「MDGs」と「SDGs」、どちらも国際社会が目指す目標だけど、その「mdgs と sdgs の 違い」は意外と大きいんです。この二つを理解することは、私たちがこれからどんな世界を目指すべきかを知る上で、とても大切なんですよ。
目標設定と対象範囲におけるMDGsとSDGsの違い
MDGs（ミレニアム開発目標）は、2000年に国連で採択された、2015年までの8つの目標でした。主に開発途上国の貧困削減や基本的な生活環境の向上に焦点を当てていました。例えば、極度の貧困と飢餓の撲滅、初等教育の完全普及などが含まれていました。
- MDGsの主な目標例：
- 貧困と飢餓の撲滅
- 普遍的な初等教育の達成
- ジェンダー平等と女性のエンパワーメント
- 乳幼児死亡率の削減
- 感染症の蔓延防止
一方、SDGs（持続可能な開発目標）は、2015年に採択され、2030年までを目標期間とする17の目標と169のターゲットからなります。MDGsが開発途上国に主眼を置いていたのに対し、SDGsは先進国を含む全ての国が対象です。これは、地球規模の課題に、すべての人々が協力して取り組む必要があるという考え方が根底にあります。
SDGsは、MDGsよりもはるかに広範で包括的な目標設定がされている点が、mdgs と sdgs の違いとして最も重要です。 経済、社会、環境という3つの側面を統合的に捉え、持続可能な社会の実現を目指しています。
「誰一人取り残さない」という理念の違い
MDGsは、残念ながら目標達成において十分な成果が得られなかった分野もありました。そこで、SDGsでは「誰一人取り残さない（Leave No One Behind）」という理念が強く打ち出されています。これは、社会的に弱い立場にある人々や、開発から取り残されがちな人々にも目を向け、すべての人々が恩恵を受けられるようにしようという考え方です。
例えば、SDGsには以下のような目標が含まれています。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
このリストからもわかるように、SDGsは、環境問題や平和、パートナーシップといった、MDGsではあまり強調されなかった分野にも踏み込んでいます。これらの目標は、相互に関連し合っており、一つの目標を達成するためには、他の目標の達成も不可欠となるように設計されています。
MDGsが「開発」という側面を強く意識していたのに対し、SDGsは「持続可能性」という視点をより重視しています。これは、将来世代のことも考えた、より長期的な視点に立った目標設定と言えるでしょう。
対象国と責任の違い
MDGsは、主に先進国から開発途上国への支援という側面が強かったのですが、SDGsでは、先進国、開発途上国、新興国といったすべての国が、それぞれの状況に応じて目標達成に向けて取り組むことが求められています。これは、地球規模の課題には、国境を越えた協力と、すべての国が主体的に関わることが不可欠であるという認識に基づいています。
具体的には、以下のような違いがあります。
| 項目 | MDGs | SDGs |
|---|---|---|
| 対象国 | 主に開発途上国 | すべての国（先進国、開発途上国、新興国） |
| 責任 | 先進国からの支援 | すべての国が主体的に取り組む |
この「責任の共有」という考え方は、mdgs と sdgs の違いを理解する上で非常に重要なポイントです。
目標の数と具体性における違い
MDGsは8つの目標と21のターゲットで構成されていましたが、SDGsは17の目標と169のターゲットという、より具体的で詳細な目標設定がされています。この数の多さは、SDGsがいかに多岐にわたる課題に取り組もうとしているかを示しています。また、各ターゲットには、達成度を測るための具体的な指標（インジケーター）が設定されており、進捗状況を客観的に把握しやすくなっています。
例えば、SDGsの「人や国の不平等をなくそう」という目標一つをとっても、所得格差、機会均等、社会的保護、移民・移住労働者の権利保護など、様々な側面から具体的なターゲットが設定されています。
このように、mdgs と sdgs の違いとして、目標の網羅性と具体性が格段に向上している点が挙げられます。これにより、より効果的な施策の立案と実行が可能になります。
環境問題への取り組みの違い
MDGsでは、環境問題への言及は比較的少なく、貧困削減や保健医療といった人々の生活に直接関わる部分が中心でした。しかし、SDGsでは、「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」といったように、環境問題が独立した目標として設定されており、その重要性が強く認識されています。これは、地球環境の悪化が、貧困や健康問題など、他の様々な課題にも深刻な影響を与えるという理解が深まったことによります。
mdgs と sdgs の違いとして、環境問題への取り組みが、より具体的かつ包括的になっていることがわかります。
経済・社会・環境の統合性における違い
MDGsは、主に社会的な開発目標に焦点を当てていましたが、SDGsでは、経済、社会、環境の3つの側面が相互に深く関連していることを前提に、統合的に目標が設定されています。つまり、経済成長だけを追求しても、環境を破壊したり、社会的な格差を広げたりしては、持続可能な社会は実現できないという考え方です。この「統合性」は、mdgs と sdgs の違いを理解する上での核となる部分です。
例えるなら、MDGsは「病気を治す」ことに重点を置いていたとすれば、SDGsは「健康な生活習慣を身につけ、病気にならない体を作る」という、より根本的なアプローチと言えます。
パートナーシップの重要性における違い
MDGsでは、国際社会からの支援が中心的な役割を担っていましたが、SDGsでは、「パートナーシップで目標を達成しよう」という目標17が掲げられ、政府、企業、市民社会、個人など、あらゆる主体が協力して目標達成に向けて行動することが重要視されています。これは、複雑化する現代社会の課題に対して、単一の主体だけでは解決が難しいという認識から来ています。
mdgs と sdgs の違いとして、目標達成のための「協力体制」がより重視されている点が挙げられます。
MDGsとSDGs、それぞれの特徴を理解することで、私たちが目指すべき未来の姿がより鮮明に見えてくるはずです。どちらも、より良い世界を作るための大切なステップであり、その違いを把握することは、私たちの行動にも繋がるでしょう。