家庭やオフィスでインターネットを使う上で、「ルーター」と「ハブ」という言葉を耳にすることが多いと思いますが、一体何が違うのでしょうか？ 今回は、この「ルーター と ハブ の 違い」を分かりやすく解説し、それぞれの役割を理解することで、より快適なネットワーク環境を築けるようになりましょう！
ルーターとハブの決定的な違い：役割で見抜く！
「ルーター と ハブ の 違い」を一番分かりやすく説明すると、ルーターは「交通整理」、ハブは「集会場」のようなものです。ルーターは、インターネットという大きな道路から、あなたの家やオフィスという小さな地域へ、どの情報（データ）をどこに届けるかを判断してくれます。一方、ハブは、同じ地域内にいる複数のパソコンやスマホが、お互いに情報をやり取りするための「橋渡し」をしてくれます。
この「どこに届けるか」を判断できるかどうかが、ルーターとハブの最も重要な違いです。
- ルーターの役割：
- インターネット回線と家庭・オフィス内ネットワークを接続します。
- IPアドレスという住所を各機器に割り当て、データの行き先を管理します。
- 外部からの不正アクセスを防ぐセキュリティ機能（ファイアウォール）を持つものが多いです。
- ハブの役割：
- 同じネットワーク内の機器同士でデータをやり取りするのを助けます。
- シンプルに、たくさんのケーブルを接続するための「分岐器」のような働きをします。
- ルーターのように、インターネットへの接続や、外部との通信を制御する機能はありません。
| 機能 | ルーター | ハブ |
|---|---|---|
| インターネット接続 | 〇（必須） | × |
| IPアドレス管理 | 〇 | × |
| 機器間通信の仲介 | △（機能として含まれる場合も） | 〇（主機能） |
ルーターの賢い働き：インターネットへの扉を開く
ルーターは、インターネットという広大な世界と、あなたのプライベートなネットワークをつなぐ、まさに「玄関」の役割を果たします。インターネットから届いたデータが、どのパソコンやスマホに届くべきかを判断し、的確に送り届けてくれるのです。これは、IPアドレスという各機器に割り当てられた「電話番号」のようなものを管理することで可能になります。
例えば、あなたがウェブサイトを見たいと思ったとき、その情報はインターネット上からルーターに届きます。ルーターは、その情報がどの機器（あなたのパソコン）宛てかを判断し、あなたのパソコンにだけ届けるように指示します。逆に、あなたがパソコンからインターネットに情報を送るときも、ルーターがその情報を受け取り、インターネットへと送り出してくれるのです。
さらに、多くのルーターには「ファイアウォール」という機能が搭載されています。これは、インターネット上から来る、悪意のある通信や不要な通信をブロックしてくれる、まるで「門番」のような存在です。これにより、あなたのネットワークを外部の脅威から守ってくれるのです。
ルーターは、単にインターネットに接続するだけでなく、ネットワーク全体の安全と効率を保つための、非常に重要な役割を担っています。
ハブのシンプル機能：仲間との橋渡し役
ハブは、ルーターとは異なり、インターネットとの直接的な通信や、複雑なデータの仕分けを行う機能はありません。その主な役割は、同じネットワーク内にいる複数の機器同士が、お互いにスムーズに通信できるようにすることです。例えるなら、学校の教室で、友達同士が「ねえ、これ見て！」とノートを回したり、内緒の話をしたりするのを助けるような存在です。
ハブには、たくさんのLANケーブルを接続できるポート（差し込み口）があります。ここに、パソコン、プリンター、ゲーム機などを接続することで、それらの機器は互いに通信できるようになります。ハブは、ある機器から送られてきたデータを、接続されている他のすべての機器に「ばらまく」ような動作をします。ただし、賢いハブ（スイッチングハブ）では、宛先の機器が分かれば、その機器だけにデータを送るように効率化されています。
- ハブの種類：
- リピーターハブ： 信号を増幅して全てのポートに送ります。
- スイッチングハブ： 宛先を判別し、必要なポートにのみデータを送ります。効率的で、現在主流です。
ハブは、小規模なネットワーク内で、機器同士の連携をスムーズにするために不可欠な機器と言えるでしょう。
ルーターとハブの組み合わせ：これが基本形！
多くの場合、家庭やオフィスでは、ルーターとハブが組み合わせて使われています。インターネット回線からモデム（またはONU）を通してルーターに接続され、ルーターがIPアドレスを割り当てて、インターネットへの接続を管理します。そして、ルーターのLANポートからハブに接続し、そのハブに複数のパソコンやスマホなどを接続して、ネットワークを拡張するという形です。
現代のルーターには、複数のLANポートが搭載されているものが多く、ハブとしての機能も兼ね備えている場合があります。この場合、ハブを別途用意する必要がないこともあります。しかし、接続したい機器の数が多い場合や、より広範囲にネットワークを構築したい場合は、ハブを増設することが一般的です。
- 接続例：
- インターネット回線 → モデム → ルーター → ハブ → 各機器
このように、ルーターとハブがそれぞれの得意な役割を果たすことで、安全で快適なネットワーク環境が実現されるのです。
