32 ビット と 64 ビット の 違い は? パソコンの基本をわかりやすく解説!

パソコンのスペックを見ていると、「32ビット」とか「64ビット」といった言葉を目にしませんか? 実は、この32ビットと64ビットの違いは、パソコンの性能やできることに大きく関わっています。今回は、この 32ビットと64ビットの違いは 、一体何なのかを、皆さんが理解できるように、やさしく解説していきます!

メモリー(RAM)の容量と速度に直結! 32ビットと64ビットの違いとは

まず、一番わかりやすい違いは、パソコンが一度に扱える「メモリー(RAM)」の量です。32ビットのシステムは、最大でも約4GBまでしかメモリーを認識できません。これは、たくさんのアプリを同時に開いたり、重たい作業をしたりする際に、すぐに「もうこれ以上は無理!」となってしまう原因になります。

一方、64ビットのシステムは、理論上、なんと16エクサバイト(1エクサバイトは10億ギガバイト!)ものメモリーを扱えるようになります。もちろん、現実のパソコンでそこまで必要になることはありませんが、一般的には128GBや256GBといった大容量のメモリーを積めるようになるため、より快適に、より多くの作業を同時にこなせるようになるんです。 このメモリー容量の差は、パソコンの動作速度や、できることの幅に直接影響します。

具体的に、メモリー容量の違いによる影響は以下のようになります。

  • 32ビット:
    • OSやアプリの起動に時間がかかることがある。
    • 複数のアプリケーションを同時に開くと、動作が重くなる。
    • 動画編集やゲームなど、大量のメモリーを必要とする作業が苦手。
  • 64ビット:
    • OSやアプリの起動が速い。
    • 多くのアプリケーションを同時に、スムーズに動かせる。
    • 高画質な動画編集や最新のゲームなど、高度な作業も快適に行える。

CPUの能力! 32ビットと64ビットの違いによる処理速度

32ビットと64ビットの違いは、メモリーだけでなく、CPU(パソコンの頭脳)が一度に処理できる情報量にも関わってきます。32ビットのCPUは、一度に32ビットのデータを処理できますが、64ビットのCPUは、一度に64ビットのデータを処理できます。これは、例えるなら、一度に運べる荷物の量が違うトラックのようなものです。

64ビットCPUは、より多くのデータを一度に運んで処理できるため、計算やデータ処理のスピードが格段に速くなります。特に、複雑な計算や大量のデータを扱うような場面では、その差は顕著に現れます。

この処理能力の違いは、以下のような場面で体感できます。

  1. アプリケーションの動作速度: 64ビットOSと64ビット対応アプリの組み合わせは、より高速に動作します。
  2. データ転送速度: 大容量のファイルをコピーしたり、インターネットからダウンロードしたりする速度も向上します。
  3. グラフィック性能: 3Dゲームや高画質な映像処理など、グラフィックを多用するアプリケーションのパフォーマンスが向上します。

ソフトウェアとの互換性! 32ビットと64ビットの違い

次に重要なのが、ソフトウェア、つまりアプリとの互換性です。現在、多くの新しいアプリは64ビットで開発されており、64ビットOSでしか動作しないものも増えています。これは、64ビットがより多くのメモリーを使えたり、CPUの性能を最大限に引き出せたりするため、より高機能で快適なアプリが作れるからです。

しかし、古いアプリの中には、32ビットでしか動作しないものもあります。64ビットOSでも、多くの場合32ビットアプリを動かすことはできますが、逆に32ビットOSでは64ビットアプリは一切動かせません。そのため、もし古いアプリをどうしても使いたい場合は、OSの選択に注意が必要です。

互換性について、まとめると以下のようになります。

  • 64ビットOS: 64ビットアプリはもちろん、ほとんどの32ビットアプリも動作可能。
  • 32ビットOS: 32ビットアプリのみ動作可能。64ビットアプリは一切動作しない。

OS(オペレーティングシステム)の選択! 32ビットと64ビットの違い

パソコンの心臓部とも言えるOS(WindowsやmacOSなど)にも、32ビット版と64ビット版があります。先ほども少し触れましたが、OSが64ビットに対応していると、パソコンに搭載されている64ビットCPUの性能を最大限に引き出すことができ、より多くのメモリーを扱えるようになります。

