生理 前 症状 と 妊娠初期 症状 の 違い、見分け方と注意点

「もしかして妊娠したかも?」そんな期待や不安を抱いた時、まず気になるのは「生理前の症状と妊娠初期の症状の違い」ですよね。この二つは、体の変化として似ている部分も多いため、見分けるのが難しいこともあります。しかし、そのわずかな違いを知っておくことで、自分の体のサインをより正確に理解できるようになります。ここでは、生理前の症状と妊娠初期の症状の違いを、分かりやすく解説していきます。

似ているようで違う!症状のポイント

生理前の症状(月経前症候群:PMS)も、妊娠初期の症状も、ホルモンバランスの変化によって引き起こされるため、共通する症状が多く見られます。例えば、イライラや気分の落ち込み、眠気、だるさ、頭痛、腰痛、お腹の張りなどは、どちらの時期にも現れる可能性があります。 しかし、これらの症状の現れ方や持続期間、そしてその他の特徴的な症状の有無が、生理前の症状と妊娠初期の症状の違いを判断する上で重要な手がかりとなります。

生理前の症状は、一般的に生理が始まる数日前から現れ、生理が始まると徐々に軽減していくという特徴があります。一方、妊娠初期の症状は、生理予定日を過ぎても症状が続いたり、新たな症状が現れたりすることが多いです。さらに、妊娠特有の症状もいくつか存在します。

  • 共通の症状例:
    • イライラ、気分の落ち込み
    • 眠気、だるさ
    • 頭痛、腰痛
    • お腹の張り
    • 吐き気(妊娠初期の方が強い傾向)
  • 生理前の症状に多い特徴:
    • 生理開始とともに軽減する
    • 乳房の張りや痛みが生理前がピーク
  • 妊娠初期の症状に多い特徴:
    • 生理予定日を過ぎても症状が続く
    • つわり(吐き気、嘔吐)
    • 頻尿
    • 食の好みの変化
    • 少量の出血(着床出血)

見分けるための鍵:生理予定日との関係

生理前の症状と妊娠初期の症状を見分ける上で、最も分かりやすい目安となるのが「生理予定日」との関係です。生理前の症状は、生理が近づいているサインとして現れます。そのため、生理予定日が近づくと症状が現れ、生理が始まると自然と落ち着いていきます。

一方、妊娠している場合は、生理が来ないことが妊娠の兆候となります。そのため、生理予定日を過ぎても生理が来ず、かつ妊娠初期特有の症状が見られる場合は、妊娠の可能性が高まります。生理予定日を過ぎても症状が続く、あるいは症状が強まるようであれば、妊娠の可能性を疑ってみると良いでしょう。

生理予定日からの経過で、症状を比較してみましょう。

時期 生理前の症状 妊娠初期の症状
生理予定日周辺 症状が現れ、生理開始とともに軽減 症状が現れる、または生理が来ない
生理予定日を過ぎて 症状はほとんどなくなる 症状が続く、または強まる、新しい症状が出現

生理前の症状:PMSとは?

生理前の症状、いわゆるPMS(月経前症候群)は、生理が始まる前の約1~2週間の間に現れる心や体の不調のことです。これは、生理周期に伴うホルモン(特にプロゲステロンやエストロゲン)の変動が原因で起こると考えられています。

PMSの症状は多岐にわたり、個人差も大きいです。主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 精神的な症状:
    • イライラ、怒りっぽくなる
    • 気分の落ち込み、不安感
    • 集中力の低下
    • 眠気、または不眠
  2. 身体的な症状:
    • 頭痛、肩こり
    • 腹痛、腰痛
    • お腹の張り、むくみ
    • 乳房の張りや痛み
    • ニキビ
    • 食欲の変化(甘いものが食べたくなるなど)

これらの症状は、生理が始まると嘘のように消えることが多いのが特徴です。もし、これらの症状が日常生活に支障をきたすほど辛い場合は、PMSの改善策を検討することも大切です。

