e ttl と e ttlii の 違い:知っておきたい基礎知識と応用

e ttl と e ttlii の違いについて、一体何が違うのだろう?と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。この二つは、ともに TTL (Through The Lens) と呼ばれる技術に関連するものですが、その詳細な意味合いや応用範囲には違いがあります。この記事では、e ttl と e ttlii の違いを分かりやすく解説し、それぞれの特徴やどのような場面で使われるのかを掘り下げていきます。

e ttl と e ttlii の基本的な違い

e ttl と e ttlii の違いを理解するには、まず TTL という技術そのものを知ることが大切です。TTL は、カメラがレンズを通して入ってくる光を測定し、それに応じて最適な露出(写真の明るさ)を自動で調整する仕組みのことです。e ttl は、この TTL 技術の進化形であり、より正確で柔軟な光量制御を可能にしました。一方、e ttlii は、e ttl のさらに進化したバージョンで、より高度な測光アルゴリズムと通信プロトコルを採用しています。 この進化が、写真撮影における表現の幅を大きく広げる鍵となります。

  • e ttl: レンズを通して入る光を測定し、フラッシュの発光量を自動調整。
  • e ttlii: e ttl の進化形。より高度な測光と通信で、さらに正確な露出制御を実現。

具体的には、e ttl は被写体までの距離や、画面上のどの部分が明るいかといった情報を考慮してフラッシュ光を調整します。これにより、人物の顔が白飛びしたり、背景が暗くなりすぎたりすることを防ぎます。

機能 e ttl e ttlii
測光精度 さらに高
通信速度 標準 高速化

e ttl と e ttlii における測光モードの違い

e ttl と e ttlii の違いを語る上で、測光モードは非常に重要な要素です。測光モードとは、カメラが光をどのように測るかの設定のこと。e ttl と e ttlii では、これらのモードの精度や、利用できるモードの種類に違いが見られます。

例えば、e ttl では、被写体全体を均一に測る「評価測光」や、画面中央部を重視する「中央部重点測光」などが一般的です。これらのモードは、日常的な撮影において十分な性能を発揮します。

  1. 評価測光: 画面全体を複数のゾーンに分けて測光し、平均的な明るさを得ようとします。
  2. 中央部重点測光: 画面中央部をより重視して測光します。ポートレート撮影などで有効です。

一方、e ttlii になると、より繊細な測光が可能になります。被写体の色情報や、さらに細かい部分の明るさのコントラストまでを分析し、より自然で意図した通りの明るさを実現できるようになりました。これにより、逆光下での人物撮影や、複雑な照明環境下での撮影でも、失敗しにくい写真が撮れるようになっています。

e ttl と e ttlii における通信プロトコルの進化

e ttl と e ttlii の違いは、カメラ本体とフラッシュ機器との間でやり取りされる「通信プロトコル」にも現れています。この通信プロトコルが、どれだけ素早く、どれだけ多くの情報をやり取りできるかが、撮影の快適さや仕上がりに影響を与えます。

e ttl が登場した当初は、TTL 通信として十分な性能を持っていましたが、e ttlii では、より高速で、より多くの情報(例えば、レンズの焦点距離や絞り値など)をリアルタイムでやり取りできるようになりました。これにより、カメラ側からの指示がフラッシュに素早く伝わり、フラッシュ側の応答も速くなるため、連写撮影時など、シャッターチャンスが短い場面での対応力が向上します。

  • e ttl: 比較的標準的な通信速度。
  • e ttlii: 高速化された通信プロトコルを採用。

この通信速度の向上は、特に動く被写体を撮影する際に威力を発揮します。例えば、スポーツ選手が激しく動いている場面や、子供たちが遊んでいる様子を撮影する際に、カメラとフラッシュがスムーズに連携することで、ブレの少ない、明るい写真を撮ることが可能になります。

e ttl と e ttlii におけるTTL調光の精度

e ttl と e ttlii の違いとして、TTL 調光の精度についても触れておきましょう。TTL 調光とは、先ほども触れたように、カメラがレンズを通して光を測り、フラッシュの発光量を自動で決定する機能のことです。

e ttl は、当時としては画期的な精度で、多くの写真愛好家を満足させるものでした。しかし、被写体の色や質感、あるいは背景の状況によっては、意図した通りの明るさにならないこともありました。

