インフルとコロナの違い、見分け方と注意点を徹底解説!

インフルエンザと新型コロナウイルス感染症、どちらも冬場に流行し、高熱や咳などの症状が出るため、混同しがちですよね。しかし、インフルとコロナの違いは、原因となるウイルスはもちろん、症状の現れ方や感染力、重症化リスクにも差があります。この違いを正しく理解することは、適切な予防策を講じ、もしもの時に落ち着いて対処するために非常に重要です。

インフルとコロナの違い:症状の比較

インフルエンザと新型コロナウイルスの症状は、初期段階では非常に似ていることが多いです。どちらも突然の高熱、悪寒、頭痛、関節痛、筋肉痛といった全身症状が現れることがあります。また、咳やくしゃみ、鼻水といった風邪に似た症状も出ることがあります。しかし、 インフルとコロナの違いを理解する上で、症状の現れ方の違いに注目することが大切です。

  • インフルエンザの主な特徴:
    • 急激な発症(数時間~1日程度で急に高熱が出る)
    • 強い全身症状(悪寒、関節痛、筋肉痛など)
    • 咳、喉の痛み
    • 比較的短期間で回復することが多い
  • 新型コロナウイルスの主な特徴:
    • 発症までの潜伏期間がインフルエンザより長い傾向がある
    • 嗅覚・味覚異常が比較的特徴的(インフルエンザでは稀)
    • 倦怠感や息苦しさを強く訴える場合がある
    • 症状の経過がインフルエンザより長引くことがある
    • 無症状や軽症のケースも多い

このように、症状だけで完全に判断するのは難しい場合もありますが、特に嗅覚・味覚異常がある場合は新型コロナウイルスの可能性を疑うべきでしょう。

インフルとコロナの違い:原因ウイルスと感染経路

インフルエンザと新型コロナウイルスの根本的な違いは、感染するウイルスの種類にあります。インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症であり、主にA型、B型、C型、D型といったタイプに分かれます。一方、新型コロナウイルスは、2019年に発見された新しいコロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症です。

感染経路についても、インフルエンザと新型コロナウイルスは似ていますが、感染力や広がりやすさに違いが見られます。

感染経路 インフルエンザ 新型コロナウイルス
飛沫感染 〇(咳やくしゃみによる飛沫) 〇(咳やくしゃみ、会話による飛沫)
接触感染 〇(ウイルスが付着した物への接触) 〇(ウイルスが付着した物への接触)
空気感染(微粒子) 限定的 可能性あり(特に換気の悪い場所)

新型コロナウイルスは、インフルエンザと比較して、より空気中を漂う微粒子(エアロゾル)による感染のリスクが高いと考えられています。そのため、換気が不十分な密閉空間では、より感染が広がりやすい傾向があります。

インフルとコロナの違い:潜伏期間と感染力

インフルエンザと新型コロナウイルスの潜伏期間と感染力にも違いがあります。これらの違いを理解することは、感染拡大を防ぐ上で非常に重要です。

インフルエンザの潜伏期間は、一般的に1日から4日程度と比較的短いです。感染力は高く、感染から発症までの期間、そして発症後数日間が他人に感染させる可能性が高い時期となります。

一方、新型コロナウイルスの潜伏期間は、インフルエンザよりも長い傾向があり、最短で1日、最長で14日程度と幅があります。さらに、感染してから症状が出る前(不顕性感染)でもウイルスを排出する可能性があり、これが感染拡大を難しくしている要因の一つです。

  1. 潜伏期間の違い:
    • インフルエンザ:1〜4日
    • 新型コロナウイルス:1〜14日(平均5〜6日程度)
  2. 感染力のピーク:
    • インフルエンザ:発症後1〜2日
    • 新型コロナウイルス:発症前〜発症後数日間

