パソコン選びで迷ったときに、よく目にする「Core i3」と「Core i5」。この二つの違いって、一体何だろう？と疑問に思ったことはありませんか？今回は、この「i3 と i5 の 違い」を分かりやすく、そして詳しく解説していきます。どちらがあなたの目的に合っているのか、じっくり見ていきましょう。
コア数とスレッド数：処理能力の土台
i3 と i5 の違いを語る上で、まず知っておきたいのが「コア数」と「スレッド数」です。CPUの中には、計算を担当する小さな頭脳がたくさん入っていて、それが「コア」です。コアが多いほど、一度にたくさんの仕事をこなせるようになります。一方、「スレッド」は、それぞれのコアが同時に処理できる仕事の数のようなものです。例えるなら、コアが職人さんの数、スレッドが職人さんが同時に持てる作業道具の数、といったイメージです。
一般的に、Core i3 は Core i5 よりもコア数やスレッド数が少ない傾向にあります。これは、i3 が日常的な作業や軽いゲームなど、それほど多くの処理能力を必要としない用途を想定しているのに対し、i5 はより複雑な作業や本格的なゲームにも対応できるように設計されていることを意味します。
具体的には、以下のような違いが見られます。
- Core i3: 比較的少ないコア数とスレッド数で、Web閲覧、メール、動画視聴、簡単な文書作成などが快適
- Core i5: Core i3 よりも多くのコア数とスレッド数を持ち、複数ソフトの同時利用、軽めの画像編集、中程度のゲームなどがスムーズ
クロック周波数：仕事のスピード
「クロック周波数」も、CPUの性能を左右する重要な要素です。これは、CPUが1秒間にどれだけ多くの計算処理を行えるかを示す指標で、単位はギガヘルツ（GHz）で表されます。クロック周波数が高いほど、CPUはより速く仕事をこなすことができます。
一般的に、同じ世代のCPUであれば、Core i5 の方が Core i3 よりもクロック周波数が高い傾向にあります。これは、i5 がより高いパフォーマンスを発揮できるように、処理速度を重視して設計されているためです。ただし、クロック周波数だけで性能が決まるわけではなく、コア数やキャッシュメモリなども総合的に考慮する必要があります。
ここで、クロック周波数に関する情報を表にまとめてみましょう。
| CPU | 目安となるクロック周波数（世代による） |
|---|---|
| Core i3 | 3.0 GHz ～ 4.0 GHz 程度 |
| Core i5 | 3.5 GHz ～ 4.5 GHz 程度 |
この表からもわかるように、i5 の方が一般的にクロック周波数が高めであることが推測できます。
キャッシュメモリ：作業効率を上げる秘密の道具箱
「キャッシュメモリ」という言葉を聞いたことがありますか？これは、CPUが頻繁に使うデータを一時的に保存しておくための、とても高速なメモリのことです。例えるなら、作業机の引き出しのようなものです。机の引き出しにいつも使う道具を入れておけば、棚まで取りに行く手間が省けて、作業がずっと効率的になりますよね。CPUも同じで、キャッシュメモリにデータを置いておくことで、処理速度を大幅に向上させることができます。
Core i3 と Core i5 の違いでも、このキャッシュメモリの容量が関係してきます。一般的に、Core i5 の方が Core i3 よりもキャッシュメモリの容量が大きいです。つまり、i5 はより多くのデータを手元に置いておくことができるため、複雑な処理や多くのデータを扱う場合に、その真価を発揮します。
キャッシュメモリの容量が多ければ多いほど、CPUは外部メモリ（メインメモリ）にアクセスする回数を減らすことができます。この「外部メモリへのアクセス頻度を減らす」という点が、処理速度に大きく影響するのです。そのため、Core i5 が Core i3 よりも高速な動作を実現できる理由の一つとして、キャッシュメモリの優位性が挙げられます。
キャッシュメモリの役割を整理すると、以下のようになります。
- CPUが頻繁に使うデータを一時保存する。
- CPUの処理速度を向上させる。
- Core i5 は Core i3 よりも一般的に容量が大きい。
- これにより、よりスムーズで高速な動作が可能になる。
内蔵グラフィックス：映像処理の能力
最近のCPUには、「内蔵グラフィックス」といって、映像を画面に映し出すための機能が搭載されています。これは、独立したグラフィックボード（GPU）を搭載していないパソコンで、映像をきれいに表示するために重要な役割を果たします。i3 と i5 の違いも、この内蔵グラフィックスの性能に現れることがあります。
一般的に、Core i5 に搭載されている内蔵グラフィックスは、Core i3 のものよりも高性能です。これにより、動画視聴はもちろん、ある程度の画質設定であれば、軽いゲームや簡単な画像編集なども、より快適に楽しむことができます。もし、パソコンでゲームをしたり、動画編集をしたりする予定があるなら、内蔵グラフィックスの性能も考慮に入れると良いでしょう。
内蔵グラフィックスの性能差を、以下のようなリストで確認してみましょう。
- Core i3: Web閲覧や動画視聴など、基本的な映像表示に対応。
- Core i5: Core i3 よりも高解像度の動画再生や、軽めの3Dゲームにも対応できる性能を持つ場合が多い。
価格帯：性能とコストのバランス
i3 と i5 の違いは、当然ながら価格にも影響します。一般的に、Core i5 は Core i3 よりも高性能であるため、価格も高くなる傾向があります。これは、より多くのコア数、高いクロック周波数、大容量のキャッシュメモリ、そして高性能な内蔵グラフィックスなど、CPUの性能を高めるための技術が投入されているためです。
パソコンを選ぶ際には、予算も重要な要素となります。もし、パソコンの主な用途がWeb閲覧やメール、文書作成といった基本的なものであれば、Core i3 でも十分な性能を発揮し、コストパフォーマンスに優れています。しかし、複数のソフトを同時に立ち上げたり、少し重めの作業をしたりする可能性がある場合は、Core i5 を検討する価値があります。
価格帯による主な違いを、以下にまとめました。
- Core i3搭載モデル: 比較的安価で、初めてのパソコンやサブ機におすすめ。
- Core i5搭載モデル: Core i3 より高価になるが、より幅広い用途に対応できるため、メイン機として長く使いたい場合に適している。
消費電力と発熱：静かで涼しいのはどちら？
CPUの性能が高くなると、それに伴って消費電力や発熱も増加する傾向があります。Core i3 と Core i5 の違いも、この点で見ることができます。一般的に、Core i5 は Core i3 よりも高性能であるため、消費電力や発熱もやや高めになります。
ただし、近年のCPUは省電力化が進んでおり、世代によってはその差がそれほど大きくない場合もあります。しかし、ノートパソコンのようにバッテリー駆動時間が重視される場合や、静音性を重視する場合には、消費電力や発熱の少ないCore i3 の方が有利になることもあります。もちろん、冷却性能が高いパソコンであれば、Core i5 でも問題なく動作します。
消費電力と発熱に関するポイントは以下の通りです。
| CPU | 傾向（消費電力・発熱） |
|---|---|
| Core i3 | 比較的低め |
| Core i5 | Core i3 よりやや高め |
まとめ：あなたに最適なのはどっち？
ここまで「i3 と i5 の 違い」について、コア数、クロック周波数、キャッシュメモリ、内蔵グラフィックス、価格、そして消費電力といった様々な観点から解説してきました。どちらのCPUが優れているということはなく、それぞれのCPUには得意な分野があります。あなたのパソコンに求める用途や、予算に合わせて、最適なCPUを選びましょう。もし迷ったら、迷わずCore i5 を選んでおけば、大抵の用途で満足できるはずです。