評価項目 e ttl e ttlii
被写体認識 基本的な明るさ 被写体の色や質感も考慮
逆光補正 標準的 より自然で効果的

e ttlii では、この TTL 調光の精度がさらに向上しました。被写体の色情報や、画面上の明るさの分布をより細かく分析することで、より自然で、写真に写る光景を忠実に再現するような調光が可能になりました。特に、肌の色をきれいに表現したいポートレート撮影などでは、e ttlii の進化が大きな違いとなって現れます。

e ttl と e ttlii における外部フラッシュとの連携

e ttl と e ttlii の違いは、外部フラッシュとの連携においても顕著です。外部フラッシュは、カメラ本体に内蔵されているフラッシュよりも強力な光を放つことができるため、写真の表現の幅を大きく広げてくれます。

e ttl 対応の外部フラッシュであれば、カメラと連携してTTL調光が行われます。これにより、手動でフラッシュの発光量を調整する手間が省け、より手軽に高品質な写真撮影が可能になります。

  1. e ttl 対応フラッシュ: カメラからのTTL調光信号を受け取り、発光量を自動調整。
  2. e ttlii 対応フラッシュ: さらに高度な通信により、より正確で素早い調光を実現。

e ttlii では、この連携がさらにスムーズかつ高精度になっています。カメラとフラッシュの間で、より多くの情報をやり取りできるようになり、例えば、カメラが被写体までの距離を正確に把握することで、フラッシュはより的確な光量を照射できるようになります。これにより、意図した通りの明るさや雰囲気の写真が撮りやすくなります。

e ttl と e ttlii におけるAF(オートフォーカス)との連携

e ttl と e ttlii の違いは、AF(オートフォーカス)システムとの連携にも影響を与えます。AF とは、カメラが自動でピントを合わせる機能のことですが、この AF システムが写真の明るさにも影響を与えることがあるのです。

e ttl では、AF センサーが捉えた被写体の位置や明るさの情報が、TTL 調光の計算にも利用されます。これにより、ピントが合っている部分を中心に、適切な明るさの写真が撮れるように調整されます。

  • AF センサー: 被写体の位置や明るさを検知。
  • TTL 調光: AF センサーの情報も利用して、最適な露出を計算。

e ttlii では、この AF と TTL 調光の連携がさらに洗練されています。AF センサーの性能向上はもちろんのこと、カメラ本体の画像処理能力の向上と相まって、より被写体の動きや状況を正確に把握し、それに合わせた最適な露出調整が行われるようになっています。特に、暗い場所での撮影や、動く被写体へのピント合わせと同時に、正確な露出も実現したい場合に、e ttlii の優位性が発揮されます。

e ttl と e ttlii の選び方とまとめ

ここまで、e ttl と e ttlii の違いについて、その基本的な部分から、測光モード、通信プロトコル、TTL 調光の精度、外部フラッシュとの連携、AF との連携といった様々な側面から解説してきました。

では、どちらを選ぶべきか。これは、あなたの撮影スタイルや、使用するカメラ、そして求める写真のクオリティによって変わってきます。

対象 e ttl e ttlii
初心者〜中級者 十分な性能を発揮。手軽に使える。 より高度な表現を目指すなら。
プロフェッショナル 多くの場合、e ttl でも満足できる。 最高のパフォーマンスを求めるなら。

もしあなたが、これからカメラやフラッシュ機器を揃えるのであれば、最新の e ttlii に対応した製品を選ぶことをお勧めします。最新の技術が詰まっており、将来的な拡張性も高いため、長く愛用できるはずです。しかし、すでに e ttl 対応の機材をお持ちで、満足できる写真が撮れているのであれば、無理に買い替える必要はありません。

e ttl と e ttlii の違いは、写真撮影の質を向上させるための、カメラとフラッシュの「賢さ」の進化と言えます。それぞれの特徴を理解し、あなたの撮影スタイルに合った機材を選ぶことで、より素晴らしい写真を撮ることができるでしょう。

この記事が、e ttl と e ttlii の違いを理解するための一助となれば幸いです。

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