知っておきたい! 心臓 血管 外科 と 循環 器 内科 の 違いとそれぞれの役割

「最近、胸がドキドキするんだよなぁ…」とか「足がむくむんだけど、これって大丈夫かな?」なんて思ったことはありませんか? そんな時、病院に行こうと思っても、「心臓とか血管の病気って、どっちの科に行けばいいんだろう?」と迷うことがありますよね。今回は、そんな疑問を解消するために、 心臓 血管 外科 と 循環 器 内科 の 違い と、それぞれの科がどんな病気を診てくれるのか、わかりやすく解説していきます。

病気の原因と治療法の違い:切る?それとも薬で治す?

心臓や血管の病気と一言で言っても、その原因や治し方は様々です。ここで、心臓 血管 外科 と 循環 器 内科 の 違い がはっきりしてきます。簡単に言うと、 外科は「切ったり、つないだり」する処置を得意とし、内科は「薬やカテーテル(細い管)を使って」治療する のが得意なんです。

例えば、心臓の血管が詰まってしまう「心筋梗塞」や、心臓の弁が悪くなってしまう病気など、状態によっては手術が必要になります。その場合、心臓 血管 外科 が活躍します。手術は、患者さんの体への負担をできるだけ少なくするために、最新の技術が使われています。

一方、高血圧やコレステロールが高い状態、不整脈など、生活習慣が原因で起こることが多い病気は、まず内科的な治療から始めることが多いです。内科では、お薬を処方したり、生活習慣の改善をアドバイスしたり、カテーテルという細い管を使って血管を広げる治療(カテーテル治療)などを行ったりします。これらの治療法は、患者さんの状態に合わせて、きめ細かく調整されていきます。

主な治療法
心臓 血管 外科 手術(バイパス手術、弁置換術など)
循環 器 内科 薬物療法、カテーテル治療(バルーン拡張術、ステント留置術など)

症状で見る!どちらの科にかかればいい?

さて、具体的にどんな症状が出たら、どちらの科を疑うべきなのでしょうか? これは、病気の進行度や原因によっても変わってくるので、あくまで目安ですが、考えてみましょう。

例えば、突然の激しい胸の痛み、息切れ、冷や汗などが現れた場合は、緊急性が高い可能性があります。このような症状は、心筋梗塞や重度の狭心症などが考えられ、 すぐに専門的な診断と治療が必要 です。まずは救急外来や、かかりつけ医に相談し、指示を仰ぐことが大切です。

  • 循環 器 内科 を疑うサイン:
  • ・健康診断で血圧やコレステロールの値が高いと指摘された
  • ・階段を上ると息が切れる、動悸がする
  • ・足がむくむ、冷える
  • ・時々、胸が締め付けられるような痛みを感じる

これらの症状は、慢性的な血管の詰まりや心臓の機能低下などが原因かもしれません。内科的な治療で改善する可能性が高いです。

病気の原因とメカニズム:なぜ病気になるのか?

心臓や血管の病気は、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こります。その原因やメカニズムを理解することは、予防にもつながります。

  • 生活習慣病:
    1. 高血圧: 血管に常に高い圧力がかかり、血管が傷つきやすくなります。
    2. 脂質異常症(高コレステロール血症): 血液中の悪玉コレステロールが増え、血管の壁にプラーク(油の塊)ができやすくなります。
    3. 糖尿病: 血糖値が高い状態が続くと、血管がもろくなり、詰まりやすくなります。
    4. 喫煙: ニコチンが血管を収縮させ、一酸化炭素が酸素を運ぶ能力を低下させます。
  • 遺伝的要因: 家族に心臓病や血管の病気をされた方がいる場合、発症しやすくなることもあります。
  • 加齢: 年齢とともに血管は硬くなり、機能が低下してくることも病気のリスクを高めます。

これらの要因が重なることで、血管が狭くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)、弾力性を失ったり(動脈硬化)して、様々な病気を引き起こします。

心臓 血管 外科 が得意とする手術

心臓 血管 外科 では、内科的な治療だけでは改善が難しい、より重症な状態に対して、手術という形で直接的な治療を行います。 手術は、患者さんの命を救い、生活の質を大きく改善させる可能性を秘めています。

  1. 冠動脈バイパス手術: 心臓の血管(冠動脈)が詰まってしまった場合に、詰まった部分を迂回するように、体の別の場所から採った血管をつないで血流を回復させる手術です。
  2. 弁膜症手術: 心臓の弁が開きにくくなったり(狭窄)、閉じにくくなったり(閉鎖不全)して、血液の流れが悪くなる病気に対して、傷んだ弁を修復したり、人工弁に置き換えたりする手術です。
  3. 大動脈瘤手術: 体の中心を走る太い血管である大動脈が、コブのように膨らんでしまう(大動脈瘤)場合に、破裂を防ぐために人工血管に置き換える手術です。

これらの手術は、高度な技術と経験が求められるものであり、専門の医師チームによって行われます。

循環 器 内科 の診断と治療法

循環 器 内科 は、心臓や血管の病気を「内側から」アプローチして診断・治療する科です。薬物療法や、身体への負担が少ないカテーテル治療が中心となります。

  • 主な診断方法:
    • 心電図:心臓の電気的な活動を記録し、不整脈などを調べます。
    • 超音波検査(心エコー):心臓の動きや弁の状態、血液の流れなどをリアルタイムで確認します。
    • 血液検査:心臓の負担の程度や、コレステロール、血糖値などを調べます。
    • レントゲン検査:心臓の大きさや、肺に水が溜まっていないかなどを確認します。
  • 主な治療法:
    • 薬物療法:降圧薬、コレステロールを下げる薬、抗不整脈薬など、症状や原因に合わせて様々な薬が使われます。
    • カテーテル治療:
      • バルーン拡張術:狭くなった血管を風船で広げます。
      • ステント留置術:広げた血管が再び狭まらないように、金属の筒(ステント)を留置します。

これらの治療によって、病気の進行を抑えたり、症状を和らげたりすることを目指します。

心臓 血管 外科 と 循環 器 内科 の連携

心臓 血管 外科 と 循環 器 内科 は、それぞれ専門分野は異なりますが、患者さんにとって最善の治療を提供するために、密接に連携しています。 この連携こそが、患者さんの早期回復と予後を大きく左右する のです。

例えば、循環 器 内科 でカテーテル治療を行った結果、さらに高度な手術が必要と判断された場合、速やかに心臓 血管 外科 へ紹介されます。逆に、心臓 血管 外科 で手術を受けた後も、術後の管理や再発予防のために、循環 器 内科 で継続的なフォローアップが行われます。

このように、専門医同士が情報を共有し、患者さんの状態を多角的に判断することで、一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療計画が立てられます。

まとめ:専門医に相談しよう!

心臓 血管 外科 と 循環 器 内科 の 違い について、ご理解いただけたでしょうか? どちらの科にかかるべきか迷った場合は、まずはかかりつけ医に相談するのが一番です。専門医が、あなたの症状や状態を丁寧に診察し、適切な科への紹介や、あなたに合った治療法を提案してくれます。心臓や血管の健康は、私たちの生活の質を大きく左右します。気になる症状があれば、ためらわずに専門医に相談しましょう。

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