約定書 と 契約書 の 違いをスッキリ解説!どっちがどっち?

「約定書」と「契約書」、似ているようで実は少し意味が違うのをご存知でしたか?今回は、この「約定書 と 契約書 の 違い」を、小学生でもわかるように、とっても分かりやすく解説しますね。

約定書と契約書、根本的な違いって?

まず、一番大切な「約定書 と 契約書 の 違い」は、その「効力」にあります。ざっくり言うと、契約書は法的な拘束力があるのに対して、約定書は、もっと「約束事」に近いものなんです。もちろん、状況によっては約定書も法的な意味合いを持つこともありますが、基本的にはこの「拘束力の強さ」で区別されます。

例えば、友達との約束。「明日、公園で遊ぼうね!」これは「約定」と言えます。もし、約束が破られても、警察に捕まることはありませんよね。でも、これが「明日、A君の家で一緒に宿題を終わらせる。もし終わらなかったら、B君がお菓子を買う」というような、具体的な約束事になると、それは「契約」に近くなります。お菓子を買わないと、A君は「約束を守らなかった!」と怒るでしょうし、場合によっては、お菓子代を請求するかもしれません。

つまり、 「約定書」は、お互いの「合意」や「意思表示」をまとめたもの で、 「契約書」は、その合意が法的な効力を持つように、より厳密に定められたもの 、と考えると分かりやすいかもしれません。どちらも「約束」という点では同じですが、その重みが違うのです。

約定書が使われる場面

約定書は、まだ法的な拘束力を持たせるほどではないけれど、お互いの気持ちや考えを明確にしておきたい、という時に使われます。例えば、:

  • 新しいプロジェクトを始める前に、メンバー間で「こんなことをやろう!」という共通認識を持つため。
  • 簡単な業務委託で、作業内容や報酬について、口頭ではなく書面で確認するため。
  • 内定者と会社の間で、入社条件などを事前にすり合わせるため。

これらの場合、すぐに「契約書」という形にしなくても、まずは「約定書」として、お互いの意思を確認し合うことが多いです。これは、後々のトラブルを防ぐためにも、とても大切なプロセスです。

契約書が不可欠なケース

一方、契約書は、法的な効力を持たせることが非常に重要です。なぜなら、もし約束が破られた場合に、裁判などを通じて権利を守ったり、損害を賠償してもらったりする必要があるからです。具体的には、:

  1. 不動産の売買や賃貸
  2. 高額な商品の購入
  3. 長期にわたる雇用契約
  4. お金の貸し借り

このような、お互いの権利や義務が大きく関わる場面では、必ずと言っていいほど契約書が交わされます。契約書には、当事者の氏名や住所、契約内容、期間、解除条件などが細かく記載されており、万が一の際の証拠となります。

「合意」と「契約」の温度差

約定書は、お互いの「合意」を記録するイメージが強いです。例えば、「この条件で話を進めましょう」といった、前向きな「合意」の段階で使われることが多いでしょう。一方、契約書は、その合意が「法的な契約」として成立したことを証明するものです。

もう少し具体的に見てみましょう。

約定書 契約書
お互いの意思確認、共通認識の形成 法的な権利・義務の発生
「~しましょう」という約束 「~しなければならない」という法的義務

このように、約定書は、まだ「~しようね」という軽い約束でも、契約書は「~しなかったら、〇〇円払ってもらいます」といった、より重い責任を伴うものです。

約定書:親しみやすさ重視?

約定書は、契約書に比べて、もう少し「親しみやすい」言葉で書かれていることが多いです。例えば、「〇〇様」という呼び方ではなく、「〇〇さん」と書かれていたり、専門用語を避けて、誰にでも分かりやすい表現が使われていたりします。これは、

  • 相手との良好な関係を築きたい
  • 内容を理解してもらいやすくしたい

という意図があるからです。ただし、親しみやすいからといって、内容が軽いわけではありません。あくまで、お互いの「合意」を明確にするためのものです。

契約書:正確さと網羅性が命!

契約書は、法的な効力を持つことが最優先されるため、非常に「正確」で「網羅的」である必要があります。細かな点まで、漏れなく記載しないと、後々、思わぬトラブルを引き起こす可能性があるからです。

例えば、:

  1. 契約の目的
  2. 対象となる商品やサービスの詳細
  3. 支払い条件(金額、期日、方法)
  4. 契約期間と更新・解除
  5. 秘密保持義務
  6. 損害賠償
  7. 管轄裁判所

など、挙げればきりがありません。これらの項目が、具体的に、かつ曖昧さなく記載されていることが、契約書には求められます。

約定書を契約書へステップアップ

最初は「約定書」として合意した内容が、話が進むにつれて、より具体的な条件が固まり、法的な拘束力を持たせる必要が出てきた場合に、「契約書」へとステップアップすることがあります。これは、

  • お互いの信頼関係が深まった
  • 具体的な取引内容が確定した

といった状況で自然な流れと言えるでしょう。約定書は、契約書への「橋渡し」のような役割も担っているのです。

契約書:守られない時の「武器」

契約書は、万が一、相手が約束を守ってくれなかった場合に、「武器」となり得ます。もちろん、最初から「争う」ことを前提に契約書を作るわけではありませんが、法的な効力があることで、

  • 損害賠償を請求できる
  • 契約の履行を求めることができる

といった、権利を行使することができます。これは、安心・安全に取引を進める上で、非常に重要な要素です。

このように、「約定書」は、お互いの「合意」や「約束」を明確にし、円滑なコミュニケーションを促すためのものであり、「契約書」は、その合意に法的な拘束力を持たせ、権利や義務を明確にするためのものと言えます。どちらも、ビジネスや日常生活において、大切な「約束」を形にするためのツールですが、その目的と効力には違いがあることを理解しておくと、よりスムーズに、そして安心して物事を進めることができるでしょう。

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