現代のパソコンでは、ほとんどが64ビットCPUを搭載しており、OSも64ビット版を選ぶのが一般的です。もし、お使いのパソコンが古いものでない限り、迷わず64ビット版のOSを選ぶと良いでしょう。

OSの選択におけるポイントは以下の通りです。

OSの種類 CPU メモリー容量 対応アプリケーション
32ビットOS 32ビットCPU 最大約4GB 32ビットアプリのみ
64ビットOS 64ビットCPU 理論上、非常に大容量(実質128GB以上) 64ビットアプリ、ほとんどの32ビットアプリ

ドライバーの互換性! 32ビットと64ビットの違い

パソコンを快適に使うためには、プリンターやグラフィックカードなど、様々な周辺機器を動かすための「ドライバー」というソフトウェアが必要になります。このドライバーも、32ビット用と64ビット用で分かれていることがあります。

もし、お使いの周辺機器のドライバーが64ビット版に対応していない場合、64ビットOSではその周辺機器が使えない可能性があります。そのため、新しい周辺機器を購入する際は、必ず64ビットOSに対応しているか確認することが大切です。逆に、32ビットOSでは、64ビット用のドライバーは一切使えません。

ドライバーの互換性に関する注意点は以下の通りです。

  • 64ビットOSを使用する場合、対応する周辺機器の64ビットドライバーが必要です。
  • 古い周辺機器の場合、64ビットドライバーが提供されていないことがあります。
  • 32ビットOSでは、64ビットドライバーは使用できません。

セキュリティー機能の進化! 32ビットと64ビットの違い

64ビットシステムは、32ビットシステムに比べて、より高度なセキュリティー機能が搭載されています。例えば、「カーネル・ページ・テーブル保護(KPP)」という機能は、OSの根幹部分が不正に書き換えられるのを防ぎ、より強固なセキュリティーを実現します。これにより、マルウェア(悪意のあるソフトウェア)による攻撃からの保護が強化されます。

このように、64ビットシステムは、単に性能が高いだけでなく、安全面でも進化していると言えるでしょう。

セキュリティー機能の進化について、主なものを挙げると以下のようになります。

  1. カーネル・ページ・テーブル保護 (KPP): OSの重要な部分を保護し、不正アクセスやマルウェアの侵入を防ぎます。
  2. ASLR (Address Space Layout Randomization): メモリー上のプログラム配置をランダム化することで、攻撃者がプログラムの弱点を見つけにくくします。
  3. DEP (Data Execution Prevention): 悪意のあるコードが実行されるのを防ぎます。

どちらを選ぶべき? 32ビットと64ビットの決定的な違い

さて、ここまで32ビットと64ビットの違いを見てきましたが、結局どちらを選べばいいのでしょうか? 結論から言うと、 特別な理由がない限り、64ビットを選ぶのが断然おすすめです。

現代のパソコンで使われるCPUのほとんどは64ビットに対応しており、新しいソフトウェアやゲームも64ビットを前提に作られています。64ビットOSを選ぶことで、パソコンの性能を最大限に引き出し、より快適で多機能なコンピューターライフを送ることができます。もし、あなたが古いパソコンを買い替える場合や、新しいパソコンを購入する際には、迷わず64ビット版のOSを選ぶようにしましょう。

最終的な選択のポイントは以下の通りです。

  • 最新のソフトウェアやゲームを利用したい場合: 64ビットOSが必須。
  • 多くのアプリケーションを同時に快適に使いたい場合: 64ビットOSで十分なメモリー容量を確保するのが理想。
  • 古い周辺機器やソフトウェアとの互換性が最優先の場合: 32ビットOSも検討の余地があるが、最新の環境では制約が多くなる。

さて、32ビットと64ビットの違いについて、少しは理解が深まったでしょうか? パソコンの基本的な仕組みを知ることで、より快適に、そして賢くパソコンを使えるようになります。もし、ご自身のパソコンがどちらのバージョンなのか気になる場合は、設定画面などで確認できますので、ぜひ調べてみてくださいね!

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