、あなたの家づくりや住まい探しの一助となれば幸いです。

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