妊娠初期の症状:代表的なサイン

妊娠初期の症状は、妊娠が成立し、体が赤ちゃんを育む準備を始めるために起こります。こちらもホルモンの影響が大きいですが、生理前の症状とは異なる特徴を持つものがあります。

妊娠初期に現れる代表的な症状は以下の通りです。

  • 生理が来ない: これは最も分かりやすい妊娠の兆候です。生理周期が規則的な方は、生理予定日を過ぎても来ない場合は妊娠を疑いましょう。
  • つわり: 妊娠初期に最も特徴的な症状の一つです。吐き気、嘔吐、食欲不振、食べ物の好みが変わる、特定の匂いがダメになるなど、様々な形で現れます。
  • 頻尿: 妊娠すると、子宮が大きくなることで膀胱が圧迫されたり、ホルモンの影響で尿量が増えたりするため、頻尿になることがあります。
  • 眠気やだるさ: 体が妊娠を維持するためにエネルギーを使っているため、強い眠気やだるさを感じやすくなります。これはPMSとも共通しますが、妊娠初期の方がより顕著に現れることがあります。
  • 着床出血: 受精卵が子宮内膜に着床する際に、少量の出血が見られることがあります。生理の出血とは異なり、鮮血ではなく茶色っぽい色をしていることが多いです。生理予定日より少し前に現れることもあります。

これらの症状は、妊娠初期には共通して見られるものですが、個人差があります。全ての症状が現れるわけではありませんし、症状の強さも人それぞれです。

症状の比較表:さらに詳しく見てみよう

生理前の症状と妊娠初期の症状は、表にまとめるとより違いが分かりやすくなります。以下の表を参考に、ご自身の体の変化をチェックしてみてください。

症状 生理前の症状(PMS) 妊娠初期の症状 見分けるポイント
生理 予定通り、または多少の遅れで来る 来ない(遅れる) 最も確実なサイン
吐き気・嘔吐(つわり) ほとんどない、または軽度 強い吐き気、嘔吐を伴うことがある 妊娠初期に特徴的
眠気・だるさ ある程度感じる 非常に強い眠気、だるさを感じることが多い 妊娠初期の方が持続的・強め
食の好み 甘いものへの欲求など、普段と似た傾向 急に特定のものが食べたくなる、または食べられなくなる 妊娠初期は変化が大きい
乳房の張り・痛み 生理前がピークで、生理開始とともに軽減 妊娠初期も続く、または強くなることがある 生理開始後の変化に注目
出血 生理の出血 着床出血(少量、茶色っぽい)がある場合も 出血の色、量、時期で判断

いつ病院に行くべき?

生理前の症状や妊娠初期の症状は、一時的なものが多いですが、注意が必要な場合もあります。もし、以下のような場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

  1. 妊娠の可能性が高い場合: 生理予定日を過ぎても生理が来ず、妊娠初期症状がある場合は、妊娠検査薬を使用したり、産婦人科を受診して妊娠しているか確認しましょう。
  2. 症状が重く、日常生活に支障が出る場合: PMSがひどくて日常生活を送るのが辛い場合や、妊娠初期症状(特にひどいつわり)で水分も取れないような場合は、我慢せずに医師に相談しましょう。
  3. いつもと違う症状がある場合: 激しい腹痛、異常な出血、高熱など、普段経験したことのないような症状が現れた場合は、何らかの異常が考えられますので、すぐに受診してください。

妊娠の確定診断や、症状に対する適切なアドバイスは、専門家である医師にしかできません。不安な時は、一人で悩まずに相談することが大切です。

生理前の症状と妊娠初期の症状の違いを理解することは、ご自身の体の変化に気づき、適切な対応をするための第一歩です。どちらの症状にも共通する部分が多いからこそ、生理予定日との関係や、妊娠初期特有の症状に注目することが大切です。もし「もしかして?」と思ったら、まずは落ち着いて体のサインを観察し、必要であれば専門家の力を借りましょう。

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