ルーターの賢い機能：Wi-Fiで無線LANも！
最近のルーターは、有線LAN接続だけでなく、Wi-Fi（無線LAN）機能も搭載しているものがほとんどです。これは、ルーターが電波を発信し、スマホやタブレット、ノートパソコンなどをケーブルなしでインターネットに接続できるようにする機能です。これにより、部屋のどこにいても、あるいは移動しながらでも、インターネットが利用できるようになり、非常に便利になりました。
- Wi-Fiルーターの仕組み：
- ルーターがインターネットからのデータを受信します。
- そのデータを無線電波に乗せて、Wi-Fi対応機器に送信します。
- Wi-Fi対応機器からのデータも、無線電波で受信し、ルーターがインターネットへ送信します。
Wi-Fi機能があることで、家庭内でのスマートフォンの利用はもちろん、リビングでタブレットを見たり、庭でパソコンを使ったりと、ネットワークの利用範囲が格段に広がります。Wi-Fiのパスワード設定をしっかり行うことで、セキュリティも保つことができます。
ハブの進化：スイッチングハブの活躍
昔のハブ（リピーターハブ）は、受け取ったデータを接続されている全ての機器に送っていたため、通信量が多くなると速度が遅くなるという欠点がありました。しかし、現在の主流である「スイッチングハブ」は、その名前の通り、通信を「切り替える」賢い機能を持っています。これは、データがどの機器宛てかを判断し、その機器にだけデータを送るように動作します。
このスイッチングハブのおかげで、複数の機器が同時に通信しても、お互いの通信を邪魔することなく、高速かつ効率的なデータ転送が可能になりました。例えば、あるパソコンがファイルサーバーから大きなデータをダウンロードしていても、別のパソコンでウェブサイトを見たり、動画をストリーミングしたりすることに影響が出にくくなります。
| 機能 | リピーターハブ | スイッチングハブ |
|---|---|---|
| データ送信先 | 全ポート | 宛先ポートのみ |
| 通信効率 | 低い | 高い |
| コリジョン（衝突） | 発生しやすい | 発生しにくい |
スイッチングハブの登場は、ネットワークのパフォーマンスを大きく向上させ、より快適なインターネット利用を可能にしました。
ルーターのセキュリティ機能：あなたのネットワークを守る盾
ルーターは、インターネットへの入り口であるため、外部からの不正アクセスや攻撃の標的になりやすい場所でもあります。そのため、多くのルーターには、ネットワークを守るための様々なセキュリティ機能が搭載されています。その中でも代表的なのが「ファイアウォール」機能です。
ファイアウォールは、許可されていない通信や、悪意のある通信を検知し、ブロックする役割を果たします。まるで、家の玄関にいる厳重な番人のように、怪しい訪問者をシャットアウトしてくれるのです。これにより、あなたのパソコンやスマートフォンが、外部から攻撃されたり、不正に情報を盗まれたりするリスクを減らすことができます。
- その他のセキュリティ機能例：
- NAT（Network Address Translation）： プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換し、内部ネットワークの情報を隠蔽します。
- VPNパススルー： VPN通信を許可し、安全なリモートアクセスを可能にします。
- DMZ（Demilitarized Zone）： 特定のサーバーを外部に公開する際に、他のネットワークとの間に隔離された領域を設けます。
これらのセキュリティ機能が、インターネットの安全な利用を支えています。
ハブの接続台数：どれくらい繋げるの？
ハブに接続できる機器の台数は、ハブのポート数によって決まります。一般的な家庭用ハブには、4ポート、8ポート、16ポートなどの種類があります。例えば、8ポートのハブであれば、最大で8台の機器を接続することができます。ただし、ルーターのLANポートも1台としてカウントされる場合があるので、注意が必要です。
もし、接続したい機器の数がハブのポート数を超えてしまった場合は、ハブを増設するか、よりポート数の多いハブに買い替える必要があります。例えば、8ポートのハブと4ポートのハブをルーターに接続することで、合計12台の機器を接続できるようになります。この場合、ルーターのLANポートの数も考慮して、接続できる総数を把握しておきましょう。
- 接続台数の考え方：
- ハブのポート数を確認する。
- ルーターのLANポート数も考慮する。
- 接続したい機器の総数と比較する。
- 必要に応じてハブの増設や買い替えを検討する。
将来的に接続したい機器の数も考慮して、少し余裕のあるポート数のハブを選ぶのがおすすめです。
まとめ：ルーターとハブの違いを理解して、快適なネットワークライフを！
ここまで、「ルーター と ハブ の 違い」について、それぞれの役割や機能、そしてその組み合わせについて詳しく見てきました。ルーターはインターネットとの橋渡し役であり、ハブは機器同士の通信を助ける役割を担っています。これらの機器を正しく理解し、適切に設置・設定することで、あなたのインターネットライフはより快適で安全なものになるはずです。ぜひ、この知識を活かして、ご自身のネットワーク環境を見直してみてください。