警察 と 検察 の 違い:事件解決の二大プレイヤーを徹底解剖!

「警察と検察の違いって、なんだか難しそう…」そう思っていませんか? でも大丈夫! この記事では、身近な事件やニュースでよく聞く「警察」と「検察」が、それぞれどんな役割を担っているのか、その違いを分かりやすく解説します。 事件解決のために、警察と検察は切っても切り離せない関係 なんです。

捜査の「始まり」と「終わり」を担う、警察の仕事

まずは、私たちにとって一番身近な存在である警察から見ていきましょう。警察は、街の安全を守り、犯罪の発生を防ぐのが主な仕事です。しかし、もし犯罪が起きてしまったら、彼らの本格的な活躍が始まります。

警察の役割は、大きく分けて以下のようになります。

  • パトロール・交通整理 :街の安全を見守り、交通ルールを守るように指導します。
  • 事件・事故の対応 :急な事件や事故が発生した際に、現場に駆けつけ、被害者を保護したり、状況を把握したりします。
  • 捜査 :犯罪の証拠を集め、犯人を特定するために、聞き込みや張り込み、証拠品の採取などを行います。

警察は、日々、私たちの生活の安全を守るために、様々な活動をしています。もし何か困ったことがあれば、一番に頼りになる存在です。

「起訴」の判断を下す、検察の仕事

さて、次に検察の役割を見てみましょう。検察は、警察が集めた情報をもとに、犯罪の事実を明らかにし、裁判にかけるかどうかを判断する「起訴」という重要な役割を担います。

検察の仕事は、主に以下の3つです。

  1. 捜査の指揮・支援 :警察が行う捜査に対して、法的なアドバイスをしたり、より詳細な捜査を指示したりすることもあります。
  2. 事件の終結(起訴・不起訴) :集められた証拠から、犯罪が成立するかどうかを厳しく判断します。もし裁判で争うべきだと判断すれば「起訴」、証拠が不十分だったり、犯罪が成立しないと判断すれば「不起訴」となります。
  3. 裁判の遂行 :起訴された事件について、裁判官に犯罪の事実を証明し、適正な刑罰が科されるように努めます。

検察官は、法律の専門家であり、国民の代表として、公正な裁判が行われるように尽力します。

具体的に、何が違うの?

警察と検察の最も大きな違いは、 「捜査の開始」と「起訴の判断」 にあります。警察は、犯罪の疑いがある場合に、まず最初に対応し、証拠を集めます。一方、検察は、警察が集めた証拠を見て、裁判で裁くべきかどうかを最終的に決定する立場にあります。

それぞれの役割を、簡単な表でまとめると以下のようになります。

担当 主な役割 開始 判断
警察 犯罪の捜査、証拠収集、犯人逮捕 犯罪発生時、市民からの通報時 (起訴・不起訴の判断はしない)
検察 起訴・不起訴の判断、裁判の遂行 警察からの事件引き継ぎ後 起訴・不起訴の判断

このように、警察が「事実を明らかにする」ことに重点を置くのに対し、検察は「法に基づいて、適切に裁く」ことに重点を置いていると言えるでしょう。

「捜査」の進め方における違い

捜査の進め方にも、警察と検察で違いがあります。警察は、事件現場での聞き込みや証拠品の収集など、現場に即した捜査を主に行います。一方、検察は、警察が収集した証拠を基に、さらに詳細な捜査の必要性を判断したり、法的な観点から捜査の方向性を指示したりします。

具体的には、以下のような違いが見られます。

  • 警察
    • 事件現場の保全と鑑識活動
    • 目撃者や関係者への聞き込み
    • 容疑者の特定と逮捕
    • 防犯カメラ映像の収集
  • 検察
    1. 警察からの送致された事件書類の検討
    2. 必要に応じた追加捜査の指示
    3. 専門家への鑑定依頼
    4. 公判準備

警察は「足で稼ぐ」捜査、検察は「頭で考える」捜査、というイメージもできるかもしれません。

「逮捕」と「勾留」の権限

犯罪の疑いがある人物を一時的に拘束する「逮捕」や、さらに捜査のために長期間留め置く「勾留」といった権限にも、警察と検察で違いがあります。警察は、現行犯逮捕や、裁判官の発行した逮捕状に基づいて逮捕を行うことができます。

一方、勾留は、裁判官の許可(勾留状)がなければできません。そして、この勾留を裁判官に請求する権限を持っているのが検察官です。

  • 逮捕 :警察官は、一定の要件の下で直接逮捕できます。
  • 勾留 :検察官が裁判官に勾留請求を行い、裁判官が許可した場合にのみ、勾留ができます。

この勾留期間は、最大で20日間にも及び、その間に検察官はさらに証拠を集め、事件の全容解明に努めます。この、勾留の請求ができるかどうかが、検察の大きな権限の一つです。

「被疑者」と「被告人」の違い

犯罪の疑いをかけられている人を指す言葉にも違いがあります。警察が捜査している段階では「被疑者」、検察官が裁判にかけることを決めて(起訴して)から裁判が終わるまでは「被告人」と呼ばれます。

この呼び方の違いは、 「裁判所に事件が係属しているかどうか」 という、非常に重要な区別に基づいています。

  • 被疑者 :犯罪の疑いがあるものの、まだ検察官が起訴するかどうかを判断していない段階の人。
  • 被告人 :検察官によって裁判所に起訴された人。

この言葉の違いを聞くだけで、事件がどの段階にあるのかが分かると、ニュースなどもより理解しやすくなるはずです。

「不起訴」になった場合

検察官が、集められた証拠などから「犯罪があったとは言えない」「証拠が不十分で立件できない」と判断した場合、その事件は「不起訴」となります。不起訴になれば、その人は裁判にかけられることはありません。

不起訴には、いくつかの種類があります。

  1. 嫌疑なし :そもそも犯罪の嫌疑がない場合。
  2. 嫌疑不十分 :犯罪の嫌疑はあるものの、証拠が足りない場合。
  3. 起訴猶予 :犯罪の嫌疑や証拠は十分でも、犯人の年齢や反省の度合いなどを考慮して、あえて起訴しない場合。

不起訴処分は、被疑者にとっては「無罪放免」となりますが、これは検察官が厳正な判断を下した結果です。

このように、警察と検察は、それぞれ異なる役割を担いながら、協力して事件を解決し、社会の安全を守っています。どちらか一方だけでは、公正な事件処理は成り立ちません。この二つの機関の連携があってこそ、私たちの暮らしは守られているのです。

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