ウェブサイトを見ているとき、裏側ではPOSTメソッドとGETメソッドという2つの方法で情報がやり取りされています。この二つの違いは、ウェブサイトの機能やセキュリティに大きく関わってきます。この記事では、POST と GET の 違いを分かりやすく解説し、それぞれの使い分けについて学んでいきましょう。
POST と GET の 違い:基本を理解しよう
POST と GET の 違いを理解することは、ウェブ開発の基礎の基礎です。簡単に言うと、GETは情報を「取得」するために、POSTは情報を「送信」するために使われます。GETはURLに情報を付け加えてサーバーに送信しますが、POSTは情報をメッセージの本体に含めて送信します。この違いが、データの見え方や扱いに大きな差を生むのです。
- GET: 情報を「もらいに行く」
- POST: 情報を「送り届ける」
この違いを正しく理解することが、安全で効率的なウェブサイトを作る上で非常に重要です。
例えば、ウェブサイトで検索する時はGETが使われることが多いです。検索キーワードがURLに表示されるのを見たことがあるかもしれません。一方、ログインフォームやお問い合わせフォームのように、個人情報や機密情報を送信する際にはPOSTが使われます。これは、POSTの方が情報がURLに直接表示されないため、より安全だからです。
| メソッド | 主な目的 | データの送信方法 |
|---|---|---|
| GET | データの取得・閲覧 | URLのクエリ文字列 |
| POST | データの送信・更新・作成 | リクエストボディ |
URL に情報が出るか出ないか?
POST と GET の 違いで、最も目に見えやすいのがURLの表示形式です。GETメソッドでは、送信したい情報(例えば検索キーワードやページ番号など)がURLの末尾に「?」の後ろに「キー=値」の形式で追加されます。例えば、「https://example.com/search?q=postget」のような形です。
これは、URLをブックマークしたり、友達に共有したりしやすいというメリットがありますが、一方でURLに個人情報や機密情報が含まれてしまうと、それが他人の目に触れてしまうリスクがあります。そのため、GETは機密性の低い情報や、単に情報を取得したい場合に適しています。
対照的に、POSTメソッドでは、送信される情報はURLには現れません。代わりに、HTTPリクエストの「ボディ」と呼ばれる部分に格納されてサーバーに送られます。これは、URLを見ただけではどんな情報が送信されたのか分からないということです。そのため、パスワードなどの機密情報を送信する際には、POSTメソッドが必須となります。
- GET: URLに情報が表示される
- POST: URLには情報が表示されない
データの量に制限はある?
POST と GET の 違いは、送信できるデータの量にも関わってきます。GETメソッドは、URLに情報を載せるため、URLの長さにはブラウザやサーバー側で上限が設けられています。一般的には、2048文字程度と言われていますが、環境によって異なる場合があります。したがって、大量のデータを送信するのには向いていません。
一方、POSTメソッドは、リクエストボディにデータを格納するため、理論上は非常に大きなデータも送信可能です。ただし、サーバーの設定によって一度に受け取れるデータ量には制限がある場合もあります。しかし、GETに比べれば、はるかに多くのデータを扱えると言えます。
- GET: URLの長さに制限あり
- POST: 基本的に制限は緩い
「安全」ってどういうこと?
POST と GET の 違いで「安全」という言葉が出てくるのは、情報の見え方と、それによって引き起こされるリスクに関係があります。先ほども触れましたが、GETはURLに情報が表示されるため、もしその情報が機密性の高いものであった場合、第三者に見られてしまう危険性があります。
例えば、URLをコピーしてメールで送ったり、ウェブサイトの履歴を誰かに見られたりした場合に、パスワードや個人情報が漏洩する可能性があります。ですから、GETで送信すべきではない情報というものが存在します。
POSTは情報がURLに表示されないため、GETに比べて機密情報を扱う上で安全性が高いと言えます。しかし、POSTだからといって絶対に安全というわけではありません。通信自体が暗号化されていない場合(HTTPSではない場合)、データは平文で送られるため、途中で傍受されるリスクは依然として存在します。そのため、SSL/TLSによる暗号化(HTTPS)は、POSTでもGETでも、安全な通信のために非常に重要です。
| メソッド | 機密情報送信の安全性 | 備考 |
|---|---|---|
| GET | 低い | URLに情報が表示されるため |
| POST | 比較的高い | URLに情報が表示されないため。ただし暗号化は必須。 |
履歴に残る?残らない?
POST と GET の 違いは、ブラウザの履歴にも影響します。GETメソッドで送信された情報は、URLの一部としてブラウザの履歴に残ります。これは、後で同じページを再訪する際に便利ですが、プライベートな検索履歴などを残したくない場合には注意が必要です。
一方、POSTメソッドで送信された情報は、通常、ブラウザの履歴には残りません。これは、POSTが「状態を変更する」操作(データの作成や更新など)に使われることが多いため、履歴に残してしまうと意図しない操作を再実行してしまう可能性があるからです。ただし、ブラウザによっては、POSTリクエストの内容を「開発者ツール」などで確認できる場合もあります。
- GET: ブラウザ履歴に残る
- POST: 基本的にブラウザ履歴に残らない
ブックマークできる?できない?
POST と GET の 違いのもう一つのポイントは、ブックマークできるかどうかです。GETメソッドでアクセスしたページは、URLに検索条件などが含まれているため、そのURLをブックマークしておけば、次回アクセスしたときに同じ条件で表示することができます。これは、特定の検索結果ページや、絞り込み条件を指定した一覧ページなどを保存したい場合に便利です。
しかし、POSTメソッドは、通常、データの送信や操作を伴うため、ブックマークには適していません。POSTリクエストをブックマークしても、次回アクセスしたときに同じデータが送信されるとは限りませんし、意図しない結果になる可能性もあります。そのため、POSTで送信されたページをブックマークすることは、一般的に推奨されていません。
- GET: ブックマーク可能
- POST: ブックマークには不向き
POST と GET の 違いを理解すると、ウェブサイトがどのように動いているのか、より深く理解できるようになります。それぞれの特性を活かして、安全で使いやすいウェブサイトを作りましょう!