「要介護」と「要支援」、介護保険サービスを利用する上で、この二つの言葉の違いって、意外と知らなかったり、混同してしまったりすること、ありますよね。今日は、この「要 介護 と 要 支援 の 違い」を、みなさんにもっと身近に感じてもらえるように、分かりやすく解説していきます!
身体や心の状態が大きく影響!要 介護 と 要 支援 の違い
まず、一番大切なのは、この「要 介護」と「要支援」は、どちらも「日常生活を送る上で、何らかの支援が必要な状態」であることを理解することです。では、何が違うのかというと、それは「支援が必要な度合い」にあります。 この度合いによって、受けられるサービスの内容や量、そして利用できるサービスの種類が変わってくる のです。
簡単に言うと、
- 要支援 :日常生活の大部分は自分でできるけれど、一部(例えば、身だしなみを整える、買い物に出かけるなど)に少しだけ支援が必要な状態。
- 要介護 :食事、入浴、排泄など、日常生活の多くの部分で、自分一人では難しい状態。
というイメージです。この違いを理解することが、適切な介護保険サービスを受けるための第一歩となります。
具体的には、以下のような基準で判断されます。
- 身体機能の低下 :歩く、立つ、座るなどの動作が難しくなっているか。
- 認知機能の低下 :物忘れがひどい、時間や場所が分からなくなる、といった状況があるか。
- 日常生活動作(ADL)の困難さ :食事、着替え、入浴、排泄といった、生活を送る上で欠かせない動作がどの程度自分でできるか。
認定調査と主治医意見書で決まる!
「自分はどちらに当てはまるんだろう?」と疑問に思ったら、まずは市区町村の窓口に相談してみましょう。そこで、介護保険の申請手続きをすると、専門の調査員が自宅などを訪問して、あなたの日常生活の状況を詳しく聞き取り、身体の動きなどをチェックする「認定調査」が行われます。さらに、かかりつけのお医者さんに「主治医意見書」を作成してもらうことで、総合的に「要支援」か「「要介護」か、そしてその度合い(要支援1・2、要介護1~5)が判定されます。
この判定は、専門家の視点だけでなく、あなたの普段の生活の様子を正確に反映させることが大切です。そのため、以下のような情報があると、より正確な判定につながります。
- 普段、誰がどのような介助をしているか
- どのような時に、どのような手助けが必要か
- 病気や怪我の状況
家族や、普段から身の回りの世話をしてくれている人からの情報も、認定調査の際には非常に役立ちます。遠慮なく、普段の生活の様子を具体的に伝えましょう。
受けられるサービスの違いとは?
「要 介護 と 要 支援 の 違い」を理解した上で、最も気になるのが、実際に受けられるサービスの違いでしょう。これは、支援が必要な度合いが異なるため、提供されるサービスの内容や頻度、そして上限額も変わってきます。要支援と要介護では、利用できるサービスの種類も異なります。
例えば、
| 区分 | 受けられる主なサービス |
|---|---|
| 要支援 |
・訪問介護(生活援助中心)
・通所介護(デイサービス) ・地域密着型サービス(一部) |
| 要介護 |
・訪問介護(身体介護・生活援助)
・訪問入浴介護 ・通所介護(デイサービス) ・短期入所生活介護(ショートステイ) ・福祉用具貸与 ・住宅改修費支給 |
このように、要介護の方がより手厚い、身体に直接触れるようなサービスや、長期間の施設利用などが利用しやすくなっています。これは、日常生活における困難さが大きいほど、より多様で専門的な支援が必要になるためです。
サービス利用の限度額も変わる!
介護保険サービスには、月ごとに利用できる金額の上限(支給限度額)が定められています。この支給限度額は、「要 介護 と 要 支援 の 違い」によって異なります。要支援と要介護では、そもそも必要な支援の度合いが違うため、それに合わせて利用できるサービス費用も変わってくるのです。
- 要支援1・2 :月額約10万円程度
- 要介護1 :月額約16万円程度
- 要介護5 :月額約36万円程度
(※上記はあくまで目安であり、地域やサービス内容によって多少異なります。)
この支給限度額の範囲内であれば、利用したサービス費用の1割(所得によっては2割または3割)を自己負担することになります。限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分は全額自己負担となるため、ケアプランを作成する際に、この限度額を意識することが大切です。
ケアプラン作成でどう変わる?
「要 介護 と 要 支援 の 違い」によって、ケアマネージャー(介護支援専門員)が作成する「ケアプラン」の内容も大きく変わってきます。ケアマネージャーは、あなたの心身の状態や生活状況、そして希望を丁寧に聞き取り、利用できる介護保険サービスを組み合わせた、あなたに合ったケアプランを作成してくれます。
具体的には、
- 要望の聞き取り :どのような生活を送りたいか、どのような支援を希望するかなどを詳しく伺います。
- アセスメント :身体機能、認知機能、生活環境などを総合的に評価します。
- サービス計画の作成 :評価に基づいて、最適なサービス(訪問介護、デイサービス、福祉用具など)を組み合わせた計画を作成します。
- サービス事業所との連携 :計画に沿って、利用するサービス事業所と連絡を取り、利用調整を行います。
要支援の方であれば、地域包括支援センターの職員が中心となって、生活相談や、比較的軽度なサービス利用の支援を行ってくれることが多いです。一方、要介護の方になると、より専門的な知識を持つケアマネージャーが、より多様なサービスを組み合わせた、きめ細やかなプランを作成することになります。
まとめ:自分に合った支援を見つけるために
「要 介護 と 要 支援 の 違い」について、ご理解いただけたでしょうか?どちらも、あなたやあなたの家族が安心して生活を送るための大切な制度です。ご自身の状態や、家族の状況に合わせて、適切な支援を受けることが何よりも大切です。
もし、ご家族のことで「これってどうなんだろう?」と疑問に思ったら、まずは地域の包括支援センターや、市区町村の介護保険担当窓口に相談してみることをお勧めします。専門家が、あなたの状況に合わせたアドバイスをしてくれますよ。この情報が、皆さんの安心につながれば幸いです。