インフルとコロナの違い:重症化リスクと合併症

インフルエンザも新型コロナウイルスも、誰でも重症化する可能性がありますが、重症化しやすい年齢層や合併症の種類に違いがあります。

インフルエンザでは、高齢者、乳幼児、妊娠中の女性、基礎疾患(呼吸器疾患、心疾患、糖尿病など)のある方などが重症化しやすいとされています。合併症としては、肺炎、気管支炎、中耳炎、まれに脳炎・脳症などが挙げられます。

新型コロナウイルス感染症も、高齢者や基礎疾患のある方は重症化リスクが高いですが、若年者でも重症化したり、後遺症(ロングコビット)が残ったりするケースが報告されています。合併症としては、肺炎、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、血栓症、心筋炎、神経系の合併症など、多岐にわたります。

  • 重症化しやすい人:
    • 高齢者
    • 乳幼児
    • 妊娠中の女性
    • 基礎疾患(糖尿病、心臓病、呼吸器疾患など)のある方
    • 免疫抑制状態にある方
  • 見られる合併症:
    • インフルエンザ: 肺炎、気管支炎、中耳炎、脳炎・脳症(まれ)
    • 新型コロナウイルス: 肺炎、ARDS、血栓症、心筋炎、神経合併症、後遺症(ロングコビット)

インフルとコロナの違い:検査方法

インフルエンザと新型コロナウイルスに感染しているかどうかを正確に診断するためには、検査が不可欠です。インフルとコロナの違いを把握する上で、検査方法の違いも知っておくと良いでしょう。

インフルエンザの検査は、主に鼻や喉を綿棒でぬぐって検体を取得し、数分から15分程度で結果が出る迅速検査キットが一般的です。これらは医療機関で医師の判断のもと行われます。

一方、新型コロナウイルスの検査には、抗原検査とPCR検査があります。抗原検査はインフルエンザの迅速検査と似ており、比較的短時間で結果が出ますが、感度はPCR検査に劣ります。PCR検査は、より正確な結果が得られますが、結果が出るまでに時間がかかることがあります。最近では、自宅でできる自己検査キット(抗原検査)も市販されています。

  1. インフルエンザ検査:
    • 迅速検査キット(鼻・喉のぬぐい液)
    • 結果判明まで:数分~15分程度
  2. 新型コロナウイルス検査:
    • 抗原検査(鼻・喉のぬぐい液、唾液)
    • PCR検査(鼻・喉のぬぐい液、唾液)
    • 結果判明まで:抗原検査は15分~30分程度、PCR検査は数時間~数日

また、インフルエンザと新型コロナウイルスの同時検査が可能なキットも登場しています。

インフルとコロナの違い:治療法と予防策

インフルエンザと新型コロナウイルスの治療法と予防策にも、インフルとコロナの違いが関係しています。

インフルエンザの治療では、抗インフルエンザ薬が使用されることがあります。これらの薬は、発症後48時間以内に服用を開始すると効果的とされています。また、対症療法として、解熱鎮痛剤や咳止めなどが処方されることもあります。予防策としては、インフルエンザワクチンの接種が最も効果的です。

新型コロナウイルス感染症の治療では、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬が使われることがあります。重症化リスクのある方や重症化した方に対して、これらの薬が処方されます。また、対症療法も行われます。予防策としては、新型コロナウイルスワクチンの接種、マスクの着用、手洗い、うがい、換気といった基本的な感染対策が重要です。

インフルエンザ 新型コロナウイルス
主な治療薬 抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザなど) 抗ウイルス薬(パキロビッド、ラゲブリオなど)、対症療法
主な予防策 インフルエンザワクチン接種、手洗い・うがい、咳エチケット 新型コロナワクチン接種、マスク着用、手洗い・うがい、換気、ソーシャルディスタンス

どちらの感染症も、早期発見・早期治療、そして何よりも感染しないための予防が大切です。

インフルエンザと新型コロナウイルス感染症は、症状や感染経路、重症化リスクなどに様々な違いがあります。これらのインフルとコロナの違いを理解し、ご自身の体調の変化に注意を払うことで、より適切に対処することができます。もし、発熱や咳などの症状が現れた場合は、自己判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。

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