15a と 20a の 違い:電気の「強さ」を理解しよう!

電気の配線や家電製品を選ぶ際に、「15A」や「20A」という表示を目にすることがありますよね。この「A」はアンペアという電流の大きさを表す単位で、15Aと20Aの違いは、簡単に言うと「電気の流れる量」の違いです。この違いを理解することは、安全に電気を使う上でとても大切なんです。今回は、この 15a と 20a の 違い について、分かりやすく解説していきます。

ブレーカーの役割と15A・20Aの関係

まず、家の中の電気は、壁に付いている「ブレーカー」という装置で守られています。ブレーカーは、電気を使いすぎたり、ショート(電線が直接触れてしまうこと)したりして、大きな電流が流れたときに、電気を遮断してくれる安全装置です。まるで、体調が悪くなったら自動で休んでくれるロボットみたいですね。このブレーカーには、流せる電流の量によって種類があり、15A用や20A用といったものがあるのです。

15Aのブレーカーは、最大で15アンペアまでの電流を流すことができます。一方、20Aのブレーカーは、最大で20アンペアまでの電流を流すことが可能です。つまり、20Aの方がより多くの電気を一度に流せる、ということになります。

  • 15Aブレーカー:最大15AまでOK
  • 20Aブレーカー:最大20AまでOK

この許容できる電流の量が、15a と 20a の 違いの最も基本的な部分です。 家電製品をたくさん使う部屋や、消費電力の大きい家電製品を設置する場所では、より大きなアンペア数に対応できるブレーカーが必要になります。

家電製品の消費電力とアンペア数

では、私たちが普段使っている家電製品は、どれくらいのアンペア数を使っているのでしょうか?家電製品の多くには、「消費電力」がワット(W)という単位で表示されています。この消費電力とアンペア数は、簡単な計算で関係づけることができます。

一般的に、家庭で使われる電圧は100V(ボルト)です。電流(A)× 電圧(V)= 消費電力(W)という関係があるので、消費電力を電圧で割れば、おおよそのアンペア数を計算できます。

例えば、1000Wの電子レンジを100Vのコンセントで使う場合、

  1. 1000W ÷ 100V = 10A

となります。つまり、この電子レンジは10Aの電流を使うということですね。

家電製品 おおよその消費電力 おおよそのアンペア数 (100Vの場合)
ドライヤー 1200W 12A
エアコン 800W~1500W 8A~15A
テレビ 100W 1A

コンセントのアンペア数と配線の安全性

コンセントにも、実は流せるアンペア数の限界があります。一般的に、家庭のコンセントは15Aまで流せるようになっています。しかし、最近では20Aまで対応できるコンセントも増えてきています。ここで注意したいのは、 コンセントのアンペア数と、それに繋がっている配線(電線)の太さが重要だということです。

もし、15Aまでしか対応していない配線に、20Aの電流を流そうとすると、配線が熱を持ちすぎて火災の原因になることがあります。そのため、20Aのコンセントを使う場合は、それに対応した太い配線が使われているかを確認する必要があります。

  • 一般的なコンセント:15Aまで
  • 20A対応コンセント:20Aまで

電気工事士でない人が、勝手に配線を変えたり、アンペア数の大きい家電製品を無理に接続したりするのは大変危険です。

アンペア設定の変更とその注意点

「もっと電気を使いたい!」と思ったとき、ブレーカーのアンペア数を上げることができる場合があります。例えば、契約アンペアが15Aから20Aに変わることで、より多くの家電製品を同時に使うことができるようになります。これは、電力会社との契約内容を変更することで行われます。

しかし、アンペア数を上げる際には、いくつか注意点があります。

  1. 配線の確認: 家全体の電気配線が、上げたアンペア数に対応できるか確認が必要です。古い家では、配線が細くて対応できない場合もあります。
  2. 電気料金: 契約アンペア数が上がると、基本料金も高くなることがあります。
  3. 専門家への相談: アンペア設定の変更は、必ず電力会社に相談し、必要であれば電気工事士に依頼しましょう。

無計画にアンペア数を上げると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。

特定の家電製品とアンペア数の関係

特に消費電力の大きい家電製品、例えばドライヤーや電子レンジ、エアコン、IHクッキングヒーターなどは、一度にたくさんの電流を使います。これらの製品を安全に使うためには、その製品の消費電力と、コンセントやブレーカーのアンペア数を確認することが重要です。

例えば、15Aのコンセントで、12A使うドライヤーと10A使う電子レンジを同時に使おうとすると、合計で22Aになってしまい、ブレーカーが落ちてしまう可能性があります。

  • ドライヤー(12A)+ 電子レンジ(10A)= 22A
  • 15Aブレーカーでは、この合計22Aは流せません。

このように、15a と 20a の 違いを意識することで、家電製品の使いすぎによるトラブルを防ぐことができます。

アンペアブレーカーと漏電ブレーカーの違い

ブレーカーには、主に「アンペアブレーカー」と「漏電ブレーカー」の2種類があります。アンペアブレーカーは、先ほど説明したように、電流が設定値を超えると電気を遮断するものです。一方、漏電ブレーカーは、電気が本来流れるべき道(電線)から外れて漏れてしまったときに、それを感知して電気を遮断する安全装置です。

15Aや20Aという数字は、主にこのアンペアブレーカーの定格電流を表しています。

ブレーカーの種類 役割 15A・20Aとの関係
アンペアブレーカー 過電流(使いすぎ)による遮断 定格電流(15A、20Aなど)
漏電ブレーカー 漏電による感電・火災の防止 電流値とは直接関係ない

どちらのブレーカーも、安全な電気生活には欠かせないものです。

まとめ:15a と 20a の 違いを理解して、賢く電気を使おう!

15Aと20Aの違い、そしてそれが私たちの電気生活にどう影響するのか、少しでも理解が深まったでしょうか?簡単にまとめると、15Aは「標準的な電気の量」、20Aは「それよりも多い電気の量」を扱えるということです。

家電製品を選ぶとき、コンセントの数や場所、そしてブレーカーの容量を少し意識するだけで、安全で快適な電気生活を送ることができます。もし、電気のことで不安なことがあれば、専門家である電気工事士さんや電力会社に相談することをおすすめします。

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